ファイナルファンタジーIX 登場キャラクター

ファイナルファンタジーIX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/09 07:56 UTC 版)

登場キャラクター

担当声優は、『ディシディア ファイナルファンタジー』や「キングダム ハーツ シリーズ」などの客演作品での配役。ゲーム本編ではボイスはない。

プレイヤーキャラクター

ジタン・トライバル(Zidane Tribal)
- 朴璐美
本作の主人公。16歳。リンドブルムを拠点とする劇団兼盗賊団「タンタラス」の若き団員。後ろで括っている長い金髪と、臀部から生えた猿のような尻尾が特徴[注 1]
シド大公の依頼でガーネット王女を誘拐する作戦に参加したが、彼女に本気で惚れたためタンタラスを脱退してまで、目的をもって旅を決意したガーネットに付き添った。以降も彼女の存在は行動指針と原動力となり、大切なパートナーとなっていく。Disk3終盤では自身の出生と生まれた目的を知り自暴自棄になってしまうが、彼女の支えにより本来の自分を取り戻し、仲間達と共に再び立ち上がる。
性格は明るくお調子者で女好きだが、困っている相手を見過ごせない優しい性格でもある。スケベで女好きで、ガーネットのお尻に触って手痛い反撃を受けている。軽い言動は多いものの実際は他者を思いやる優しさの持ち主である一方、自分の心の奥底には踏み込まれたくないという弱さも持つ。
正義感と優しさ、そして行動力によってパーティーのリーダーとなっていき、仲間たちに大きな影響を与えていくことになる。大切なものをたくさん失ったガーネットの支えとなり、自分の出生に悩むビビに勇気を与え、「盗賊」ということだけで侮蔑をあらわにしていたスタイナーから偏見を取り払わせ仲間として認められ、孤独を貫くサラマンダーには仲間の大切さをその行動によって教えてきた。そして最終決戦後は、悲しみと絶望に打ちひしがれていたクジャの心を開き改心に導いた。
その正体は青の惑星テラの支配者ガーランドによって生成された最強のジェノム。ジェノムとはテラの原住民たちの魂を受け入れるための器に過ぎなかったが、ガーランドやジタンなどは例外で自意識を持つ。また作中における敵であるクジャもまたジェノムであり、ジタンにとって兄と呼べる存在である。生成目的は「ガイアに死を振り撒く死神になること」。この役目はクジャが任されていたもののジタンのほうが優秀であったためガーランドに重用されるようになる。そのことに劣等感を抱いたクジャにより捨てられ(詳細はクジャの項で解説)ガイアに放逐されたことで孤児となり、4歳のときに盗賊団タンタラスの頭領バクーに拾われる。
4歳以前の記憶がないため、ジタンは自分の名前とテラの特徴とも言える「青い輝き」以外は自身の素性を知らなかった。13歳の時に盗賊団タンタラスから黙って去り、記憶を頼りに故郷となる「帰るべき場所」を捜していた。その際にフライヤと会って親交を結んでいる。しかし、霧の大陸中を旅しても青い輝きは見付からず、ジタンは再びバクーと仲間たちの元へと帰還。バクーはジタンを殴り飛ばしたが、それからは何も言わずにジタンの帰還を受け入れた。その時に「ここが自分の帰るべき場所なんだ」とジタンは悟った。
なお、ジェノムは元々成人として肉体が創造されており年を取ることがないが、ジタンだけは例外で意志や肉体の成長など最初から設定されて生み出されたという。ビビやクジャと違い寿命についての言及は無いが、作中でガーランドに「悠久の時を星と共に生きればいい」と言われるシーンがあることから、かなり長寿に設定されている模様。
クジャとの決戦の後、真の最後の敵である「永遠の闇」を打ち倒すが、暴走したイーファの樹内部に取り残されたクジャを救うため仲間たちを先に脱出させ一人残る。クジャのもとへ駆けつけ彼と和解するが、暴走するイーファ樹の根から彼をかばい、消息不明となってしまう。しかし無事に生存しており、エンディングにてガーネットの前に現れ仲間たちと再会する。
武器は短剣と盗賊刀(棒の両端に刃が付けられた武器)を用いる。初期装備はダガー。「ぬすむ」および「秘技」(トランス時は「裏技」)を使いこなす。トランス時には後頭部で結んでいた髪が解けるほか、全身がピンクのオーラによって覆い尽くされる。更に類人猿にも似た体毛が生え、より猿に近い外見となる。
ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世(Garnet til Alexandros XVII)
声 - 能登麻美子 / 歌 - 白鳥英美子
本作のヒロイン[12]。16歳。アレクサンドリアの王女で長く艶のある黒髪を持つ美少女だが、Disk3中盤でジタンのダガーを使って髪を切るため、以降はショートヘアーとなる。Disk1中盤にて「ダガー」(任意で変更可能)という偽名を名乗る。バストサイズは83センチ[13]
与えられた環境で何不自由なく暮らしてきた。そんな生き方を変えたいという漠然とした理由で、自分らしい生き方を求めて住みなれた城を飛び出す。物腰は上品でおしとやかだが、城育ちのせいか世間知らずな一面もある。
実は召喚士の生き残りであり、召喚士の一族が住まうマダイン・サリの出身だが、ガーネットが幼少の頃にガーランドによって故郷を滅ぼされてしまう。その当時の記憶は失ってしまうが、小船に乗って大陸の外に逃がされた際に、暗雲の中に潜む巨大な真紅の眼(インビンシブルの一部)が記憶に焼きついている。
当時アレクサンドリアの王妃であったブラネに引き取られた際に、召喚士の特徴である額の角は除去された。捨て子という事実を隠され、ブラネに溺愛されてきたガーネットだが、夫を失って憔悴して精神に異常をきたしたブラネに近付いたクジャによって、ガーネットの持つ召喚獣の力を狙われることになる。Disk4のマダイン・サリのサブイベントで、本名は「セーラ」であることが判明する。
またマダイン・サリの召喚士一族は、500年前にアレクサンダー(制御しきれぬ力)を召喚したことで甚大な被害をもたらしたため、アレクサンドリアから離れた歴史がある。
「召喚」(トランス時は「幻獣」となり、一定時間ごとに同じ召喚獣を自動で呼び出す)および「白魔法」を使用する。ゲーム開始時は召喚の消費MPが本来の4倍であるため使用はほぼ不可だが、あるイベントで召喚獣を奪われた後は本来の数値になる。トランスするとレオタードのような衣装を纏い、スタイルの良さが際立つ姿になる。
オンラインゲームの『TM FFIX』ではカードの数字を大幅に上げてくれるマスコットとして登場する。設定画集の対比表や天野喜孝のイラストでは銀髪となっている。
ビビ・オルニティア(VIVI Ornitier)
声 - 大谷育江
黒魔道士の少年。外見年齢は9歳。トレノ東の洞窟でクワンに拾われ、育てられる。気弱な性格だが、誰かを助けるために恐怖を乗り越える強さも秘めている。ジタンやガーネットと出会い旅をする中で、自らの出生に関わる過酷な事実も乗り越える心の強さを手に入れる。
その正体は、クジャの持つ技術により霧から生成された存在「黒魔道士」である。戦争の駒として生み出されたため、黒魔道士が活動していられる時間は短く、自我も持ち合わせていない。しかし、時が経つに連れて突然「目覚める」ため、自我を得ることが出来る。ビビは初期に作られた黒魔道士のため、魔法の出力自体は後継機に劣るが、その分活動していられる時間が長くなっている。エンディングにて「停止」してしまうが、その前に自分と旅してきた仲間達の素晴らしさと、生きることの意味を教えてくれたことを黒魔道士達に伝えている。その思いはしっかりと、ビビの子供達に受け継がれている。
