マリーゴールド マリーゴールドの概要

マリーゴールド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/27 05:01 UTC 版)

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マリーゴールド
フレンチ・マリーゴールド Tagetes patula
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: コウオウソウ属 Tagetes
学名
Tagetes
L.
英名
marigold

この項では、コウオウソウ属(紅黄草属)について説明する。

属名の由来

エトルリアの神ターゲス(en:Tages)の名前から。

分布

アメリカ大陸の熱帯と温帯にかけて約50種が分布する。園芸種として栽培されるものには、フレンチやアフリカンを冠するものがあるが、すべてメキシコ原産でフランスやアフリカとは無縁である。

性状

一年草が多いが、一部多年草亜灌木もある。茎は高さ30〜120cm、葉は濃い黄緑色、羽状複葉が対生する。全草に特有の臭気があるものが多い。4〜10月にかけて、茎に継続的に新たな蕾が発生し、直径2~5cmぐらいの鮮やかな黄・橙・暗赤色などの美しい花が咲く。咲いた花は1~2週間で萎れ、自然落下(または指で摘花)するが、1株の複数の茎に発生している蕾が次々に開花し、1株としては4~10月まで花が咲き続ける。10月以後、茎や葉が枯れる株があり、11月になると種の寿命限界で全ての株は枯れる。近年改良されたセンジュギクの一代交配種では、花径が15cmに達するものもある。

観賞目的の栽培が普通であるが、根に線虫の防除効果があるのでコンパニオンプランツとして作物の間などに植えられることもある。線虫の防除効果は、植物自身の合成するα-terthienylをはじめとした化合物によるものとの説が有力だが、共生する線虫捕食菌の働きのためだという説も浮上している。

異臭が激しく、有毒植物と誤解されていた時期もある。ジョン・ジェラードは、花を噛んだ少年の唇が炎症を起こした、猫に与えたところ、猫が死んでしまった、などの話を伝えている。ウィリアム・ハンベリー(William Hanbury)も匂いが不快であると言及し、ジョン・パーキンソンは、花の色など見た目の美しさがなかったら庭に植えられる事は無かっただろうと推測している。嫉妬の象徴とみなされることもある。

主な種

アフリカン・マリーゴールド Tagetes erecta
和名:センジュギク(千寿菊)、サンショウギク(山椒菊)
フレンチ・マリーゴールド Tagetes patula
和名:コウオウソウ(紅黄草)、クジャクソウ(孔雀草)、マンジュギク(万寿菊)
メキシカン・マリーゴールド Tagetes tenuifolia
和名:ホソバコウオウソウ、ヒメコウオウソウ
レモン・マリーゴールド Tagetes lemmonii

和名の千と万は、大きさではなく開花期の長さなので、T. erecta のほうを万寿菊にするのは誤りである。また、すべて原産地はメキシコで、フランスやアフリカ大陸には自生していない。導入の過程で誤謬により命名されたものと考えられる。アフリカン・マリーゴールドは16世紀初頭にスペインに輸入され、ヨーロッパに帰化した。フレンチ・マリーゴールドは、最初パリの庭園に植えられ、そこからヨーロッパ全域に波及した。日本には江戸時代、寛永年間に渡来した。学名のタゲテスはエトルリア人に占術を伝授した神話の人物ターゲス(Tages)に由来する。

なお日本には自生していないが、シオザキソウT. minuta )が一部帰化している。


  1. ^ 対抗植物、天敵微生物等を利用した線虫防除技術”. 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構. 02/02/19閲覧。


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