リーキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/05 22:36 UTC 版)
概要
地中海沿岸原産[6]。起源は古く、古代エジプト時代から栽培されていたとされる[7]。
ネギ属に属するネギのなかまで、日本では「西洋ねぎ」「ポロねぎ」「ポワロ」ともよばれる[7][6]。下仁田ネギに似た、太くて短い姿で[7]、長ネギのように円筒形の白い部分を食用とする。ネギと違い、ネギ特有の臭みは少なく芳香があり[7]、葉は硬く平らにつぶれている。栽培法は根深ネギとほぼ同様であり種子によって繁殖する。近縁のジャンボニンニクは栄養繁殖によって増える。
春まきの品種と秋まき(越冬型)の品種とがある。一般的に越冬型の方が香りが強い。食材としての旬は11月 - 3月で、太さが均一で茎がよく締まっている、葉の部分が緑鮮やかなものが市場価値の高い良品とされる[7]。根深ネギと同様に軟白化した部分を煮込み、スープ、刻んでサラダなどに利用する。緑色の部分も香りを活かして煮込み料理の風味づけに利用される[7]。栄養的には可食部100グラム (g) あたりの熱量が29キロカロリー (kcal) で、栄養価の高い緑色の部分にはβ-カロテンが多く含まれている[7]。
フランスではポピュラーで[6]、それぞれの季節に適した品種があり通年で手に入るが、最も流通が増えるのは冬である。加熱すると甘味が強く増し、ねっとりとした食感と上品な風味を活かしたシチュー、スープ、ポタージュ、ポトフなどの煮込み料理や蒸し煮、オーブンを使ったグラタンなどの料理に好んで使われる[7]。また、ジャガイモやパースニップとの相性が良く、香味野菜としても利用される[8][9]。
日本への輸入はベルギーやオランダなどのヨーロッパ産もしくはオーストラリアやニュージーランドのオセアニア産がほとんどであり、日本での生産量は非常に少なく、わずかに特産品づくりとしての試験的な生産が試みられており、希少な国産品として大田市場や帝国ホテルに高値で卸されている。
- ^ a b c d 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Allium ampeloprasum L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年2月26日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Allium porrum L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年2月26日閲覧。
- ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
- ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
- ^ 古瀬伝蔵「韮葱」『軍隊地方農事講習全書』 第5、川流堂小林又七本店、1915年、315-317頁。
- ^ a b c d 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 97.
- ^ a b c d e f g h 主婦の友社編 2011, p. 239.
- ^ バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント監修 山本紀夫監訳『世界の食用植物文化図鑑』、柊風社、2010年、p143
- ^ 辻調グループ 辻静雄料理教育研究所 編著 『フランス料理ハンドブック』 柴田書店、2012年、pp210-211
- ^ “ウェールズ政府公式サイト - ウェールズについて”. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “矢掛町の特産野菜「リーキ」の定植講習会を開催”. 岡山県庁 (2014年6月20日). 2015年1月15日閲覧。
- ^ “矢掛で西洋ネギ「リーキ」初出荷 町のブランド、仏料理の高級食材”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2015年1月13日) 2015年1月15日閲覧。
- ^ “くせがなく食べやすいリーキ(西洋ネギ) - 十勝のきほん”. ワークワークとかち | 十勝・帯広へのUターン、移住、就職情報. 2023年2月6日閲覧。
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