マグネロボ ガ・キーン 概要

マグネロボ ガ・キーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 08:17 UTC 版)

概要

鋼鉄ジーグ』に続く『マグネロボシリーズ』(当シリーズ名は本作のタイトルに由来する[注 1])の第2作。また、スポンサーのタカラ(現・タカラトミー)のマグネモシリーズ第3弾である(同シリーズの第2弾は『ゴワッパー5ゴーダム』)。

放映フォーマットは前番組であった『鋼鉄ジーグ』と同様に、放送時間枠に応じた26分バージョンと30分バージョンの2つのタイプが作られた。その理由は、キー局(CMを含めて26分)と一部ローカル局(CMを含めて30分)における放送時間の相違に、正副主題歌と予告編のサイズを調整することで対応したことによる。キー局ではオープニング(OP)が1分、次回予告が15秒のうえエンディング(ED)が完全にカットされた。その一方で、ローカル局ではOPが2番までの2分、EDにいたってはフルコーラスで2分50秒、次回予告も1分25秒と長めであった(後の再放送時には各局とも30分の放送枠であることが多かったことから、主に30分バージョンが使われた)。[注 2]

視聴率は前作より苦戦し、後半の数々のパワーアップ劇をもってしても上げることができなかった(1話しか登場しなかった武装もあった)。

あらすじ

イザール星人の地球侵略が開始された。花月博士率いる地球システム研究所は、秘密裏に移動要塞研究所ゴッドフリーダムとマグネロボ・ガ・キーンを開発、イザールの侵略に備える。しかしガ・キーンを起動させるためにはマグネマンが二人必要だった。花月博士は自分の娘である舞をマグネマン・マイナスに選んだが、もう一人のマグネマンであるプラスの資格を持つ人物は未だに見つからなかった。花月は友人である北条徹の息子であり、人並み外れた耐電能力を持つ猛に目をつけ、彼をマグネマンとしてスカウトしようとする。

登場人物

本作は約5分ほどのパイロット版が製作されている。登場する人物で声を当てているのは猛と舞の2人だけで、本編とは異なりそれぞれ野田圭一と吉田理保子が演じている。また一部の用語が本編と異なるものとなっている。

地球人

北条 猛(ほうじょう たける)
声 - 古川登志夫(次回予告ナレーションも兼任)
北条流武道という武道家の家に生まれ父も武道家。17歳。その身体能力は高く、自らも武道家になるべく武者修行をしていた。幼少時に落雷事故に遭いその時に母親を失っている。その時発覚した電気に強い体質とその格闘能力を見込まれマグネマン・プラスとなる。マグネマン・プラスに変身すると変身前よりも凛々しくなるが、舞ほどの表情の劇的な変化はない。当初は協調性に欠け、孤高な雰囲気を持つ独りよがりな部分も目立ったが戦いを通じて成長してゆく。
花月 舞(かづき まい)
声 - 杉山佳寿子
ガ・キーン開発者、花月 守の娘。16歳。イザール星人の侵略を警告する父のためにマグネマン・マイナスとなる。特に体質的に有利というわけではなくマグネマンになるための電撃特訓など血のにじむような努力の成果として変身可能となる。人当たりもよく暴走しがちな猛を支えた。マグネマン・マイナスになると眉毛は釣り上がりのようにやや細めの目つきになり表情も変わり、化粧をした感じの大人の顔になり凛々しくなる。身体能力と柔軟性が高いため、水泳新体操が得意。
花月 守(かづき まもる)
声 - 内海賢二
地球システム研究所の所長にしてガ・キーン開発者。イザール星人の侵略を早くに察知するも誰にも取り合ってもらえず、私財を投じてガ・キーンとゴッドフリーダムを建造する。パイロットとして必要なマグネマンの一人に自分の娘を選んだ。
北条 徹(ほうじょう とおる)
声 - 柴田秀勝
猛の父。花月博士とは友人同士。北条流武術師範。猛を幼少時より過剰に厳しく鍛え上げ、物語開始時には、猛とは事実上の絶縁状態となっている。
北条 琴江(ほうじょう ことえ)
声 - 北浜晴子 / 吉田理保子(幼少時)
猛の姉。母が夭折した北条家の母親代わり。
小松 独(こまつ ひとり)
声 - 野田圭一(ナレーションも兼任)
ゴッドフリーダム所属。戦闘要員。デリバリー号のメインパイロット。孤児ということもあって、仲間意識を大切にしており、物語当初、協調性がない猛とは衝突が絶えなかった。
肥前 太(びぜん ふとし)
声 - 増岡弘
ゴッドフリーダム所属。戦闘要員。デリバリー号のガンナーおよびサブパイロット。
辻 天才(つじ てんさい)
声 - はせさん治
ゴッドフリーダム所属。分析・整備要員。デリバリー号のレーダー、データ解析担当。チックタッカーを開発するなどメカにも強い。
肥前 カオル(びぜん カオル)
声 - つかせのりこ
太の妹。兄を頼ってゴッドフリーダムにやってきた活発(というよりおてんば)な少女。天才とともにチックタッカーを開発し戦闘に加わろうとした。
宇宙班・星博士
声 - はせさん治
海底班・潮博士
声 - 増岡弘
地底班・峰博士
声 - 野田圭一
それぞれゴッドフリーダム所属の博士。ガ・キーンのサポートとイザール星人の分析にあたる。

