余弦定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/06 09:21 UTC 版)
第二余弦定理の証明
第一余弦定理との同値性
第二余弦定理は第一余弦定理と同値となる。ここではそれも含めた証明を行う。
△ABC で底辺を BC としたときの高さが
- b sin γ = c sin β
であることに着目する。
- 第一余弦定理 a = b cos γ + c cos β
の平方から b sin γ − c sin β (= 0) を取り出すように式変形すると、
三平方の定理による導出 第二余弦定理は、三平方の定理を利用すれば、三角法の定理(正弦定理や第一余弦定理など)を使わずに導出することができる。ただし垂線を引くので △ABC の 1つの内角と 90度の大小関係で場合分けする必要がある。
△ABC において、γ ≤ π/2 の場合、B から直線AC に下ろした垂線の足を H とすると、BH = a sin γ, CH = a cos γ, AH = AC − CH = b − a cos γ であり、△ABH に三平方の定理を使えば
ユークリッド原論第2巻命題12では AB2 = CA2 + BC2 + 2CA × CH が示されている ユークリッド原論第2巻命題12では、鈍角三角形の鈍角に対応する第二余弦定理がピタゴラスの定理を用いて示されている。現代的に書けば
γ > π/2 のとき B から AC に下ろした垂線の足を H とする。H は線分 AC 上ではなく AC を C の方へ延長した半直線上にある。d = CH, h = BH として △ABH と △CBH にピタゴラスの定理を適用すると
となり
となる。
余弦関数を用いた表現では、鈍角に対する余弦が負になることに注意すれば d = −a cos γ である。
第2巻命題13
ユークリッド原論第2巻命題13では、鋭角三角形に対する第二余弦定理が示されている。
△ABC において、A から BC に下ろした垂線の足を H とし、p = BH, q = HC, h = AH とする。
第2巻命題7で示されている
という関係を使うことで
△ABH と △ACH にピタゴラスの定理を使って
となる。
余弦関数を用いた表現では p = c cos β である。
ベクトルの内積による導出
三角形の辺の長さをベクトルの内積で表し計算すれば、第二余弦定理は自然なものとなる。
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