シャルル・マレーブ シャルル・マレーブの概要

シャルル・マレーブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/26 14:36 UTC 版)

シャルル・マレーブ
Charles Malherbe
基本情報
生誕 1853年4月21日
フランス帝国 パリ
死没 (1911-10-05) 1911年10月5日(満58歳没)
フランス共和国 コルメイユ
ジャンル クラシック
職業 ヴァイオリニスト音楽学者作曲家

生涯

マレーブはパリに生まれた。法律を学んだ彼は法曹界へ入ることを許されながら、音楽の道に進むことを決意する。アドルフ・ダンハウザージュール・マスネアンドレ・ヴォルムゼルの下で研鑽を積み、ダンハウザーの秘書としてオランダベルギースイスの公立学校での音楽教育システムを調査する旅に同行した。その後パリに居を構えたマレーブは、1896年オペラ座図書館のアーキビスト兼司書であったシャルル・ニュイッテルの助手となり、1899年になると彼の後任としてこの職に就いた。マレーブは音楽雑誌「Le Ménestrel」の編集に携わると同時に、「Guide musical」、「Progrès artistique」、「Revue internationale de musique」、「Monde artistique」など多くの出版物を執筆した[1][2]

マレーブはジャン=フィリップ・ラモーの「作品全集 Oeuvres complètes」全16巻に注釈を付す作業に着手した(1895年-1913年)[3]。ここで彼は演奏習慣やジャンルの歴史、ならびにラモー自身に関する情報を豊富に記載した。また、フェリックス・ワインガルトナーと協力して初めてとなるエクトル・ベルリオーズ作品全集の編纂も行っている(1900年-1907年)[4]。彼らの全集には誤りも多かったが[注 1]、当時としては欠くことのできない資料であった[2]

資料蒐集家であったマレーブは膨大な量の自筆書簡、多くの重要な原稿を所有していた。中には現存する最大規模のベートーヴェンの草稿コレクションや、ベルリオーズの『幻想交響曲』、ラモーのカンタータ2曲、バッハのカンタータ数曲の手稿譜などが含まれていた[2]。さらに彼は古書店においてロッシーニオペラウィリアム・テル』のオリジナルの管弦楽譜を発見している[5]1901年にはモーツァルトが14歳で書き上げたオペラ『ポントの王ミトリダーテ』、11歳で作曲した2人のソプラノのための『エレジー ヘ長調』をそれまで掲載されていなかった作品目録に組み入れた[6]。加えて、彼はリストの草稿もたくさん所有していた[7]。音楽史家のアルベール・スービフランス語版の協力を得たマレーブは、1887年に『Précis de l'histoire de l'Opéra-Comique』を出版した[8]。彼はウール県のコルメイユ(Cormeilles)で58年の生涯を閉じている。彼が集めたコレクションはパリ音楽院へと寄贈された。それらの多くは、現在ではフランス国立図書館に収蔵されている。

マレーブのヴァイオリンの弟子には、作曲家のウジェニー=エミリー・ジュリエット・フォルヴィーユなどがいる。

作品

マレーブは数曲のコミック・オペラ英語版の他、室内楽曲、管弦楽曲を作曲した。また、彼は数多くの著名作曲家の作品の編曲や校訂譜を遺している。一部を下に記す。

  • Duo concertant
  • Entr'acte-Sérénade
  • Menuet de Lucette
  • En Route, quickstep for orchestra



  1. ^ そのため、現在ではヒュー・マクドナルド英語版編の新全集(Hector Berlioz: New Edition of the Complete Works)に取って代わられている。


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