イザール星人

ブレーン総司令官
声 - 柴田秀勝
イザール帝王腹心の部下。イザールの地球侵略軍総司令官。部下よりもふた周りほど体が大きく、肥大化した脳のような頭部を持つ。帝王直属のギャザーンを見殺しにした責任を問われ、第35話で自ら出撃し、巨大化してガ・キーンと直接戦った。
地底将軍コックロー
声 - 増岡弘
地底での作戦を指揮する三将軍の一人。功名心にあふれた利己的な性格。専用のコックローカーで前線に出て、そこから合成獣に命令を下す。最終話で合成獣を指揮して市街地を攻撃するが、ガ・キーン重戦車の後輪を受けてコックローカーごと押し潰される。
海底将軍スタッフィー
声 - 北浜晴子
海での作戦を指揮する三将軍の紅一点。海洋生物をモチーフとした姿をしている。最終話でコックローが市街地にガ・キーンを誘き出したその隙にスタッフィーカーでゴッドフリーダムを攻撃する二面作戦に出るが、独に迎撃されて戦死した。
情報長官デバイス
声 - はせさん治
三将軍の一人で地上での作戦を指揮し、情報収集と諜報活動を行なう。頭部が透明なドームで、耳がレーダーという機械生命体。最終話で要塞内に突撃してきたガ・キーンのイレーザーを受けて即死。
シャドー隊長
声 - 野田圭一
デバイスの部下。変装の名人。義手である右手に銃を内蔵している。
ギャザーン
声 - 田中崇
イザール皇帝直属の特別攻撃隊長。カオルたち子どもを利用してガ・キーンとゴッドフリーダムを窮地に陥れたが、失敗した挙句、巨大化してガ・キーンと戦い果てる。
イザール帝王
声 - 内海賢二
イザール星の支配者。イザール星は星としての寿命がつきかけており、移住先として地球を侵略しようとした。ブレーン亡き後、自ら指揮を執るために地球に降り立つ。最後は巨大化しガ・キーンとの戦いを繰り広げた。

