MPH取得者の多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 09:29 UTC 版)
「Master of Public Health」の記事における「MPH取得者の多様性」の解説
人々の集団の健康を守る公衆衛生に取り組むMPHは、健康や保健医療に関する領域であるにもかかわらず、その学生や教員は必ずしも医療従事者である必要がなく、専門の多様性に富むのが特徴である。学生や教員は、医療従事者である医師・看護師・保健師・薬剤師などが多いものの、医療従事者でなくても良い。現在の多様化する公衆衛生問題の解決には、幅広い分野のバックグラウンドを持つ専門家が必要とされているためである。 MPH取得者の活躍の場は、感染症や生活習慣病など各種疾病対策を策定して予防活動を行う行政機関や、公衆衛生活動の根拠になる疫学研究を行う研究機関や大学等が代表的である。現在では公衆衛生の多様化に伴い、さまざまな分野の専門家がMPHを取得して活躍している。 たとえば、保健医療行政や政策、医療費などの課題には、経済学や政治学、法律学の専門家も必要であり、健康に関する情報管理やビッグデータ分析、環境衛生の技術には、理学や工学の専門家も求められる。感染症対策には感染に関するデータ分析の技術も不可欠であり、さらに人獣共通感染症や薬剤耐性菌の課題では、農業や獣医学も注目されている。地域における健康づくりの視点からは、保健医療と共に、社会学や人類学、行動科学などの知識を要する場合がある。そして、適格な情報をわかりやすく伝えるコミュニケーションには行動科学、心理学などの人文科学系の素養も活用される。そのほか、国際協力、災害対策、環境問題などの分野横断的な領域も多く、幅広いバックグラウンドを有する関係者が参加する可能性がある。このように、MPH教育課程では、実際に多様な学生と教育者が集い、「人々の健康を守る」ことに取り組んでいる。
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