「黒魔法」(トランス時は「W黒魔法」)および「ためる」を使う。容姿はこれまでのシリーズに登場する黒魔道士に酷似している。
パラレルワールドである『キングダムハーツII』の世界では『FFVIII』に登場するサイファーの子分となり、ノーバディが作り出したビビのコピーが敵として登場する。
アデルバート・スタイナー(Adelbert Steiner)
声 - 広田みのる
アレクサンドリア王国男兵騎士団「プルート隊」隊長。33歳。プルート隊は規模こそ決して大きくないが、いずれも一芸に秀でた男性によって構成されている。武器は両手で扱う巨大な剣および騎士剣を用いて、強大な威力のある一撃を繰り出す。
四角四面で頑固な性格。他人のことを「○○殿」と呼び、しばしば語尾に「〜である」とつく。主君に対してどこまでも尽くす典型的な武人タイプ。それ故に、盗賊であるジタンの存在を忌み嫌っており、彼を名前で呼ばず「貴様」や「猿」と呼んだり、嫌味を言うこともある。しかしDisk2中盤、追いすがってくる敵からガーネットを守るために、自分が敵の足止めをして、ガーネットを守る役目をジタンに任せて以降は彼を仲間と認め、「盗賊風情」という色眼鏡を外している。
女性優位のアレクサンドリアにて、将軍であるベアトリクスを気に入っておらず、互いに対立していた。しかしDisk3序盤にて、エーコがジタンに渡そうとした恋文の手違いにより、犬猿の仲から一転して恋仲になる。
実はかつて先代プルート隊に命を助けられたことがあり、その恩義から騎士を志した過去がある。しかしプルート隊は解散してしまい、それでも諦めずわずか16歳で騎士となり、23歳の時に御前試合でベアトリクスを破り、その褒章としてプルート隊再結成を許された。
「剣技」およびビビと協力して発動させる「魔法剣」を使う。トランスすると肉体と鎧が同化し、全身に鎧を纏ったような姿となり、通常攻撃の威力が3倍になる。
開発段階では「エドワード」という名前になっており、2000年4月(本作発売の3ヶ月前)に発売されていたファイナルファンタジー・コカコーラスペシャルフィギュアコレクションにも、発売初期は「EDWARD」と記載されていたことがある。
フライヤ・クレセント(Freija Crescent)
声 - 折笠愛
ブルメシアの女竜騎士。21歳。ネズミ族の亜人であり、容姿端麗と呼ばれる美貌である。落ち着きがあり、「〜じゃな」「〜じゃのう」といった老婆のような古風な口調が特徴。クレイラで巫女と共に魔力の込められたダンスを披露する美しさを見せる一方、アレクサンドリアでサラマンダーとあわや決闘を起こしかけるといった血の気の多さも併せ持つ。
強者を追い求めるために旅に出た恋人フラットレイを追って旅に出たことがあり、旅先でジタンと知り合い、一時は行動を共にした。
ブルメシアに向かったと思われるガーネットを追うジタンとビビに同行する形でパーティーに加入。ガーネット救出後は、アレクサンドリア城地下にてスタイナーとベアトリクスに加勢し、敵の追撃を止めるためパーティーから外れる。その後生存が明かされ、クジャの目的を阻むべく再びジタン達に合流した。
Disk2中盤にフラットレイと再会するも、彼は記憶を失っており、フライヤのことも含めすべてを忘れており、記憶が戻ることはなかった。しかしエンディングでは共に寄り添い、「思い出などなくてもまた作り直せば良い」と前向きに生きることを述べている。
槍を用いて戦い、その跳躍力を生かした戦法を得意とする。「ジャンプ」(トランス時は「ジャンプ」が全体化、連続化する)および「竜技」を使う。
海外版では年齢が30代、名前の綴りもFreijaからFreyaに変更されている。
クイナ・クゥエン(Quina Quen)
声 - 宮田幸季
ク族の若者(推定年齢は70代〜90代だが長命な種族のためまだ若い)。頭にコック帽をかぶっている。何をするにも食欲優先。大好物のカエルのこととなると我を忘れて行動してしまう。食べることが好きで、それが生きがいでもある。そのことについて何の迷いもない。ある時ふと思った。もし食べることが好きでなくなったとしたら、何のために生きればいいのかと。食の道を究めるため、師匠であるクエールに見送られてジタンたちと旅をすることになる。性別は不明。[14]
「世の中には、食べられるものと食べられないもののふたつしかないアルヨ」というのを信条としており、見たこともないものがあればとりあえず食べようとしたり、舐めてみたりする。語尾に「〜アルヨ」といった協和語を話す。
ストーリーに深く関わる場面は少ないが、カエルをたくさん捕まえるとクエールとの師弟対決が発生したり、クエールの師匠であるクワンと会うなど、サブイベントは豊富。
モンスターを「たべる」(HPが残り1/4以下になった敵を強制的に倒す。トランス時は「調理」となり、HPが残り1/2以下になると食べられる)ことで「青魔法」を習得し、以降の戦闘で使用できるようになる。巨大なフォークを武器として使う。攻撃力はかなり高いが、ダメージに大きな振れ幅がある。
ジタン達と出会うまでは、食の修行の旅としてアレクサンドリアのコック長として働いていたり、リンドブルムにて行われる狩猟祭に参加したりしていた。
エーコ・キャルオル(Eiko Carol)
声 - 金元寿子
召喚士一族の生き残り。6歳。マダイン・サリでモーグリたちと共に暮らす。6歳とは思えないマセた行動が特徴的。しかし、それは1人で暮らしていた寂しさを紛らわすための強がりであった。ジタンと出会った際に助けられ、彼に好意を寄せるようになる。そのためガーネットをライバル視していたが、彼女とは次第に姉妹のような仲になっていく。
額に召喚士特有の角が生えている。「白魔法」(トランス時は「W白魔法」)および「召喚」を使う。トランスすると背中に小さな翼が生えて天使のような雰囲気になる。
エンディングにて、リンドブルム大公シドと妃ヒルダの養女に迎えられ、ガーネットと同じく王女となった。
DQ&FF いたストSp』ではマスコットとして登場するが、性格が大幅に幼くなっている。
サラマンダー・コーラル(Salamander Coral)
声 - 咲野俊介
孤高の用心棒。26歳。右手に装着した爪を武器に戦う格闘家。他人との協力や協調を「馴れ合い」とみなし、誰にも頼ろうとはしておらず、絆を大切にするジタンの考えを当初は否定していた。しかし、Disk3後半、イプセンの古城にて単独行動の際に負傷してしまい、ジタンに助けられたことで「仲間」や「絆」について考え始め、再びパーティーに参入する(以降は戦闘勝利時のポーズが変化)。
通り名は「焔色のサラマンダー」。トレノの貴族の護衛として雇われた際に、盗みに入ったジタンと遭遇。強者との対決を求めていたサラマンダーは、ジタンとの戦いを望んでいたが、彼はあっさりと武器を収めて走り去った。ジタンの行動が理解できないサラマンダーは、呆然とその場に佇んで、依頼主の問いかけを無視して立ち去ってしまう。これによってサラマンダーもジタンの一味だと思われ、賞金首となってしまった。なお、ジタンは当時のことを覚えていない。またサラマンダーもジタンを恨んでいないという。
「奥義」(トランス時は「絶技」となり、「奥義」の効果が全体化する)および武器を投げて攻撃する「なげる」を使う。
海外版での名前はAmarantである。