注釈

  1. ^ ただし「マグネロボ」という言葉自体は、「マグネロボミニ」といったタカラの商品名を始め、『鋼鉄ジーグ』放映時にすでに存在はしていた[1][2][3][4]
  2. ^ a b 詳細はマグネロボシリーズ#放送規格を参照。
  3. ^ この独特のデザインは草食獣の持つ俊敏性をヒントにしたとの事でありその為俊敏性に優れているが逆にこの足の細さを敵に狙われ危機に陥った事がある。これが大車輪アタック開発のきっかけとなった。
  4. ^ ガ・キーンの語源として当時の番宣ポスター裏の解説や、製本シナリオに記載された製作意図に「ガ・キーンとは Gathering Keen(集合して強力になる) の略称であり、効果音とも一致する」との記述がある[9]
  5. ^ 後のインタビューで横山賢二が明かしたところによると、陸海空3パーツは玩具の採算面から没になり、代わりに採用されたのがバリアントアンカーとのこと[13]。同様のことを辻忠直も勝間田具治との対談で語っている[14]
  6. ^ この時、プライザーとマイティーの脚部は膝上で切り離され、それより下は使用されない。また胴体がビーム発射時と同様に左右から閉じ、各極記号が明らかになる。その背中にはガ・キーンの保持用の持ち手があり、変形時に起き上がって使用可能となる。
  7. ^ プライザー&マイティー単体時は背面に装着するが、その場合、背面の持ち手がカッターフラッグ本体で隠れてしまう為に、ガ・キーンと合体する際には体の前面に付け替える必要がある。
  8. ^ 企画書[16]や設定画の書き込み[17]、DVD-BOXブックレット[18]、番宣ポスター裏の解説文、当時の絵本[19][20][21][22][23][24][25]やレコード(ジャケット)類[26][27][28]では“マイティー”、タカラの玩具の商品名では“マイティ”(商品カタログや商品宣伝用パンフレットには“マイティー”表記のときもある[29])など、媒体や記事によって表記ゆれがあるが、テレビマガジン誌では“マイティー”で統一されていた。なお第1話劇中では「海底探査ロボ マイティー」とクレジットされている。
  9. ^ a b c 「浦川しのぶ」は、本作の企画者である東映動画プロデューサー・横山賢二のペンネーム[13][31][32]
  10. ^ 服は本作のブレーン総司令官を流用しているが、顔は堀江の顔をアレンジ。

