ルベーグ‐せきぶん【ルベーグ積分】
ルベーグ積分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/22 07:03 UTC 版)
数学において、一変数の非負値関数の積分は、最も単純な場合には、その関数のグラフと x 軸の間の面積と見なすことができる。ルベーグ積分(ルベーグせきぶん、英: Lebesgue integral)は、積分をより多くの関数へ拡張したものである。ルベーグ積分においては、被積分関数は連続である必要はなく、至るところ不連続でもよいし、関数値として無限大をとることがあってもよい。さらに、関数の定義域も拡張され、測度空間と呼ばれる空間で定義された関数を被積分関数とすることもできる。
- 1 ルベーグ積分とは
- 2 ルベーグ積分の概要
ルベーグ積分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 18:40 UTC 版)
「ルベーグ=スティルチェス積分」の記事における「ルベーグ積分」の解説
任意の実数 x に対して g(x) = x が成り立つとき、g に関するルベーグ=スティルチェス測度 μg は R 上のルベーグ測度であり、f の g に関するルベーグ=スティルチェス積分は、f の(ルベーグ測度に関する)ルベーグ積分と同値になる。
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ルベーグ積分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 16:01 UTC 版)
詳細は「ルベーグ積分」を参照 リーマン積分は広い範囲の関数や応用上重要な状況(および理論的に興味深い状況)では定義されないことも多い。例えば、鉄骨の密度を積分してその質量を得ることはリーマン積分で容易に求められるが、その上に静止している鉄球にまでは適応することができない。これが動機となって、より広い範囲の関数を積分することのできる新しい定義が生み出された(Rudin 1987)。特にルベーグ積分は、重み付き和の重み付けの方に注目することによってきわめて柔軟な性質を持つに至った。 ルベーグ積分の定義は測度 μ を考えることから始まる。最も単純な場合は、区間 A = [a, b] のルベーグ測度 μ(A) を区間の幅 μ(A) := b − a で定義するもので、従ってルベーグ積分は、(狭義)リーマン積分と(両者が存在する限りは)一致する。より複雑な場合には、連続性も持たず、区間とは全く類似点の無いような、高度に断片化した様々な集合も測度を測ることができる。 このような柔軟性を十分に引き出すために、ルベーグ積分は重み付き和に対してリーマン積分とは「逆」なアプローチをとる。Folland (1984, p. 56)に言わせると、「f のリーマン積分を計算するには領域 [a, b] を小区間に分割する」が、一方ルベーグ積分は「実質的に f の値域を分割する」ものである。 よくある仕方では、まず可測集合 A の指示関数の積分の定義を ∫ 1 A d μ = μ ( A ) {\displaystyle \int 1_{\!A}\,d\mu =\mu (A)} で与え、これを線型に拡張して、n 個の異なる非負の値をとる可測単関数 s に対して ∫ s d μ = ∫ ( ∑ i = 1 n a i 1 A i ) d μ = ∑ i = 1 n a i ∫ 1 A i d μ = ∑ i = 1 n a i μ ( A i ) {\displaystyle {\begin{aligned}\int s\,d\mu &{}=\int \left(\sum _{i=1}^{n}a_{i}1_{\!A_{i}}\right)d\mu \\&{}=\sum _{i=1}^{n}a_{i}\int 1_{\!A_{i}}\,d\mu =\sum _{i=1}^{n}a_{i}\,\mu (A_{i})\end{aligned}}} と定める(ただし、可測集合 Ai たちは disjoint で、Ai の単関数 s による像が定数 ai であるものとした)。E を可測集合とすれば、その上での積分を ∫ E s d μ = ∑ i = 1 n a i μ ( A i ∩ E ) {\displaystyle \int _{E}s\,d\mu =\sum _{i=1}^{n}a_{i}\,\mu (A_{i}\cap E)} とおき、任意の非負値可測関数 f については、下から f を近似する単関数 s の上限 ∫ E f d μ = sup ∫ E s d μ {\displaystyle \int _{E}f\,d\mu =\sup \int _{E}s\,d\mu } として f の積分を定義する。さらに一般の可測関数 f に対しては、それを正部分 f+ と負部分 f− f + ( x ) = { f ( x ) , if f ( x ) > 0 0 , otherwise f − ( x ) = { − f ( x ) , if f ( x ) < 0 0 , otherwise {\displaystyle {\begin{aligned}f^{+}(x)&{}={\begin{cases}f(x),&{\text{if }}f(x)>0\\0,&{\text{otherwise}}\end{cases}}\\[5pt]f^{-}(x)&{}={\begin{cases}-f(x),&{\text{if }}f(x)<0\\0,&{\text{otherwise}}\end{cases}}\end{aligned}}} に分割して、|f| := f+ + f− に対し ∫ E | f | d μ < ∞ {\displaystyle \int _{E}|f|\,d\mu <\infty } なるとき、f はルベーグ可積分であるといい、f の積分を ∫ E f d μ = ∫ E f + d μ − ∫ E f − d μ {\displaystyle \int _{E}f\,d\mu =\int _{E}f^{+}\,d\mu -\int _{E}f^{-}\,d\mu } によって定める。 可測関数が定義される測度空間が局所コンパクトな位相空間(よくあるのは実数全体の成す集合 R)でもあるとき、測度はその位相と適当な意味で両立するもの(ラドン測度: たとえばルベーグ測度などはそう)を考える。そのような測度に関する積分は、コンパクト台付き連続関数の積分からはじめるような別な定義の仕方ができる。もっと具体的に述べれば、コンパクト台付き連続関数の全体はベクトル空間を成し、自然な位相を入れることができて、その空間上の任意の線型汎関数を連続にするような(ラドン)測度を入れることができる。従って、コンパクト台付き函関数における測度の値はその関数の積分によっても定義できる。そこからさらに測度(=積分)をもっと一般の関数へ連続性によって拡張して、指示関数の積分として集合の測度を定めるのである。これは Bourbaki (2004) の取ったやり方であり、また他にも一定数の文献がこのやり方をしている。詳細はラドン測度の項へ譲る。
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