Saurida undosquamisとは? わかりやすく解説

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マエソ

学名Saurida undosquamis 英名:Large-scaled grinner
地方名イスモドロ 
脊椎動物門硬骨魚綱ヒメ目エソ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
頭は上下平べったく、大き口の中には鋭い歯が並ぶ。土佐湾豊後水道日向灘などの外海域の水深30〜40mの砂泥底に多く生息する日の出直後の1〜2時間カニエビ類やカタクチイワシなどの小魚活発に食べ昼中砂泥中に潜んで、近づいてきた貪欲に食べる。4〜8月浮遊卵を産み産卵期エサの量がぐんと増える成熟するのに2年ほどかかるが、雌は雄より体が大きい。小骨が多いが肉質良いため、すり身として高級かまぼこ原料となる。トカゲエソワニエソと味がよく似ているがマエソが最もおいしい。

分布:南日本東シナ海 大きさ:40cm
漁法:トロール底引き網 食べ方:かまぼこ薩摩揚げ

真狗母魚

読み方:マエソ(maeso)

エソ科海水魚

学名 Saurida undosquamis


ツケアゲエソ

(Saurida undosquamis から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/03 02:04 UTC 版)

ツケアゲエソ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ヒメ目 Aulopiformes
: エソ科 Synodontidae
: マエソ属 Saurida
: ツケアゲエソ
Saurida cf. undosquamis
学名
Saurida cf. undosquamis
(Richardson, 1848)[1]
和名
ツケアゲエソ[2]

ツケアゲエソSaurida cf. undosquamis)は、ヒメ目エソ科マエソ属の硬骨魚。和名は薩摩揚げ鹿児島県での地方名に由来する[2]。インド洋・西太平洋に分布するSaurida undosquamisと同一種とされたが[2][3]、東アジアの個体群を別種とする説もあり[4]、この説に従うと本種は学名未決定種となる[1]

分布

広義のS. undosquamisの分布はペルシャ湾、チャゴス諸島、アンダマン海から台湾、東南アジア、パプアニューギニア、オーストラリア(西オーストラリア州フリーマントルからグレートバリアリーフまで)にかけてのインド洋・西太平洋[5]

このうちツケアゲエソSaurida cf. undosquamisとされる個体群は日本と台湾に分布する[1]。2020年に出版された『タクサ』誌によると鹿児島県の本土と種子島が広義のS. undosquamisの分布域に加わった[2]。当時、鹿児島大学大学院水産学研究科修士課程在学中の中村潤平は、2018年8月に南さつま市笠沙において採集された個体を文献に基づき分析したところ、形態的特徴により本種であると同定した[6]。2021年に宮崎県、2022年に三重県、和歌山県、甑島列島、奄美大島、沖縄諸島[3]、2023年に愛知県、高知県、屋久島沖、宮古島沖での分布が報告されている[1]

形態

体長40センチメートル、マエソ属のなかでは大型の種類[6]

頭部と体側上部は黄金色、体側下部から腹部にかけては白色または淡い黄色。胸鰭は黄褐色。背鰭の各軟条は淡色で鰭膜は白色。腹鰭と臀鰭は白色。脂鰭は縁辺が褐色で中央部は白色。尾鰭は淡い黄色、後縁は褐色。尾鰭上縁に4–12個の暗色の点が並ぶ。側線上に褐色の斑が並ぶ[2]。側線鱗数は53–55枚。体側鱗は剥がれにくい。脊椎骨数は50–51個[5]

分類

従来マエソS. macrolepis・クロエソS. umeyoshii・ドロゾメエソS. fortisなどと混同されたり、日本国内には生息しないとも考えられてきたが、2018年に採集された個体がS. undosquamisと同定され、2020年、鹿児島県産の標本に対してツケアゲエソの標準和名が提唱された[2]。一方でオーストラリア北西部を模式産地とするS. undosquamisと東アジアの個体群が遺伝的に異なることから別種とする説もあり、日本産を含む後者に対して2022年にSaurida cf. undosquamisという仮の学名が与えられている[1][4]

生態

水深15–40メートルに生息(鹿児島県本土と種子島)するとされている[2]。一方でこの記録は浅い水深に置かれた定置網によるものであり、2022年の論文では80メートル以深の深海からの採集例が報告され、より深い水深にも生息する可能性が指摘されている[3]

人との関わり

エソ属は鹿児島県の郷土料理である「つけあげ(さつま揚げ)」の原料としても利用されているが、本種もマエソやクロエソと同程度の漁獲量を誇ることから[7]、区別されずにつけあげの原料として使用されてきたと考えられる[6]。新たに提唱された標準和名「ツケアゲエソ」は、黄金色の体色が「つけあげ」を彷彿させることに由来する[2]

出典

  1. ^ a b c d e 古𣘺龍星・本村浩之「ドロゾメエソとツケアゲエソの国内からの追加記録と両種の識別形質および分布の再検討」『Ichthy, Natural History of Fishes of Japan』第36巻、鹿児島大学総合研究博物館、2023年、5-16頁。
  2. ^ a b c d e f g h 中村潤平、本村浩之「鹿児島県から得られた日本初記録のエソ科魚類Saurida undosquamisツケアゲエソ(新称)」『タクサ:日本動物分類学会誌』第48巻、2020年2月29日、41-48頁、doi:10.19004/taxa.48.0_41 
  3. ^ a b c 古𣘺龍星・本村浩之「南日本各地におけるツケアゲエソの標本に基づく記録,および国内における本種の分布記録の整理」『Ichthy, Natural History of Fishes of Japan』第22巻、鹿児島大学総合研究博物館、2022年、14-20頁。
  4. ^ a b Ryusei Furuhashi, Barry C. Russell & Hiroyuki Motomura, “Saurida fortis, a new species of lizardfish (Aulopiformes: Synodontidae) from the northwestern Pacific Ocean,” Ichthyological Research, Volume 70, Issue 3, Ichthyological Society of Japan, 2023, Pages 337–352.
  5. ^ a b Inoue, Takehiko; Nakabo, Tetsuji (2006-11-25). “The Saurida undosquamis group (Aulopiformes: Synodontidae), with description of a new species from southern Japan”. Ichthyological Research 53: 379-397. doi:10.1007/s10228-006-0358-y. 
  6. ^ a b c 山田天真「つけあげ原料「ツケアゲエソ」 鹿大大学院・中村さんが命名」『南日本新聞』、2020年3月22日。
  7. ^ 鹿児島の郷土料理「つけあげ」の原料に未知の魚!!本学学生が日本初記録のエソ科魚類を発見、「ツケアゲエソ」と命名”. 鹿児島大学 (2020年3月17日). 2019年12月17日閲覧。


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