アレクサンドリア王国

ブラネ・ラザ・アレクサンドロス16世(Brahne Raza Alexandros XVI)
アレクサンドリア王国の第16代女王で、ガーネットの母(実際は義母)。39歳。王家専用の巨大飛空艇レッドローズの持ち主。元々は心優しい性格だったようで、娘ガーネットにも「優しいお母様」として慕われている。
詳しくは描かれていないが、夫の死とクジャの登場を境に徐々に精神の異常をきたし、世界征服の野心に取り付かれるようになる。この時ガーネットすら平然と殺めようとした。その一方で、内政はきちんと行っていたらしく国民達には慕われていた。
召喚獣という絶対的な力を手にし、それによって用済みとなったクジャを倒そうとするが、逆に返り討ちに遭い、バハムートの光弾によって致命傷を負い、海岸へ流れ着いた際にガーネットと再会。死の直前、ガーネットに「私は思いのまま生きた。お前も思うように生きよ」と言い残し、最期を看取られた。
ベアトリクス(Beatrix)
声 - 小松由佳
アレクサンドリアに仕える隻眼の女将軍。28歳。「セイブザクイーン(Save The Queen、「女王に加護あれ」という意味)」という銘の剣を愛用している。配下はすべて女性で構成されている。
「泣く子も黙る冷血女」「100人斬りのベアトリクス」などの異名を持ち、当初は敵対関係にあったとはいえジタン達を見下した高慢な態度が見られるが、実際は忠義に厚く守るべき主君と国民のために剣を振るう、誇り高く美しい女性である。その剣技は大陸一といわれ「聖剣技」「聖白魔法」を使い、たった1人でジタン達を何度も退けている女傑。
ブルメシア・クレイラ・アレクサンドリア城と3度に渡って戦うことになる。いわゆる「負けバトル」だが全滅するとゲームオーバーになる。HPを0にすることもできるが、その場合はベアトリクスの反撃により全員がHPを1にされ、強制的に敗北となる。作中でジタン達が唯一勝てなかった相手である。
どの戦いもジタン達を劣勢に追い込むが、ブラネがクレイラを滅ぼしたことで迷いを抱き始める。その後、アレクサンドリア城の戦いにてガーネットを犠牲にしようとしているブラネのやり方をジタンに咎められ、剣を振るうべき相手は彼らではないと悟る。そして、道化師ゾーン&ソーンによって永遠の眠りにつかされたガーネットを魔法によって助けた。ジタンたちをアレクサンドリアから逃がすため、フライヤ・スタイナーと共に敵の足止めに協力する。
パーティーメンバーにはならず、スポット参戦のみで加入する。Disc2中盤およびDisc3序盤に参加。トランスは使えない。
過去に一度だけ、御前試合でスタイナーにまぐれで敗れたことがある。特に男性の立場が弱い国ということもあり、スタイナーと確執があった。しかしDisk3序盤にて、エーコがジタンに渡そうとした恋文を落としてしまい、それを拾ったベアトリクスが、スタイナーが自分に宛てたものと勘違い。これをきっかけに犬猿の仲から一転して恋仲となる。その後、スタイナーと共闘してクジャの呼び出した霧の魔獣を退け、アレクサンドリアを護るために戦う。しかし、バハムートとアレクサンダーの対決、インビンシブルの襲来によってアレクサンドリアは崩壊。ベアトリクスは行方不明となってしまうが、後に生存が確認されている。
ラストダンジョンとなる記憶の場所に突入する際、レッドローズを率いて登場し、銀竜との戦いに参戦。ジタン達がこれまでに出会った登場人物たちも応援に駆けつけ、銀竜の群れと戦い、ジタン達の道を切り開いた。
エンディングではブラネに加担したけじめをつけるためか、セイブザクイーンを置いてアレクサンドリアを去ろうとする。だがスタイナーから「お前が必要だ」と愛情を示され、彼の腕の中へと跳び込んでいった。ラストシーンでは彼女とスタイナーが一緒にセイブザクイーンを掲げる姿が映し出されていた。
ベアトリクスの使う強力な剣技は、Disk3後半以降にスタイナーが習得することが可能。
トット(Tot)
トリと人間が合わさったような外見の学者。52歳。元はアレクサンドリアに仕えており、ガーネットが幼い時から家庭教師を勤めていた。周囲の人々からはトット先生と呼ばれている。
一年前にブラネに理由も無く解雇され、トレノで隠居生活しながら考究の日々を送っていた。偶然トレノに来ていたガーネット達に出会い、アレクサンドリアに行くのを手助けする。ブラネの死後、ガーネットを補佐するためアレクサンドリアに戻った。
ラニ(Lani)
サラマンダーとコンビを組んでいる暗殺者。19歳。褐色の肌の女性。自らを「美の狩人」と自画自賛するほど己の美貌と実力に自信を持っている。周囲の人々が見惚れるほどの美女だが、気が強く好戦的な性格。
逃亡したガーネットを連れ戻すため、サラマンダーと共にブラネに雇われた。ただし優先されるのはガーネットの身柄ではなく、彼女が持っているペンダント(宝珠)の奪還である。戦闘では巨大な斧を武器としてジタン達に襲い掛かる。目的のためには手段は選ばず、初登場時には不死身のモンスター「アーモデュラハン」やダンジョンに仕掛けられたトラップを利用したが、突破された後に直接対決となり敗北を喫する。その戦いの後しばらく姿をくらましていたが、マダイン・サリにて、エーコを人質に取って再登場。しかし、その手口をサラマンダーに咎められ、阻まれたことで渋々その場を立ち去った。Disc4でマダイン・サリに行くとラニがおり、アレクサンドリアに帰れなくなりフラフラになっていたところをモーグリたちに助けられていたことが判明する。以降はジタン達に敵意を見せることなく接してくる。
