ラ・クーポール ラ・クーポールの概要

ラ・クーポール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/22 21:27 UTC 版)

ラ・クーポール

カフェとして紹介されることもあるが[3][4]、公式にはブラッスリーをうたっている[5]。この評価・格付けの曖昧さについてはブラッスリーの項を参照。なお、本項では以降クーポールとのみ表記する。

歴史

1870年からの普仏戦争を契機にアルザス=ロレーヌ地方からパリに移住した人々が始めたブラッスリーは20世紀にかけて大流行した[6]サン=ジェルマン=デ=プレには19世紀中にすでにカフェ・ド・フロールリップといった有名カフェやブラッスリーがその地位を確固たるものにしていた[7][8]モンパルナスの、後にクーポールが建つ場所は1000平方メートルほどの石炭置き場であったが、創業者のエルネスト・フロー(Ernest Fraux 、オーヴェルニュ出身[9])はここを買い取り、1927年12月20日にクーポールを開業し、開業に当っては2500人を招待した[10]。モンパルナスだけにエコール・ド・パリの芸術家たちも近所に生活していたため、彼らによる店内の装飾も行えた[10]

クーポールは人気店となり、ピカソフジタ[1]コクトー[10]サルトル[2]ヘミングウェイ[11]などの顧客を得るに至った。地下階で行われたジャズの演奏も評判であった[1]

その後一旦の衰退を経て、1988年に店内を改装し2013年現在も営業を行っている[1]。「雰囲気は昔のまま」と評される[11]

建築

1000平方メートルほどの敷地を持ち、地下もある2階建てで2階にはテラスもある[12]アール・デコ調[11]の広大な店内にはそれぞれ絵画による装飾の施された32本[13]または33本の柱が立ち[10]、300席ほどが確保されている[2]。1988年、一部が「歴史的記念物」に指定された[14]

店内に設置されている像は、東京池袋駅東口にある『大地の像[15]』と同じもので、製作者はともにルイ・デルブレフランス語版である[16]

地下階は以前は映画「ラスト・ダンス・イン・パリ」でも使用されたダンスホールであったが、2007年現在では日曜午後だけ開放されている[17]

アクセス

パリメトロ4号線ヴァヴァン駅より徒歩2分[2]

脚注

[脚注の使い方]

  1. ^ a b c d e 宇田川 et al. 2007, p. 165
  2. ^ a b c d 昭文社 2012, p. 63
  3. ^ 昭文社 2012, p. 62
  4. ^ 赤瀬 2000, p. 49
  5. ^ Restaurant emblematique à Paris, Montparnasse”. La Coupole. 2013年11月23日閲覧。 (フランス語)
  6. ^ 宇田川 et al. 2007, p. 559
  7. ^ カフェ・ド・フロール Cafe le Flore”. パリ・ビストロ・エディション. 2013年11月23日閲覧。
  8. ^ リップの長い物語”. パリ・ビストロ・エディション. 2013年11月23日閲覧。
  9. ^ La Coupole Timeline”. La Coupole. 2013年11月23日閲覧。 (英語)
  10. ^ a b c d ブロンベルガー n.d., p. 1
  11. ^ a b c ブロンベルガー n.d., p. 2
  12. ^ ブロンベルガー n.d., pp. 1–2
  13. ^ 地球の歩き方編集室 2009, p. 288
  14. ^ Monuments historiques - Restaurant La Coupole”. Ministère de la Culture et de la communication(フランス文化・通信省). 2013年11月23日閲覧。 (フランス語)
  15. ^ 大地の像”. 東京都産業労働局. 2013年11月23日閲覧。
  16. ^ Une légende historique”. La Coupole. 2017年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月23日閲覧。(フランス語)
  17. ^ JTBパブリッシング 2007, p. 32


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