がんばれタッグス がんばれタッグスの概要

がんばれタッグス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 13:59 UTC 版)

がんばれタッグス
ジャンル 人形劇
アニメ
監督 デヴィッド・ミットン
脚本 デヴィッド・ミットン
ロバート・D・カルドナ
クリス・タロック
ロイ・ラッセル
タークイン・カルドナ
グロリア・トース
音楽 マイク・オドネル
ジュニア・キャンベル
製作 ロバート・D・カルドナ
放送局 ITV
ABC
テレビ東京
放送期間 1989年4月4日 - 6月27日
1992年10月2日 - 12月25日
テンプレート - ノート

概要

人形劇『きかんしゃトーマス』(以下、トーマス)の第1シリーズから第2シリーズまでの実質的な製作を手掛けた制作プロダクションであるクリアウォーター・フィーチャーズ(Clearwater Features)に在籍していたプロデューサーのロバート・D・カルドナとディレクターのデヴィッド・ミットンが、『トーマス』の製作で得た撮影ノウハウを応用し、同作と同様に顔や意志を持つタグボート(タッグス)たちを主役として制作したシリーズである。1話あたりの尺は15分~20分。

監督のデヴィッドはトーマスでも当時監督を務めた人物であり、模型の製作スタッフや劇伴作曲者もトーマスと同じであったが、同作のプロデューサーであったブリット・オールクロフトは本作とは関わりがない。

トーマスとの正式なストーリー上の接点はなく、スピンオフ等の類ではない。権利の継承者が不明なため、再放送DVDなどのメディアの発売ができない状態だが、比較的近年の放送でエアチェックビデオや放送当時の発売VHSソフトが多数現存する。

製作・放送

トーマスの第2シリーズの制作終了後、第3シリーズの撮影が開始されるまでの1987年から1988年のブランク期間に、同作の撮影でも使用されていたサリー州シェパートンにある撮影所「シェパートンスタジオ」にて製作が行われた。スタジオ内に設置された大型水槽に、船底に車輪付きのシャーシを取り付けたタッグスの模型を並べ、シャーシにつながれた糸を引っ張ることでタッグスを移動させながら撮影を行っていた[1]。遠隔操作で目や顔を動作させていた点はトーマスと同様である。模型の大きさもトーマスと同スケールで、本作に登場する蒸気機関車などの鉄道模型はトーマスと同じメルクリン社の1番ゲージの機関車とバックマン社のGゲージの客車等を使用している。

1クール分の全13話が制作され、1989年4月にイギリスで放送が始まるとそこそこのヒットになったが、その後1990年にクリアウォーター社が解散し、さらに本作の放映・制作権を所有していた番組制作会社TVS1992年に解散したことから、1クール限りで制作終了となった[2]。ただし、本作の撮影で使用された港のセットや客船の模型をブリット・オールクロフト社が買収し、トーマスの第3シリーズ以降の撮影に転用された。また、クリアウォーター社のほとんどの社員はブリット・オールクロフト社に引き抜かれ、以降のトーマスシリーズの製作に関与した。一方でトーマスの製作総指揮でもあったプロデューサーのロバート・カルドナは同作の制作からも離れ、カナダにて本作と作風が酷似しているタグボートを主役とした作品「Theodore Tugboat」を制作した。

クリアウォーター社やTVSの解散後、本作の権利の継承者は不明とされテレビでの再放送等も行われなかったが、ロバート・カルドナが本作の映像をアメリカで1997年より放送が開始された子ども向け番組「Salty's Lighthouse」に提供したことから、当時の映像権利はロバートが所有していたと思われる「Salty's Lighthouse」では本作がそのまま放送されることはなく、番組側で新たに作られた物語に合わせて本編映像を再編集したものが放送された。脚本上でもキャラクターの性別や名前、年代設定が変更されるなど、改変が多かった。

その後、本作の映像を含む「Salty's Lighthouse」の放送回の一部が2005年にイギリスで発売されたコンピレーションDVD「Toddler Time」に収録された。本作の映像がDVDとして発売されたのは事実上このタイトルのみである。

日本での公開

日本では1992年10月2日から同年12月25日まで、毎週金曜日朝7時よりテレビ東京にて「がんばれタッグス ゆかいな船のなかまたち」のタイトルで放映された。日本語吹き替え版製作はテレビ東京と制作会社コスモプロモーションが行った。

放送と同時に、タカラから番組収録VHSソフトが1巻に1話収録の全13巻で発売された。その後、全4巻(1〜3巻までは3話収録、4巻のみ4話収録)のお買い得版が追加発売され、2種類の全話収録形態で平行販売された。同じくタカラより登場キャラクターを再現した玩具「わくわくスケール」をテンセンツ、サンシャイン、トップハット、ゾランの4種と港のセットを発売したほか、電動やゼンマイ式で推進する湯船に浮かべて遊ぶ製品やぬいぐるみ、食玩(カバヤより発売)など、玩具製品は多種にわたって発売された。また出版物は、ほるぷ出版から写真絵本が全10巻とフィオナ・ハードウィックによる書き下ろしノベル(新書版)が4巻発売された。これらの製品は現在、すべて絶版となっている。


  1. ^ TUGS: Behind The Scenes”. 2011年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月15日閲覧。
  2. ^ アメリカでの放送も計画していたが、こちらも上記と同じ理由からお蔵入りとなっている。
  3. ^ にあるとされる架空の都市。
  4. ^ ただし、これは日本語版オリジナルの設定。
  5. ^ しかし、ズグの悪知恵にすぐ乗っかってしまい、結局テンセンツを手伝うことは出来なかった。
  6. ^ 劇中では『海賊船』と呼ばれる。
  7. ^ 『ゾランのわるだくみ』でズグが牽いていた「古い船」も彼であり、この時は名前を呼ばれておらず、人格が無い事にされていた。
  8. ^ ゾランは彼の所為で40日も休まされた。
  9. ^ 「ぶきっちょなウォリアー」のみ塚田正昭、「オー・ジェイのおんぼろエンジン」のみ納谷六朗が担当。
  10. ^ 劇中では「パトロールボート」と呼ばれている。
  11. ^ 劇中では「メッセンジャー」と呼ばれている。
  12. ^ 「トップハットの大かつやく」のエンディングのキャスト紹介では「小フェリー」
  13. ^ その後の彼の消息についてVHS版では説明はないが、TV版では「浅瀬に落ちたおかげで助かった」とナレーションが追加されている。
  14. ^ 劇中では「貨物列車」と呼ばれる。
  15. ^ 原語版では「O・クラッペンシット」


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