美の狩人を自称する割には恋愛に対しては素直になれない性格。エンディングではアレクサンドリアに向かうサラマンダーから「お前は来ないのか?」と聞かれ、怒ったような言い方をしながらもその背中にくっついてきている。
実はDisk1中盤のイベント「狩猟祭」に参加しており、モーグリがうるさかったと宿屋のノートに苦情を書き込んでいる。
ゾーン&ソーン(Zorn & Thorn)
アレクサンドリア女王ブラネに仕える宮廷道化師の双子。語尾に「おじゃる」「ごじゃる」とつくのが特徴。88歳。
ガーネットを永遠の眠りにつかせたり、召喚獣を抜き取るなど奇怪な魔法や力を持つ。
当初はブラネ派の人間で、ガーネットから召喚獣を摘出した張本人。ブラネが死亡した後は行き場をなくし、ガーネットに取り入ろうにも侮辱した態度を取った後だった。後ろ盾がなければ生きていけないと考え、後にクジャの仲間入りを果たす。
しかし、クジャからは使い捨ての駒程度にしか思われておらず、エーコから召喚獣を奪うために利用されているに過ぎなかった。グルグ火山の戦いでエーコに敗北した後は融合させられてモンスターに変異する。変異後は「メルティジェミニ」という名前になり、ゾーンとソーンの体と頭部がいびつに組み合わさったおぞましい異形の形態となる。クジャが言うように「もう双子ではなく」「ひとつの怪物」と成り果て、ジタン達に倒された。
黒のワルツ1号(Black Waltz #1)
クジャの技術によって精製された強力な黒魔道士兵「黒のワルツ」の1番手。鈴を鳴らすことで猛烈な吹雪を呼び出し、氷属性魔法を得意とする。またシリオンという氷のモンスターを召喚して使役する。黒のワルツの中では比較的他の黒魔道士兵に似た姿をしており、身長も他の個体と比べると低い。氷の洞窟にて吹雪でガーネット達を弱らせ気絶させるが、ジタンとの対決に敗れて命を落とす。
黒のワルツ2号(Black Waltz #2)
ガーネットを取り戻すべくブラネが放った黒のワルツの2番手。長身で細身という、黒魔道士兵の中では珍しい姿をしている。瞬間移動の能力を持ち、低空飛行も可能。1号以上の優秀さを持つことをジタン達に誇っていた。
カーゴシップに乗り込もうとしたジタンたちの前に現れ、ガーネットを奪い返すべく対決する。火属性魔法を使用する他、瞬間移動による格闘攻撃も使う。ガーネット以外の味方が倒れるとスリプルを使用し、これを受けると自動的にゲームオーバーとなってしまう。
黒のワルツ3号(Black Waltz #3)
ブラネが送り込んだ黒のワルツ最後にして最強の刺客。傲岸不遜で、任務遂行のためには仲間の犠牲も辞さない非情な性格。
高速飛行が可能なほか、強力な雷属性魔法を行使する。カーゴシップに乗り込んだジタン達を追跡し、戦いを挑んでくる。ジタン達を始末しようとした矢先、カーゴシップにいた黒魔道士たちがかばうように現れたことで攻撃を開始。仲間であるはずの黒魔道士兵を「意思を持たない黒魔道士兵」と見下し、雷魔法で一掃。この行いは特にビビとスタイナーの怒りを買い、ビビがトランスした状態で戦闘開始となる。
戦いの最中、蓄積したダメージによって暴走を初め、手当たり次第に周囲の物を破壊するようになってしまう。ゾーンとソーンの小型飛空艇を奪い取り、そのままカーゴシップを追跡。雷魔法でビビを狙うが、咄嗟に放ったビビの魔法に押し返され、ダメージを受けてしまう。リンドブルムとの国境にあるゲートが閉じゆく中で放った雷魔法が、小型飛空艇のエンジンを破壊して自爆した。
死亡したと思われたが、アレクサンドリアを目指すガーネット達の前に再度登場。既に正気を失っており、ただひたすらガーネットを連れ戻すという執念だけで戦いを挑むも敗北。今度こそ機能停止した。
なお、2戦目でガーネット以外が戦闘不能になると台詞と共にダメージを受け続けるだけになり、放っておくとそのまま倒れてしまう。
プルート隊
女性優位の風潮があるアレクサンドリアにて、男性のみで構成される部隊。御前試合でベアトリクスに勝ったスタイナーに対する褒賞として設立され、スタイナーが隊長を務めている。
かつては男の憧れだったが、現在ではうだつの上がらない男の集まりと化している。
ブルツェン
隊員№2。細身の体格。情報収集を得意とする。Disk1序盤にジタンに装備を奪われる。
コッヘル
隊員№3。ポッチャリとした体格。情報収集を得意とする。Disk1序盤にブランクに装備を奪われる。
ラウダ
隊員№4。心を打つ文章を書かせれば当代一。脱退したいと考えている。
ドジェボン
隊員№5。三国一の大砲の名手。常に走り回っている。
バイロイト
隊員№6。プルート隊最古参の老人。
ワイマール
隊員№7。ナンパ師。城下町の若い女性の名前を全て覚えている。
ハーゲン
隊員№8。熱血漢でやる気だけはある。城下町の地理に明るい。
メルゲントハイム
隊員№9。砲弾運びレースで優勝したことがある。

