ハゴロモノキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 15:29 UTC 版)
生態
温暖で日当たりのよい、乾燥した環境を好む[3]。成長が早い[2]。種子の発芽には光が必要である(光発芽種子)[3]。
アレロパシー作用を持っており、一定の範囲内には、自分の子孫までもが生育できないような毒素を出す[1]。
利用
観葉植物
日本でも明治末年に渡来し、古くから観葉植物として栽培されている[3][8][4]。日本において関東地方南部以西の暖地では露地で栽培可能であるが、普通は温室内で栽培する[3][8][4]。日本では、幼木を鉢植えにして室内植物にも用いられる[3]。温室内では過湿に弱く、枝葉は濡れるのを避ける必要がある[3]。耐霜性に弱く、生育可能な最低気温は5℃である[2][3]。繁殖は挿木および実生による[3][4]。挿木は夏に熟枝を挿して行われる[3]。
そのほか、並木や庭園樹として植栽される[7]。同属のグレビレア・コッキネア Grevillea coccinea やグレビレア・イリシフォリア Grevillea ilicifolia、グレビレア・ユニペリナ Grevillea juniperina も切り花用に栽培または直輸入される[8]。
木材
心材と辺材の境界は曖昧であることが多い[1]。心材は桃色がかった褐色から赤褐色なのに比べ、辺材はやや淡色である[1]。横断面において、小さい道管が接線方向に並んで規則的に配置し、帯状となっている[1]。道管の配列様式は科に特有のものである[1]。放射組織大きく、どの断面でも観察できる[1]。放射断面において幅の広い淡色の帯が認められ、それがオークの材と比較される[1]。
肌目はやや粗く、木理は通直[1]。気乾比重は 0.62 で、やや重硬である[1]。
装飾的価値が高く、以下のよう加工用の器具材として用いられる[3][1]。加工の際は柾目面で切削をすると大きい放射組織が壊れることがある[1]。
画像
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ハゴロモノキの花つき枝
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ハゴロモノキの生っている莢
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ハゴロモノキの落ちた莢
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 須藤 1997, p. 125.
- ^ a b c d e f g h i 英国王立園芸協会 2001, p. 573.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 林ほか 1985, p. 86.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 小林 2020.
- ^ a b 英国王立園芸協会 2001, p. 572.
- ^ a b c d 鈴木・横井 1998, p. 358.
- ^ a b c d e f Briggs 1997, p. 249.
- ^ a b c d e f 鈴木・横井 1998, p. 359.
- ^ a b “robustus”. Wiktionary. 2024年2月18日閲覧。
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