ルベーグ測度の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 08:10 UTC 版)
ルベーグ測度の現代的な構成はカラテオドリの拡張定理を用いた以下のものである。 いま自然数 n を固定する。Rn 内の(n-次元)区間あるいは超矩形 (box) とは、(一次元)区間の直積 B = ∏ i = 1 n [ a i , b i ] {\displaystyle B=\prod _{i=1}^{n}[a_{i},b_{i}]} の形(但し、bi ≥ ai であるものとする)で書かれた Rn の部分集合の総称である。この区間 B の容積 vol(B) は vol ( B ) := ∏ i = 1 n ( b i − a i ) {\displaystyle \operatorname {vol} (B):=\prod _{i=1}^{n}(b_{i}-a_{i})} で与えられる。Rn の(高々)可算個の区間からなる区間族を総称して、Rn の区間塊という。 Rn の任意の部分集合 A に対して、Rn の区間塊をB とするとき、A のルベーグ外測度 λ*(A) を λ ∗ ( A ) := inf B { ∑ B ∈ B vol ( B ) } {\displaystyle \lambda ^{*}(A):=\inf _{\mathbf {B} }{\Big \{}\sum _{B\in \mathbf {B} }\operatorname {vol} (B){\Bigr \}}} で定める。ただしここでの下限は、集合 A を被覆する区間塊 B の選び方すべてに亘ってとるものとする(そのような被覆が存在しない場合の下限は ∞ と決めておく)。 さらに、Rn の部分集合 A がルベーグ可測であるとは、Rn の任意の部分集合 S に対して、カラテオドリの条件: λ ∗ ( S ) = λ ∗ ( S ∩ A ) + λ ∗ ( S − A ) {\displaystyle \lambda ^{*}(S)=\lambda ^{*}(S\cap A)+\lambda ^{*}(S-A)} を満たすこととする。 ルベーグ可測な集合全体は完全加法族を為す。そうしてルベーグ可測集合 A に対するルベーグ測度 λ を λ(A) := λ*(A) で定義する。 ヴィタリの定理によれば、実数全体 R の部分集合でルベーグ可測ではないものが存在する。 さらに一般に、Rn の任意の部分集合でルベーグ可測でないものが存在する。
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