Lp空間とは? わかりやすく解説

Lp空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 09:20 UTC 版)

数学の分野における Lp 空間(エルピーくうかん、: Lp space)とは、有限次元ベクトル空間に対する p-ノルムの自然な一般化を用いることで定義される関数空間である。アンリ・ルベーグの名にちなんでルベーグ空間としばしば呼ばれる[1] が、Bourbaki (1987) によると初めて導入されたのは Riesz (1910) とされている。Lp 空間は関数解析学におけるバナッハ空間や、線型位相空間の重要なクラスを形成する。物理学や統計学、金融、工学など様々な分野で応用されている。


注釈

  1. ^ 真のノルムではないので、ここでは括弧書きにして区別している
  2. ^ バナッハノルム、B-ノルムとも呼ばれる
  3. ^ つまり括弧書きや注釈などはせずに

出典

  1. ^ Dunford & Schwartz 1958, III.3.
  2. ^ Rolewicz, Stefan (1987), Functional analysis and control theory: Linear systems, Mathematics and its Applications (East European Series), 29 (Translated from the Polish by Ewa Bednarczuk ed.), Dordrecht; Warsaw: D. Reidel Publishing Co.; PWN—Polish Scientific Publishers, pp. xvi+524, ISBN 90-277-2186-6, MR920371, OCLC 13064804 
  3. ^ Maddox, I.J. (1988), Elements of Functional Analysis (2nd ed.), Cambridge: CUP , page 16
  4. ^ Titchmarsh 1976.
  5. ^ Rudin, Walter (1980), Real and Complex Analysis (2nd ed.), New Delhi: Tata McGraw-Hill , Theorem 6.16
  6. ^ a b Rudin 1991, §1.47.
  7. ^ Adams & Fournier 2003.
  8. ^ Duren 1970, §7.5.
  9. ^ Kalton, Peck & Roberts 1984.
  10. ^ a b c Grafakos 2004.



Lp 空間

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「Lp空間」の記事における「Lp 空間」の解説

1 ≤ p < ∞ とし、(S, Σ, μ) を測度空間とする。絶対値の p 乗の積分有界あるような、S から C(または R)への可測函数集合考える。すなわち、 ‖ f ‖ p := ( ∫ S | f | p d μ ) 1 / p < ∞ {\displaystyle \|f\|_{p}:={\Big (}\int _{S}|f|^{p}\,d\mu {\Big )}^{1/p}<\infty } であるよう可測函数集合考える。 そのような函数集合は、以下の自然な作用によりベクトル空間構成する: ( f + g ) ( x ) := f ( x ) + g ( x )  and  ( λ f ) ( x ) := λ f ( x ) {\displaystyle (f+g)(x):=f(x)+g(x){\text{ and }}(\lambda f)(x):=\lambda f(x)} ここで λ は任意のスカラーである。 二つp 乗可積分函数の和が再び p 乗可積分となることは、不等式 |f + g|p ≤ 2p-1 (|f|p + |g|p) より従う。実際ミンコフスキーの不等式より、‖ • ‖p については三角不等式成立することも従う。したがって p 乗可積分函数集合は、函数 ‖ • ‖p を備える半ノルムベクトル空間であり、 L p ( S , μ ) {\textstyle {\mathcal {L}}^{p}(S,\mu )} と表記される。 この空間標準的な方法でノルムベクトル空間へ変えられる。すなわち、‖ • ‖p のについての商空間考えればよい。任意の可測函数 f に対して ‖ f ‖p = 0 であるための必要分条件は殆ど至る所英語版f = 0 であることなので、‖ • ‖p のは p に依存しない。すなわち、 N ≡ k e r ( ‖ ⋅ ‖ p ) = { f : f = 0   μ -almost everywhere } {\displaystyle N\equiv \mathrm {ker} (\|\cdot \|_{p})=\{f:f=0\ \mu {\text{-almost everywhere}}\}} である。 そのような商空間では、二つ函数 f と g に対してほとんど至る所f = g成り立つのであれば、それらは等しいものとされる。以上の定義より、得られるノルムベクトル空間L p ( S , μ ) ≡ L p ( S , μ ) / N {\displaystyle L^{p}(S,\mu )\equiv {\mathcal {L}}^{p}(S,\mu )/N} である。 p = ∞ の場合空間 L∞(S, μ) は次の様に定義される本質的に有界、すなわち測度ゼロ集合上を除いて有界あるような、S から C(または R)への可測函数集合考える。 その集合内の二つ函数は、上述同様に、ほとんど至る所等しいのであれば等しいものとされる。その集合を L∞(S, μ) と表す。L∞(S, μ) に含まれる f に対してその本質的上限適切なノルム与える: ‖ f ‖ ∞ ≡ inf { C ≥ 0 : | f ( x ) | ≤ C  for almost every  x } . {\displaystyle \|f\|_{\infty }\equiv \inf\{C\geq 0:|f(x)|\leq C{\mbox{ for almost every }}x\}.} 上述同様に、ある q < ∞ に対して f ∈ L∞(S, μ) ∩ Lq(S, μ) であるなら ‖ f ‖ ∞ = lim p → ∞ ‖ f ‖ p {\displaystyle \|f\|_{\infty }=\lim _{p\to \infty }\|f\|_{p}} が成立する。 1 ≤ p ≤ ∞ の場合Lp(S, μ) はバナッハ空間である。Lp完備であることはしばしリース=フィッシャーの定理として述べられている。完備性ルベーグ積分対す収束定理用いることで確かめられる測度空間 S を特に注意する必要が無い場合Lp(S, μ) は Lp(μ) や Lp略記される。上述の定義はボホナー空間へと一般化される

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ℓp-空間

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数列空間」の記事における「ℓp-空間」の解説

詳細は「ルベーグ空間」を参照 KN部分空間 ℓp を、0 < p < ∞ に対して ℓp = {(xn)n∈N : ∑n |xn|p < ∞} および p = ∞ に対して ℓ∞ は有界数列全体の成す空間定める。ここで実数値の単項演算 |•| は(実または複素数の)絶対値である。 1 ≤ p ≤ ∞ の場合 x = (xn)n∈N のノルム ‖ x ‖ p = { ( ∑ n | x n | p ) 1 / p ( 1 ≤ p < ∞ ) sup n | x n | ( p = ∞ ) {\displaystyle \|x\|_{p}={\begin{cases}\left(\sum _{n}|x_{n}|^{p}\right)^{1/p}&(1\leq p<\infty )\\\sup _{n}|x_{n}|&(p=\infty )\end{cases}}} を考えれば空間 ℓp (1 ≤ p ≤ ∞) は ℓ p := { x ∈ K N : ‖ x ‖ p < ∞ } {\displaystyle \ell ^{p}:=\{x\in \mathbb {K} ^{\mathbb {N} }:\|x\|_{p}<\infty \}} とも書ける。ℓp はこのノルムについて完備距離空間であり、したがってバナッハ空間となる。 0 < p < 1 の場合 ℓpノルム持たないが d(x,y) := ∑n |xnyn|p で定義される距離関数を持つ。

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