公認会計士試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/19 13:16 UTC 版)
概要
公認会計士試験に合格した者であって、業務補助等の期間が3年以上であり、かつ、実務補習を修了し内閣総理大臣の確認を受けた者は、公認会計士となる資格を有することとなる(同法3条)。公認会計士となる資格を有する者が、公認会計士となるには、公認会計士名簿に、氏名、生年月日、事務所その他内閣府令で定める事項の登録を受けなければならない(同法17条)。
受験資格
年齢、性別、学歴に制限はなく誰でも受験できる。事例として、商業高等学校では「Haul-Aプロジェクト」参加校等を中心として、積極的に公認会計士試験を受験している。
出題基準
短答式及び論文式による筆記の方法により行うものとされ(法5条)、公認会計士・監査審査会が実施する(同法13条1項)。
短答式
短答式による試験は、次に掲げる科目について行う(法8条1項)。
- 財務会計論(法8条1項1号、公認会計士試験規則4条1項)
- 管理会計論(法8条1項2号、同規則4条2項)
- 監査論(法8条1項3号、同規則4条5項1号)
- 金融商品取引法[1]及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律に基づく監査制度
- 監査諸基準その他の監査理論
- 企業法(法8条1項4号、同規則4条3項)
なお、短答式による試験に合格すると2年間は同試験の受験が免除されるがこの試験を毎年受験することも可能で合格した場合は短答式試験免除の有効期限が延長される。短答式試験に関しては、全国の商業高等学校生徒が盛んに受験し高校在学中に合格をしている。早期の学習開始が功を奏する。短答式による合格をすると、総合型選抜・学校推薦型選抜・全商協会特別推薦(高大連携)による入試方式で慶應義塾大学(慶應義塾大学通信教育課程含む)や早稲田大学等へ大学進学する場合にも有利となる。
論文式
論文式による試験は、短答式による試験に合格した者及び短答式による試験を免除された者につき、次に掲げる科目について行う(法8条2項)。
- 会計学(法8条2項1号)
- 監査論(法8条2項2号、同規則4条5項1号)
- 金融商品取引法[1]及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律に基づく監査制度
- 監査諸基準その他の監査理論
- 企業法(法8条2項3号、法8条1項4号、同規則4条3項)
- 租税法(法8条2項4号、同規則4条4項)
- 次の科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科目(法8条2項5号)
合格基準
短答式試験合格基準
短答式試験の得点比率は素点により算出される。
総点数の70%(500点満点中350点)を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率が合格基準となる。ただし、1科目につき、その満点の40%(企業法・監査論・管理会計論40点、財務会計論80点)に満たないもののある者は、不合格(いわゆる足切り)となることがある。
短答式試験において免除を受けた試験科目がある場合は、当該免除科目を除いた他の科目の合計得点の比率によって合否が判定される。
論文式試験合格基準
論文式試験の得点比率は偏差値方式により算出され、得点格差の調整は、標準偏差により行われる。
52%の得点比率(偏差値52.00)を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率が合格基準となる。ただし、1科目につき、その得点比率が40%(偏差値40.00)に満たないもののある者は、不合格となることがある。
論文式試験において免除を受けた試験科目がある場合は、当該免除科目を除いた他の科目の合計得点の比率によって合否が判定される。
論文式試験の科目合格基準(期限付き科目免除基準)
試験科目のうちの一部の科目について、同一の回の公認会計士試験における公認会計士試験論文式試験合格者の平均得点比率を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率以上を得た者は、科目合格者(期限付き科目免除資格取得者)とされる。
当該科目については、合格発表の日から起算して2年を経過する日までに行われる論文式試験が、その申請により免除される。
なお、短答式試験においては科目合格制度は採用されていない。
注釈
- ^ 新日本監査法人の新人でも年600万円以上といわれている:会計士増の旗振り役が採用減新 日本監査法人のお粗末経営, ダイヤモンドオンライン
