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H定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/05/02 16:03 UTC 版)

H定理(エイチていり)とは統計力学で、理想気体エントロピーが不可逆過程では増大することを示す定理。すなわち熱力学第二法則を分子論的に説明するものである。ボルツマンボルツマン方程式の考察から1872年に導いた。

微視的には可逆(時間反転可能)なはずの力学的過程から、エントロピーの不可逆な増大が結論されるということで、当時から大いに議論を呼び、現在でも一般的に証明されたとはいえない状況にある。

なお、この定理は現在ではエイチ定理と呼ばれるが、H はラテン文字のエイチではなくギリシャ文字 η (エータ)のキャピタルレターである、との意見もある。[1]


  1. ^ ボルツマンの当初の論文 L. Boltzmann, Wien Ber. 66, 275 (1872). では、そもそも H ではなく E で表されていた。H が用いられるようになる過程については S. Hjalmars, "Evidence for Boltzmann's H as a capital eta", Am. J. Phys., 45, 214 (1977). 等を参照のこと。
  2. ^ 「物理学辞典-改訂版」培風館(1992/05) "ポアンカレサイクル"
  3. ^ 原島鮮「熱力学・統計力学-改訂版」培風館 (1978/09) 11.1
  4. ^ J. W. Gibbs (1902): Elementary Principles of Statistical Mechanics. ISBN 978-0-918024-20-6
  5. ^ J. R. Waldram (1985): The theory of thermodynamics. ISBN 0-521-28796-0
  6. ^ 田崎秀一(2000): カオスから見た時間の矢 ISBN 978-4-06-257287-3


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