リンドブルム公国

シド・ファブールIX世(Cid Fabool IX)
リンドブルム公国の現大公。35歳。アレクサンドリア先王(ブラネの夫)と親交があり、ガーネットにもしものことがあったら面倒をみてほしいと頼まれていた。後にブラネによって戦争へ突き進むアレクサンドリアの不穏な空気を感じ取り、親交のあるバクーを介して、誘拐の名目でガーネットを保護する。年齢の割に白髪が多く、ヒゲも白い。発明家や技術者としても有名であり、常に飛空艇の開発に余念が無い。
一方で浮気癖があり、酒場の女性と浮気した(色目を使った)ことが妻ヒルダにばれて、彼女の魔法でブリ虫の姿にされてしまう。Disk3序盤、アレクサンドリアの学者トットに頼み、人間の姿に戻る手段を模索してもらうが、彼の提案した実験が失敗し、今度はカエルの姿に変わってしまう。Disk3中盤、グルグ火山の最深部で、クジャの手から救出されたヒルダのキスにより元の姿に戻った。
非常に親しみやすい人柄であるだけでなく、思慮深さも併せ持ち、ガーネットの身の安全を確保した後はブラネに和平を提案し、平和に尽力するなど一国の主としての器も十分。ヒルダのことも心の底から愛しており、浮気も軽い気持ちでやっただけらしい。
エンディングではエーコを養女にしており、「おとうさん」と呼ばれて感激していた。
ヒルダガルデ・ファブール(Hildagarde Fabool)
通称ヒルダ。27歳。シド大公の后であり、彼とは正反対に魔法を得意とする。夫の浮気に怒り心頭になり、魔法でブリ虫に変えてしまった挙句、夫の発明した新型飛空艇ヒルダガルデ1号で家出してしまった。
後にクジャにより囚われの身になってしまうが、グルグ火山にてジタンたちに救出される。夫と仲直りした後、クジャが勝手にしゃべった情報をジタンたち伝え、協力した。シドとはそれ以降変わらず良好な関係。
なお、『FFII』には「ヒルダ」という名前の王女が登場する。
オルベルタ(Artania)
リンドブルム城でシドに仕える文臣。非常に有能な人物で、シド大公からの信頼も厚い。彼が飛空艇開発に没頭している間も、リンドブルムの統制を支えている。

盗賊団タンタラス

リンドブルムを拠点に活動する盗賊団。劇団というもうひとつの顔もある。ジタンにとって「いつか帰るところ」でもある。頭領のバクーはシド大公やベアトリクス将軍と親交があるなど顔が広い。ブランクとシナはDisk1序盤で、マーカスはDisk2序盤から中盤にかけて、一時的に戦闘に参加する。

バクー(Baku)
タンタラスの頭領。44歳。豪快で割といい加減なところはあるが、有事の際の判断力に優れており、部下からの信頼は厚い。ベアトリクスやシド大公と親交がある。
ブランク(Blank)
タンタラスの一員。ジタン達の兄貴分。もともとは札付きのワルで、マーカスとは敵対していたが和解している。一見クールだが義理人情に厚い性格で、解毒剤の調合にも長けている。一方でルビィのことは苦手らしく、あまり顔を合わせようとしない。
バクーに逆らってでも魔の森に囚われたガーネットを助けに行こうとするジタンの前に立ちはだかるが、彼の意志を尊重しガーネット救出に協力する。魔の森の主との戦いでジタン達に加勢するが、暴走する魔の森のつるに捕まり石化してしまった。自身を犠牲にしてまで助けてくれたことに恩を感じたガーネットは、トレノでトットから石化を直すアイテムを借り受ける。マーカスの手により石化から回復し、タンタラスに合流した。Disk3前半では巡洋艦ブルーナルシスの操縦もしている。
特技は「ぬすむ」。Disk1冒頭の数回のバトルと、魔の森のボス戦から脱出まで参戦する。
シナ(Cinna)
タンタラスの一員。もとは飛空艇技師だったが、タンタラスが彼の処女作である劇場艇プリマビスタのオーナーとなったことをきっかけに、タンタラスの一員となった。
語尾に「〜ずら」をつけるのが特徴。愛用する「マイとんかち」は譲れないらしく、誰にも貸そうとしない。ビビからは「シナのおじさん」と呼ばれるが「こう見えても若いずら」とぼやいている。コーヒーマニアでもある。
特技は「ぬすむ」。Disk1冒頭の数回のバトルのみ参戦する。防御力が低く倒されやすい。
マーカス(Marcus)
タンタラスの一員。かつてはブランクと目の敵にしていたが、和解して以降は彼をアニキと呼び慕っている。
語尾に「〜ッス」をつけるのが特徴。顔は怖いが礼儀正しく真面目な性格。
特技は「ぬすむ」。Disk1冒頭の数回のバトルと、Disc2開始直後からアレクサンドリア城まで参戦する。マーカスのレベルアップボーナスの一部はエーコに引き継がれる。
ルビィ(Ruby)
タンタラスの紅一点。劇団タンタラスの一員としてヒロインを演じる。姐御肌でかなり気が強く、感情の起伏が激しい。関西弁で話す。
ジタン達が劇場艇でアレクサンドリアを脱出した際、置き去りにされてしまい自力でリンドブルムへ戻り、その後タンタラスと合流する。
ゼネロ&ベネロ(Zenero & Benero)
シナの紹介でタンタラスに加わった。双子とも三つ子ともそれ以上とも言われているが、詳しいことはわかっていない。手にハサミのようなものが付いている。語尾に「〜でよ」をつけるのが特徴。
違いがわからないほど姿が酷似しており、サブイベントでシャッフルゲームができる。

ブルメシア王国

フラットレイ(Fratley)
「鉄の尾」の異名をとるブルメシア最強の竜騎士でフライヤの恋人。25歳。「1年で戻る」と言い残し国を出てから5年が経ち、フライヤと再会した時には全ての記憶を失ってしまっていた。記憶こそ戻らなかったがエンディングではフライヤと恋人同士に戻り、また思い出を作っていくこととなった。
パック
アレクサンドリア城下町でビビが出会った、元気いっぱいでガキ大将気質なブルメシアの民の男の子。14歳。ビビの「最初の友だち」。実はブルメシア王国の王子である。

ク族

クエール(Quale)
ク族のひとりでクイナの師匠。一向に成長する気配を見せないクイナに手を焼いている。実はクワンの弟子であり、食べることをやめてしまったクワンを軽蔑していた。サブイベントでは、クワン洞でクワンの幻影を前に非難するが、師匠の本心を知り怒りを解いた様子。
クワン(Quan)
ク族のひとりでビビの育ての親。すでに亡くなっている。食の道を究めるためク族の沼から旅に出る。トレノ近くのクワン洞で生活していたとき、海を漂流していたビビを釣り上げる。最初は食べるつもりだったが、以来ビビの面倒を見ながら食の道を探求し続け、その中で「食即是空(実際に食べなくても、思い描けば食べ物はいくらでもある)」の悟りを開き、満足の内に亡くなった。このため弟子のクエールからは食べることをやめたとして非難されていた。一方でビビからは「おじいちゃん」と呼ばれ慕われていた。

