Ksp m/14 | Ksp m/36
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 15:00 UTC 版)
「ブローニングM1917重機関銃」の記事における「Ksp m/14 | Ksp m/36」の解説
スウェーデンではM1917を大規模に導入し、ライセンスを所得して国産した他、独自の発展型を製造した。 Ksp m/14-29(Kulspruta m/14-29) M1917のスウェーデン軍仕様型。6.5x55mm弾使用。ksp m/14(シュワルツローゼ重機関銃のスウェーデン軍仕様モデル)の後継として導入され、m/14の水冷式銃身冷却装置と銃架を組み合わせた独自仕様としたためこの名称で呼ばれる。原型のM1917とはグリップがスペード型となっている点が異なる。 1929年に制式採用され、1943年頃までスウェーデン軍で現役で用いられたが、m/36に更新され、以後は郷土防衛隊で1960年代まで用いられた。 Ksp m/36(Kulspruta m/36) 1936年にm/14-29の更新用として導入されたもので、M1917A1を6.5x55mm弾仕様としてライセンス生産したモデル。制式採用後程なく8x63mm弾仕様への改修が行われ、弾薬の強力化に伴って銃架はスウェーデンオリジナルの反動吸収用緩衝装置付き三脚架に変更されており、グリップは銃架に付属するスペード型のものを用いる。銃架には望遠照準器と距離/射角指示表を備えており、長距離射撃性能の高いものとなっていた。銃架に対空照準環を装備した対空機銃型も製造され、単装型に加えて連装型も開発・製造された。 1966年からは7.62x51mm NATO弾仕様への改修が進められたが、いまだ大量の備蓄のある6.5 / 8 mm弾を消費すべく、一部は6.5 / 8 mm弾仕様のまま訓練用装備として用いられた。1970年代の後半にはそれらも7.62x51mmNATO弾仕様への改修が進められ、訓練用もしくは予備装備として保有された。スウェーデンにおいて最後のKsp m/36が用途廃止となったのは1990年代のことである。 Ksp m/36 Mark スペードグリップを備えた水冷型。 Ksp m/36 Strv V / Ksp m/36 Strv H Ksp m/36の車両搭載型。"Strv"とは"Stridsvagn"スウェーデン語で“戦闘車両”を示す。バレルジャケットは水冷型から空冷型に変更され、グリップはピストルグリップ型となっている。"V" / "H"とはそれぞれ"Vänster" / "Höger"、“左 / 右側”を意味し、給弾口が左もしくは右側にあることを示す。この2種を搭載する車両の装備位置により使い分けた。 Ksp m/36 Strv Dbl 車両に搭載して用いられる車載対空機関銃型。空冷型バレルジャケットとピストルグリップを備える。 Ksp m/36 Lv E 対空銃架に搭載された対空型。水冷型バレルジャケットとスペードグリップを備える。 Ksp m/36 Lv Dbl 2連装対空銃架に搭載された対空型。水冷型バレルジャケット、スペードグリップ装備。 Ksp m/39(Kulspruta m/39) 1939年に採用されたm/36の空冷化モデル。m/36をM1919A4に倣ってスウェーデンで独自に空冷化したもので、主に戦闘車両に搭載され、対空銃架に搭載した対空機銃としても用いられた。 m/36と同様、1970年代の後半からは7.62x51mmNATO弾仕様への改修が進められた他、約1,000梃がKsp m/42から改装され、"7.62mm Ksp m/39C"の制式名でセンチュリオン戦車のスウェーデン軍仕様型等に搭載された。それらのうち、Stridsfordon 90(CV90)歩兵戦闘車に搭載されたものは21世紀に入っても現役で用いられている。Ksp m/39 Strv V / H Ksp m/39のうち車両搭載型の制式名。"Strv"は"Stridsvagn"(戦闘車両)"V" / "H"は"Vänster" / "Höger"(左 / 右側)、給弾口が左もしくは右側にあることを示す。 ウィキメディア・コモンズには、Ksp m/36に関連するメディアがあります。 ウィキメディア・コモンズには、Ksp m/39に関連するメディアがあります。 艦艇の対空機銃として用いられているKsp m/36スヴァリイェ級海防戦艦 ドロットニング・ヴィクトリア(HSwMS Drottning Victoria)に搭載されたもの Ksp m/39 CV90に搭載されたKsp m/39銃口部にはフラッシュサプレッサーが装着されている
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