悪性リンパ腫
【概要】 リンパ球がガン化した病気。組織分類は主なものが10種類。日本ではエイズで起こるガンのうち、カポジ肉腫よりもリンパ腫の方が多い。進行したHIV感染症、つまり既に他の病気でエイズを発病した後に起こることが多い。ニューモシスチス肺炎や他の疾患が治療できるようになったため、逆にリンパ腫が増えてくる可能性がある。エイズの悪性リンパ腫はB細胞性が多く、リンパ節以外の場所に初発しやすく、進行が早くて生存期間が短い。抗癌剤による治療は有効だが副作用が出やすい。
【症状】 発熱、寝汗、食欲低下、体重減少、骨の痛み、リンパ節の腫れ。脳などの中枢神経にできたら、早く進む脳神経症状、意識障害など。
悪性リンパ腫の治療
【治療】 普通は4~6種類の抗癌剤を組合わせて使用する。m-BACOD、CHOP、CDE、PRO-MACE/MOPPなどのレジメンがある。効果はあるが同時に免疫能も血球数も減少してしまう厳しい治療である。出血や感染症が起こり、治療による死亡さえありうるので、血液の専門医による管理が勧められる。 リツキシマブ(商品名:リツキサン)はBリンパ球に特異的なモノクローナル抗体。静注で体中の隅々に届きBリンパ球に結合し細胞死に追い込む。エイズのリンパ腫はBリンパ球由来が多いので、治療効果が期待されている。
【副作用】 嘔き気、嘔吐、食欲低下、手足のしびれや痛み、貧血、白血球の減少、血小板の減少など。
【予後】 完全寛解率は治療法により33~63%だが、再発も多い。生存中央値は35週前後。最近は多剤併用療法で1年以上の生存例もでてきた。
悪性リンパ腫の診断
- Malignant lymphomaのページへのリンク