テラ

クジャ(Kuja)
声 - 石田彰
アレクサンドリア王国に現れた謎の青年。中性的な姿にユニセックスな格好をしたナルシストで、芝居がかった言い回しを好む。語っているうちに自己陶酔を始め、しばしば聞いていないことを勝手に話すことがある(その結果ヒルダに、テラの存在や介入方法を知られることになってしまった)。またサディストでありながら若干マゾヒストな一面を持っている。
夫を失って悲しみに暮れていたブラネに取り入り、武器商人としてアレクサンドリア王国に兵力を投入。彼女をそそのかすことで戦争を引き起こし多くの死者を生み出した。また黒魔道士を作らせた張本人でもあるため、ビビにとって生みの親とも言える。ただし黒魔道士という存在については短命な道具と見下している。クジャ自身にも飛行能力はあるが、高速飛行できる銀竜を連れている。
実はジタンやミコトと同じく、ガーランドに作り出されたジェノムであり、ジタンの兄にあたる存在。24年前に生成されたがあまりにも意志が弱く、「魂の器」としては不適合だった。また自分は「ジェノムとは違う」とガーランドに言い放ち、己の存在意義を否定し「生」を主張しており、「余計な魂」を持ってしまった存在だったという。
他のジェノム同様尻尾を持つが、自分が作られた存在ということを恥じて隠している(尻尾はトランス時に確認できる)。また、金髪の種族であるジェノムとしては異例の銀髪。しかしジェノムとして不適合な欲望に反して、力が強かったため、ガイアへと遣わし「死神」として戦争を引き起こさせた。
ガイアへ向かう直前、自分より優秀なジェノムであるジタンの製造が決定され、自分の地位が脅かされることを危惧したクジャはジタンをガイアに捨ててしまう。無論、ジタンがこのまま成長した場合、クジャの代わりの「死神」としてガイアへ遣わされることになっていた。ジタンを殺さなかった理由についてガーランドは、「クジャが戦乱を起こせばジタンより先に成果を出したことで勝利の証明となり、そうすることで己の存在を証明したかった」と述べている。ガーランドはクジャが精神的に不安定でいずれ反旗を翻すことを知っていたが、ジタンのことについては「クジャの犠牲」の1つとして考え黙認したという。
ガーランドに従うふりをする一方で、クジャはアレクサンドリアに眠る最強の召喚獣アレクサンダーに目をつけていた。ブラネを支援しつつ着々と準備を進め、Disk3序盤で彼の望み通り、ガーネットとエーコによってアレクサンダーは降臨した。バハムートさえも容易く退ける力と美しさに狂喜するも、それを察知していたガーランドの一撃(インビンシブルからの光線)によって、アレクサンダーは崩壊。望みを絶たれたクジャは、エーコが持つ召喚獣に目をつけグルグ火山にて抽出しようとするが、彼女を守るためにモーグリのモグが、トランスによって召喚獣になる様を目撃し、新たな力としてトランスに目をつけた。モグの正体はモーグリに変化していた召喚獣マディーンである。
そしてテラにて、ガーランドとジタン達が死闘を繰り広げる最中、飛空艇インビンシブルに吸われた魂たちを説得。ジタンたちの前に現れ自らを窮地に追いやることでトランスの条件を満たし、幾多の魂を取り込んだ究極のトランス形態「トランス・クジャ」となる。この魂の中にはブラネのものも含まれている。この力を用いてジタンたちを追い詰め、ガーランドを見下し、これから世界の支配者となる自分に酔いしれ、例によって聞いてもいないことを語り始める。だが、何を言っても「無駄だ」としか言わないガーランドに激昂し、彼を崖っぷちから蹴り落として抹殺した。
ついにガーランドという枷から解き放たれるが、危険視されていたために彼自身も黒魔道士兵同様の期限付きの命でしかなく、もう長くは生きられない存在だった。
その事実を精神のみとなったガーランドに告げられ、人生の絶頂から一転して墜落。「自分抜きで世界が存在するなんて許さない」と言い、暴走し始める。手始めに故郷であるテラを自らの手で破壊しつくした。その後は「自分の存在しない世界に何の価値がある?」と考え、すべてを道連れにするために創造のクリスタルを破壊し、ガイアもテラも生命も、世界中に存在するすべてを消滅させるために行動を開始する。
すぐにはクリスタルを破壊しようとはせず、ジタンたちに備えて、クリスタルの創造能力によって4体のカオスとデスゲイズを生み出し使役する。クリスタルワールドにてジタン達と死闘を繰り広げた末に敗北。自身の最期を感じ取り究極魔法アルテマを発動させ、自らを巻き込んでジタンたちを道連れにしようとする。その後、崩壊する絶望の丘からジタンたちを助け出し、「ジタン、生きるんだ……」と意識を送って伝える。しかし、クジャを見捨てられなかったジタンは彼を助けるために、暴走するイーファの樹に単身飛び込んでいった。そして最後にジタンとの戦いに敗れた後、失うものが無くなったことで「生きること」の大切さを感じたこと。それにもっとはやく気づけなかったことを悔やみながら意識を失う。直後にジタンとクジャにイーファの樹の根が襲い掛かってきたが、ジタンはクジャをかばうように覆いかぶさって逃げようとはしなかった。
エンディング直前のミコトのモノローグでは同情らしきものが語られていた。
トランス・クジャ
インビンシブルに保管されていた、ブラネをはじめとする幾多の魂の力によってトランス状態になったクジャ。真紅の長髪と隠されていた尻尾が露となり、絶大な魔法の力を行使する。その魔力は単身でテラを壊滅させたほどの強大なものであった。
必殺技は、シリーズでおなじみの最強魔法「アルテマ」。今作ではクジャ専用の魔法となっており、プレイヤーは使用不可能。イベントでしか使わない。
ミコト(Mikoto)
ジタンが果たそうとしなかった「ガイアに戦乱をもたらす」役割を果たすため、ガーランドによって生み出された、クジャやジタンの妹にあたる存在のジェノム。外見はジタンと酷似している。見た目は15歳程度だがジタンと同様に成長の余地を残すため幼子から成長し、意志も持っている。実年齢は1歳(生み出されてから1年しか経っていない)。