出典

  1. ^ 講談社、月刊『テレビマガジン』1975年11月号、21-22頁「鋼鉄ジーグぬり絵大コンクール」。
  2. ^ 講談社、月刊『テレビマガジン』1975年11月号、54-55頁「見よ!!むてきの4大必殺わざ」。
  3. ^ 講談社、月刊『テレビマガジン』1975年12月号、26-29頁「3大ヒーローのおもちゃ大けんしょう」、54-55頁「鋼鉄ジーグニュース おもちゃ情報」。
  4. ^ 徳間書店、『別冊テレビランド6号』「グレンダイザーとロボット百科号」1975年12月15日、38-39頁「正義の巨大ロボットとその勇姿 9 マグネロボ鋼鉄ジーグ」。
  5. ^ 講談社、月刊『テレビマガジン』1976年9月号、54-55頁「ガ・キーンのぶきは必殺マグネパワー」。
  6. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット10頁。
  7. ^ 講談社、月刊『テレビマガジン』1980年12月号付録「ロボットひみつ大全集 鋼鉄ジーグ ガ・キーン バラタック」14頁。
  8. ^ 勁文社、『52年度版 全怪獣怪人大百科』1976年12月25日発行、52頁。
  9. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット2頁。
  10. ^ 赤星政尚、高橋和光、早川優・著『懐かしのTVアニメ99の謎〈東映動画 編〉』二見書房、1995年1月25日、ISBN 4-576-94199-2、174-175頁「第6章 つい話したくなるヒーロー&ヒロインのおもしろ裏話 70|ヒーローと同格で活躍する『ガ・キーン』のヒロインの例外性とは?」
  11. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット13頁。
  12. ^ マテリアルシリーズ②『スーパーロボットマテリアル《マグネロボ編》』銀河出版、1999年6月15日、ISBN 4-87777-008-9、106-107頁。
  13. ^ a b c 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット6頁。
  14. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット9頁。
  15. ^ 季刊『宇宙船』1980 SPRING Vol.2、朝日ソノラマ、1980年5月20日、ISBNコードなし、「<作品研究>名作アニメ② マグネロボ・ガ・キーン」52頁。
  16. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット3-5頁。
  17. ^ マテリアルシリーズ②『スーパーロボットマテリアル《マグネロボ編》』銀河出版、1999年6月15日、ISBN 4-87777-008-9、100、118、120頁。
  18. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット14頁。
  19. ^ EM-90『マグネロボ ガ・キーン 主題歌のソノシート付き』構成/浦川しのぶ、絵/東映動画、朝日ソノラマ、発行年月日不詳。
  20. ^ 『エルムのつくるえほんT-23 グネロボ ガ・キーン』絵・文/映動画、エルム、1976年12月1日。
  21. ^ P-48『マグネロボ ガ・キーン プレイブック』エルム、1976年11月1日。
  22. ^ 『ポケット・ミニ マグネロボ ガ・キーン(飛び出す絵本)』ばんそう、1976年12月1日。
  23. ^ 『ひかりのくにテレビ絵本152 マグネロボ ガ・キーン 1』ひかりのくに、作画/東映動画、発行年月日不詳。
  24. ^ 『ひかりのくにテレビ絵本153 マグネロボ ガ・キーン 2』ひかりのくに、作画/東映動画、発行年月日不詳。
  25. ^ 『しょうちゃん紙芝居 マグネロボ ガ・キーン』E-1785(ソノシート付き)、発行・ショウワノート/発売・美研、発行年月日不詳。
  26. ^ EP『ファンファンレコード たたかえ!ガ・キーン/猛と舞のうた』SCS-312、日本コロムビア、1976年9月発行。
  27. ^ EP『ファンファニーシリーズFF-9 たたかえ!ガ・キーン/猛と舞のうた/ドラマ・合成獣を打ちくだけ!』SH-180025、徳間書店・徳間音楽工業、発行年月日不詳、「ファンファニーポスター」。
  28. ^ ソノシート『ソノラマエース・パピイシリーズ たたかえ!ガ・キーン/猛と舞のうた/ドラマ=ガ・キーン対合成獣タコガニー』APS-5054、朝日ソノラマ、発行年月日不詳。
  29. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日、ブックレット19頁。
  30. ^ 地球システム - 東映ロボットガールズ研究所
  31. ^ 赤星政尚、高橋和光、早川優・著『懐かしのTVアニメ99の謎〈東映動画 編〉』二見書房、1995年1月25日、ISBN 4-576-94199-2、54-55頁「第1章 愛と涙と笑いと大冒険、心躍らせた作品世界 17|「ガ・キーン」の究極のカッコよさって何だろう?」
  32. ^ 赤星政尚、高橋和光、早川優・著『懐かしのTVアニメ99の謎〈東映動画 編〉』二見書房、1995年1月25日、ISBN 4-576-94199-2、116-117頁「第4章 あのテーマソングに隠された裏話ベスト10 45|意外!『マコちゃん』のかわいい主題歌の作詞者はなんと……」
  33. ^ 河北新報』1976年10月3日付朝刊、テレビ欄。
  34. ^ 福島民報』1980年11月16日付朝刊、テレビ欄。
  35. ^ 日刊スポーツ』1977年9月25日、10月1日付テレビ欄。
  36. ^ 南日本新聞』1977年9月2日付朝刊、テレビ欄。
  37. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1978年12月号、徳間書店、52頁。 
  38. ^ 講談社、月刊『テレビマガジン1月号増刊 10大ヒーロー大行進まんが号』1977年12月15日発売(奥付表記では1977年1月15日発行)、読み切り。
  39. ^ コミカライズ作品研究会・編『ロボット&ヒーローCOMIXスーパーガイド 永遠の夢・SF漫画大辞典』白夜書房、1999年7月30日、ISBN 4-89367-601-6、138頁。
  40. ^ 『マグネロボ ガ・キーン』DVD-BOX、東芝デジタルフロンティア、パイオニアLDC、PIBA-7173、2003年01月24日。






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