ウィレム・デ・フェッシュ ウィレム・デ・フェッシュの概要

ウィレム・デ・フェッシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/10 08:48 UTC 版)

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ウィレム・デ・フェッシュ

生涯

父ルイス・デ・フェッシュ(1657-?)はリエージュ出身の音楽家で、若いころアムステルダムに住み、ヨハンナ・ウィレムス・ブラハト・マースと結婚して間もなく1685年にアムステルダムから30キロ北西のアルクマールに移り住んだ。そこで2番目の息子ウィレムが生まれ、1700年代の初めにアムステルダムに戻った[1]

ボン宮廷の副楽長カール・ロジェに師事し、その娘マリア・アンナ・ロジェと結婚した。1710年にはアムステルダムのカイザー運河英語版のそばにあるアムステルダム市立劇場英語版で音楽家としてデビューしている。

1710年から1725年までアムステルダムで活動し、1725年から1731年までアントウェルペン聖母大聖堂の楽長を務めた。

その後1731年イギリスに渡って、ソリストとして活動した他、教育と作曲に携わっている。1746年ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの楽団でヴィオローネを演奏した。1748年1749年にマリルボーン・ガーデンで指揮をとった記録が残っている。1750年以降は公の場での活動を行っていない。

1761年にロンドンに没した。

作品

作品には 『ユディト』(1732) と 『ヨセフ』(1746) のオラトリオの他、トリオ・ソナタなどの室内楽曲協奏曲歌曲などがある。オラトリオは2曲とも失われたと考えられていたが、1980年になって 『ヨセフ』 の手稿譜が、ベルギーの音楽学者ペーター・アンドリーセンによってロンドンの王立音楽アカデミーで発見された。このオラトリオは1984年にヨス・スヴィレンスの指揮でベルギーで再上演され、1987年にはヨス・ファン・インマゼールの指揮によって、オランダのアルクマール音楽祭で上演された。ムジカ・アド・レーヌムの演奏による CD も発売されている[1]

作風はヘンデルとアントニオ・ヴィヴァルディの影響を受けたものである。

今日も生き残っているフェッシュの作品は、オランダ→アメリカの音楽学者ロバート・タスラーの科学的な校訂を経て、アムステルダムの出版社ドネムスからまとめて発行された。タスラーはまたフェッシュについて 『ウィレム・デ・フェッシュ――傑出した音楽家にして貴重な人物』(2005年) という書物を書いている[1]

出版作品

  • 2台のチェロ、または2台のバスーン、または2台のヴィオールのためのソナタ Op.1(1715)
イ長調 Op.1-1、 ニ短調 Op.1-2、 ニ長調 Op.1-3、 変ロ長調 Op.1-4、 イ短調 Op.1-5、 ハ長調 Op.1-6[2]
  • 合奏協奏曲集 Op.2(1717)
ハ長調 Op.2-2[3]、 ヘ長調 Op.2-5[4]、 ニ長調 Op.2-6[5]
  • 合奏協奏曲集 Op.3(1718)[6]
  • 6つのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタと6つチェロと通奏低音のためのソナタ Op.4(1725)
  • 合奏協奏曲集 Op.5(1725)[7]
  • 独奏楽器と通奏低音のためのソナタ集 Op.6(1730)
ニ長調 Op.6-1[8]
  • トリオ・ソナタ集 Op.7(1733)
  • ソナタ集 Op.8(1736)
  • 2台のヴァイオリンまたはフルートのためのソナタ集 Op.9(1739)
  • 7声の協奏曲集(8曲) Op.10(1741)
変ロ長調 Op.10-1、 変ロ長調 Op.10-2、 ハ長調 Op.10-3、 ニ長調 Op.10-4、 ヘ長調 Op.10-5、 イ長調 Op.10-6、 ニ長調 Op.10-7、 ト長調Op.10-8[9]
  • 2台のヴァイオリンまたはフルートのための二重奏曲集 Op.11(1743)
  • 2台のヴァイオリンまたはフルートのためのソナタ集 Op.12(1748)
  • チェロと通奏低音のためのソナタ集 Op.13(1750)

  1. ^ a b c 蘭語版ウィキペディアによる。
  2. ^ 詳細はIMSLPの楽譜による。
  3. ^ 演奏例
  4. ^ 演奏例
  5. ^ 演奏例
  6. ^ 演奏例
  7. ^ 演奏例
  8. ^ 演奏例
  9. ^ 詳細はIMSLPの楽譜による。


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