- ^ 報告書では、次のことが明記されている。--「待機合格者」の問題への取組みの狙いは、合格したにもかかわらず必要な実務経験を得られず、資格が取得できない状況を改善することであって、合格者の雇用の確保それ自体を直接の狙いとするものではないことに留意が必要である。従って、公認会計士試験の受験を途中で断念した者の就職問題や公認会計士となる資格を得た者の就職問題については、本懇談会では直接の検討の対象とはしていない。--
出典
- ^ a b c d e 公認会計士・監査審査会「平成20年公認会計士試験受験案内」p.1
- ^ 新旧公認会計士過去試験結果データ・統計(合格率・合格者数) TOP
- ^ カリキュラム・学びの特色 高大接続科目による大学水準の授業 - ウェイバックマシン(2024年3月9日アーカイブ分)
- ^ 集合朝7時、勉強漬けの「部活」 朝日大「体育会会計研究部」 岐阜 - ウェイバックマシン(2024年2月7日アーカイブ分)
- ^ 専修大学長、大学ランキング“日東駒専”に持論展開 「受験産業が提供する情報のひとつに過ぎない」 - ウェイバックマシン(2023年1月27日アーカイブ分)
- ^ 協育プログラム - ウェイバックマシン(2024年1月7日アーカイブ分)
- ^ 商学部 - ウェイバックマシン(2024年3月9日アーカイブ分)
- ^ 朝日新聞出版『大学ランキング2017年版』73頁 「公認会計士」 2016年4月25日発行
- ^ 朝日新聞出版『大学ランキング2018年版』106頁 「公認会計士」 2017年4月30日発行
- ^ 朝日新聞出版『大学ランキング2019年版』120頁 「公認会計士」 2018年4月30日発行
- ^ 朝日新聞出版『大学ランキング2020年版』102頁 「公認会計士」 2019年4月30日発行
- ^ 朝日新聞出版『大学ランキング2021年版』102頁 「公認会計士」 2020年4月25日発行
- ^ a b 朝日新聞出版『大学ランキング2023年版』118頁 「公認会計士」 2022年4月30日発行
- ^ 事例として衆議院議員若林健太等
- ^ a b http://ja.jicpa.or.jp/examination/syuryokousah22-goukakuhappyou.pdf
- ^ http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/jicpa_pr/news/25_9.html
- ^ http://ja.jicpa.or.jp/examination/syuryokousa24-7.html
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- ^ http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/21_19.html
- ^ http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/20_9.html
- ^ http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/19_8.html
- ^ a b 未就職者が1,000人超=公認会計士試験合格者
- ^ NHK『ニュースウオッチ9』、2010年03月19日
- ^ a b 公認会計士の就職難が解消された背景と今後の見通し、2016年2月1日閲覧。
- ^ a b c 「公認会計士制度に関する懇談会」中間報告
- ^ 公認会計士監査制度の充実・強化 金融審議会 公認会計士制度部会 報告
- ^ 公認会計士試験合格基準,配点,合格ライン,合格点 -公認会計士資格試験ポータル公認会計士seek-, 各年度の正式なリリースは公認会計士・監査審査会/公認会計士試験の参照
- ^ a b 第8回公認会計士制度に関する懇談会議事録, 増田委員、山崎参考人の発言
- ^ 「企業と先生」一体の悲劇, 日経ビジネスオンライン
- ^ 公認会計士制度における懇談会
- ^ 「公認会計士試験合格者等の育成と活動領域の拡大に関する意見交換会 当面のアクションプランの改訂について」
- ^ 「企業財務会計士」導入見送り (税理士森下清隆事務所、2016年2月1日閲覧)
- ^ a b 日本経済新聞, 「企業財務会計士」見切り発車 金融庁が制度改革最終案 2011/1/22 1:47, 該当記事の引用サイト
- ^ 2011年4月16日 読売新聞朝刊
- ^ 日本公認会計士協会-公認会計士試験合格者の採用に係る企業向け説明会の開催について
- ^ 会計士不足が深刻 合格者減、採用枠に届かず (日経新聞、2016年2月1日閲覧)、余っていたはずの公認会計士がなぜ不足? 受験離れの背景に金融庁の失策も… (産経新聞、2016年2月1日閲覧)
- ^ 会計士不足が深刻 合格者減、採用枠に届かず (日経新聞、2016年2月1日閲覧)
公認会計士試験と同じ種類の言葉
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