他のジェノム同様に感情を持たず、自らを道具として扱っていたが、ジタン達や黒魔道士達との触れ合いにより徐々に感化されていく。純真無垢な黒魔道士達を見下すような発言も見受けられるクールな性格だが、ジタンから「妹のような存在」と言われた際には、動揺をあらわにして否定していた。別れ際には「お兄ちゃんのいうことを聞いて皆(黒魔道士達)と仲良くするんだぞ」と言い残された。
エンディング直前のモノローグでは、クジャの行いそのものが過ちだったとしながらも、自分たちが生み出されてきたこと自体は決して間違いではなかったことを教えてくれてたことに、感謝を述べている。
ガーランド(Garland)
黒い鎧とマントを身につけた屈強な老人。本作における黒幕的存在。召喚獣の力を危惧しマダイン・サリを滅ぼした張本人。インビンシブルからの一撃でアレクサンダーごとアレキサンドリアを崩壊させるなど凄まじい力を持つ。
最古のジェノムであり、テラの民の魂を「時を刻む城」パンデモニウムにおいて管理する存在。5000年以上の時を生きており、世界を見渡してきた。冷徹な性格で、徹底的にテラの存続を優先している。
クジャ・ジタン・ミコトをはじめとするジェノムを作り出してきたジェノムの「創造主」であり、クジャに「ガイアに戦乱をもたらす」役割を与えガイアに送り込む。
強大な力を持つクジャを危険視しながらも監視していたが、次第に裏切りを露にしてきた彼を見て遂にガイアに介入。クジャがガーネットから奪った召喚獣の力を奪い取り、クジャの弟的存在であるジタンにクジャの役目を引き継がせようとするが、自らが「命の期限」を教えたことによって逆上したクジャによって肉体を滅ぼされる。しかしその後も精神のみの存在として残り、ジタン達にクリスタルの真実を教え彼と和解。星の未来と己の希望を託して完全に消滅した。
「命の循環」を存続させることを生き甲斐としており、やり方は違ってもその行動はどこかジタン達と似通っている。最後の言葉として、「例えたったひとつの目的を果たすために作られた命だとしても、私は生を受けたことを感謝している」と述べた。
FFI』に同名のキャラクターが登場する。
『ディシディア ファイナルファンタジー』にもプレイアブルキャラクターとして上記の『FFI』のガーランドが登場。『FFIX』のガーランドとは別人だが、ジタンやクジャとのやり取りが『FFIX』を意識したものになっている。
ザ・ソウルケージ
母なる大樹イーファの樹の最深部にて出遭ったモンスター。木の根のような肌とドラゴンを思わせる頭部を持ち、樹内部の壁と同化しその表面を滑るように移動する。一人称は「我」。
その正体は、テラよりイーファの樹の管理を任された存在であり、魂の循環たる副産物「霧」を、イーファの根を伝って霧の大陸に送り込んでいた。目的は闘争心を刺激する霧によって権力者たちを争わせ、戦争によって多くの死を生み出しガイアの魂を集めること(つまりブラネが狂ったのは、もとをただせば彼の仕業と言える)。クジャが黒魔道士を生み出していたことを知っており、ビビの素性も知っていた。自分を倒せば霧は止まるが同時にビビの出生も否定することになると語るが、「人殺しの道具を作らせてはいけない」とビビが決意したことで戦うことになる。倒された後は霧が停止した。
ダハーカ
イプセンの古城にてテラへのエネルギーを司る4つの鏡を守護していたモンスター。台詞は全てカタカナで表記され「カタイゾ!」などカタコトで喋る。浮遊する海老にも似た外見を持つ。人語を解するためジタンたちに鏡を戻すように言うが、拒否されたため力尽くで奪い取ろうと襲い掛かるも敗北。最期はテラへの封印は解けないことを告げて消滅した。
銀竜
クジャが移動用に用いる銀の鱗を持った竜。ガーランドの配下でもあり、彼との対決の前にジタン達の前に現れる。この1匹だけではなく無数の個体が存在しており、「神竜」を統率者に活動し、イーファの樹上空から記憶の場所に突入しようとしたジタン達の前に群れをなして現れる。しかし、駆けつけた仲間たちの援護によって駆逐され、神竜が倒されたことですべて消滅した。ジェノムや黒魔道士と同様に、霧から生み出された存在だといわれている。
神竜
銀竜の群れを統率する存在。イーファの樹上空から記憶の場所に突入したジタン達を遮る最初の関門として立ちふさがる。ジタン達に倒され、残りの銀竜の群れと共に消滅した。
マリリス
記憶の場所に現れる火のカオスで、カオスの紅一点。の胴体と女の上半身、そして六本の腕に曲刀を持ったモンスター。
元は「火のガーディアン」で、一度はフライヤとサラマンダーのコンビに倒されるが、クジャの手によって復活した。1番手としてより強化されたことを誇りジタンたちを迎え撃つが、敗北。死の間際、一行を道連れにするべく「剣の雨」を放ってくるが、睡眠が利くので、眠らせた状態でとどめを刺すと使用しない。
ティアマット
記憶の場所に現れる風のカオスで、三つの首を持つドラゴンの姿をしている。尊大な性格で自らを「様」付けで呼ぶ。
元は「風のガーディアン」で、一度はスタイナーとビビのコンビに倒されるが、クジャの手によって復活した。2番手として登場するも倒され、マリリスの後を追う形で消滅した。
クラーケン
記憶の場所に現れる水のカオスで、名前の通り透き通ったイカに酷似した巨大なモンスター。
元は「水のガーディアン」で、一度はガーネットとエーコのコンビに倒されるが、クジャの手によって復活した。3番手として登場し、一行の前に立ちふさがる。
唯一ガーディアンの時の姿が明かされない。
リッチ
記憶の場所に現れる土のカオスで、骸骨の肉体にマントを羽織った騎士風のモンスター。
元は「土のガーディアン」で、一度はジタンとクイナのコンビに倒されるが、クジャの手によって復活した。新たな形態で勝利を確信し、一行に立ち向かうが敗北、消滅した。カオスの中では最後に戦う相手となる。
なお、土のガーディアンは四体のガーディアンの中で唯一実際に戦闘することになり、作中のボスの中で唯一「たべる」ことができる。
デスゲイズ
クリスタルワールドにて、クジャを遮る最後の関門として立ちはだかるモンスター。巨大な怪にも似た形態を持っており、4体のカオスさえも上回る強大な戦闘能力を誇る。名前の通り即死攻撃を得意とする。
その正体は、クジャが「創造のクリスタル」によって生み出した「最高の遊び相手」。

恐るべき敵

永遠の闇(Eternal Darkness)
本作の最終ボス。舞台となる世界とは別の次元にある「絶望の丘」に現れる謎の存在。
その正体は、野望の達成を目前にして余命わずかであることを悟ったクジャの恐怖・絶望・憎悪が呼び覚ました産物である[15]
惑星を十字に直列させることで発生する事象を利用することで、16種類のステータス異常(毒・睡眠・石化・沈黙・暗闇・迷惑・ゾンビ・戦闘不能・混乱・バーサク・ストップ・ヒート・フリーズ・死の宣告・ミニマム・瀕死)をそれぞれ1/8の確率で発生させる「グランドクロス」、頭部と胸部を囲むように回転する2つのリングで破壊の渦を発生させる「ニュートンリング」、青い光線で相手のHPを1にする「青の衝撃」などの多彩な攻撃を使う。
生きとし生けるものすべてが抱く不安・苦痛・苦悩・絶望・憎悪や、逃れられない死への恐怖から救われるにはすべてを破壊するしかないと考え、誰かが答えを出すのを待ち続けていた。、やがて死への恐怖心からクリスタルを破壊してすべてを滅ぼすことで救われようとしたクジャの行動から「この宇宙に存在するすべてのものの目的は、滅びるためだけにある」と答えを出した上で、自身の存在意義やただひとつの役目としてクリスタルすら生まれることのない無の世界に全てを還そうと画策し、それを邪魔しようとするジタンたちに「苦しみながらも生きるということは、生きる希望という病に侵されている」と語り、それでも生きる希望を捨てなかったジタンたちと対決する。死闘の末ジタン達に敗れ、「私はいつでも復活する…この世に生あるものと、死が存在する限り…」と意味深な言葉を残して消滅した。
ハーデス(Hades)
本作の隠しボスの1人。記憶の場所のある場所に隠れており、話しかけると「立ち去る」と「立ち去らない」の2つの選択肢が現れ、「立ち去らない」を選ぶと戦闘が始まる。
その正体は「伝説の合成屋」で、戦闘終了後に合成屋に変化する。
なお、オズマを先に倒していると戦闘開始直後に驚く台詞がある。
オズマ(Ozma)
本作の隠しボスの1人。見た目は巨大な虹色の球体で、奇数ターンと偶数ターンによって行動が変わる。今作最強の敵で、チョコボの空中庭園にある塚を調べると戦闘に入る。ある一定の条件をクリアすれば弱体化させることができる。あらゆる攻撃が桁外れの威力があるだけでなく、メテオのダメージがランダムで変化する上にプレイヤー側で回避することは不可能。一撃で全滅になってしまうこともあるため、運がなければ勝つことが出来ない。
ジタン曰く、その塚は召喚塚に似ているらしいが、オズマがどのような存在であるか等の説明は一切されていない。調べようとするとメネから警告メッセージが発せられ、それでも調べるとオズマとの戦闘が始まる。
『ディシディア ファイナルファンタジー』のジタン専用武器で「オズマの欠片」という武器がある。
ファイナルファンタジー レコードキーパー』ではさらに強くなっており、不定期に戦う事ができる。

その他のキャラクター

スティルツキン
迷彩服を纏った、世界を旅するモーグリ。その行動力と知識から、他のモーグリ達から兄貴分として慕われ人望も厚い。ジタン達の行く先々で、様々なアイテムを格安で売ってくれる。
アルテミシオン
青紫色の体をしたモーグリ。モーグリ達の文通ネットワーク「モグネット」の管理人。
アレクサンドリア崩壊以降モグネットが停滞してしまい、追い詰められると「シクシク…」と泣く。Disk4のサブイベントでモグネットを復旧させることができる。

注釈

  1. ^ そのため、作中において罵られる時に「猿」と呼ばれることがある。

出典

  1. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、195頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  2. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、187頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  3. ^ スクエニ、「ファイナルファンタジーIX」、「ゲームアーカイブス」で配信決定! 和田社長がTwitterでつぶやく,GAME Watch,2010年4月2日
  4. ^ a b 古きよき『FF』の集大成!スマホ版『ファイナルファンタジーIX』を遊んでみた”. ファミ通app (2016年2月17日). 2018年6月26日閲覧。
  5. ^ 『FF』シリーズの作品がセットになった『ファイナルファンタジー 25th アニバーサリー アルティメットボックス』発表”. ファミ通.com (2012年8月31日). 2020年5月1日閲覧。
  6. ^ 【速報】ジタンやビビにまた会える! 『FFIX』がスマホ&PC版向けで近日配信決定
  7. ^ 【速報】スクエニ、スマホ版『ファイナルファンタジーIX』を配信開始!! 2月21日まで20%オフの2,000円で販売 名作RPGの第9作目を体験しよう,Social Game Info,2016年2月10日
  8. ^ PS4版/クラウド版『ファイナルファンタジーIX』公式リリースが到着 20%OFFキャンペーンも開始”. ファミ通.com (2017年9月19日). 2018年9月21日閲覧。
  9. ^ 『ワールド オブ FF』のパワーアップ版や『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ新作が発売決定”. 電撃オンライン (2018年9月14日). 2018年9月21日閲覧。
  10. ^ Nintendo Switch版「FFIX」が本日配信&「FFVII」は3月26日に発売。さらに「チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!」のあらかじめDLもスタート,4Gamer.net,2019年2月14日
  11. ^ a b 電撃PlayStation Vol.151』メディアワークス、2000年8月11・25日 合併号、9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,頁。 
  12. ^ 『FF9』が発売20周年。原点回帰を掲げた重いテーマで生きる意味を教えてくれた【今日は何の日?】”. ファミ通.com (2020年7月7日). 2022年12月26日閲覧。
  13. ^ 電撃PlayStation Vol.156より
  14. ^ 電撃PlayStation Vol.143. メディアワークス. (2000年5月12・26日 合併号). pp. 13,14, 
  15. ^ 『ファイナルファンタジー 20th アニバーサリー アルティマニア』より
  16. ^ 『FINAL FANTASY IX ULTIMANIA』より
  17. ^ スクウェア、2001年にeコマースに参入 FINAL FANTASY IX、X、XI一挙公開、XIはオンラインゲームに!(PC Watch, 2000年1月31日)
  18. ^ スクウェアがネットに本腰 「FF11」はオンラインゲームに(SOFTBANK GAMES NEWS, 2000年1月29日)
  19. ^ スクウェアミレニアムアーカイブ〉(めっつぉ:スクエニ&ガジェットニュース)
  20. ^ FINAL FANTASY IX Original Soundtrack | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
  21. ^ FINAL FANTASY IX Original Soundtrack PLUS | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
  22. ^ Piano Collections FINAL FANTASY IX | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
  23. ^ FINAL FANTASY IX CHIPS | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
  24. ^ FINAL FANTASY IX ORIGINAL SOUNDTRACK REVIVAL DISC 【映像付サントラ/Blu-ray Disc Music】|スクウェア・エニックス e-STORE | スクウェア・エニックス e-STORE
  25. ^ “ファイナルファンタジーIX:人気ゲームがアニメ化 子供、家族向けに制作”. MANTANWEB (MANTAN). (2021年6月22日). https://mantan-web.jp/article/20210622dog00m200024000c.html 2021年6月22日閲覧。 






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