CDMA2000とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > CDMA2000の意味・解説 

シーディーエムエー‐にせん【CDMA2000】

読み方:しーでぃーえむえーにせん

code division multiple access 2000携帯電話の通信方式の一。第三世代携帯電話3G)と呼ばれる


CDMA2000

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/01 01:05 UTC 版)

CDMA2000(しーでぃーえむえーにせん)は、Wideband cdmaOneとも呼ばれるFDD-CDMA技術を応用した第3世代移動通信システムの通信方式の一つ。ITUIMT-2000規格では、IMT-MC(Multi Carrier)と呼ばれる。米クアルコムが開発し、主に、日本北米南米韓国中国香港などで採用されている。

技術

cdmaOneの設備に最小限の改修を行うことでサービス開始が可能であり、cdmaOne端末電話機)の使用も可能である。ANSI-41を基地局制御や端末の位置登録に使用する。

基地局間の同期・搬送波間のガードバンドが共に必要である。Walsh code(128)をチャネル間分離に使用し、拡散符号はM系列のLong PNとshort PNとを組み合わせて使用する。電力制御は上下とも800回/秒である。チップレート(拡散符号速度)は1.25 MHz帯域で1.2288Mcpsで複数搬送波を使用する。音声符号化方式は、EVRC, SMV, VMR-WBを使用する。規格上は、1.25MHzのバンドを3本使うCDMA2000 3xも存在するが、この方式を使用したサービスは展開されていない。

収容数

1xの場合は以下のとおりである。

59加入/キャリア(理論)
25加入/キャリア(実際)

周波数帯

使用される周波数帯には3GPP2によって、16のバンドクラス(Band Class)が規定されている。

3GPP2の仕様書にて規定されているCDMA2000の周波数は以下の通り。なお、Band Class中、上りと下りの周波数が重複している場合は、Subclassレベルで上下の周波数が分離される形で対応している。

バンド
クラス
(BC)
上り
(MHz)
下り
(MHz)
間隔
(MHz)
帯域幅
(MHz)
地域・オペレータ
0[1] 800 815-849 860-894 45 34×2 KDDI/沖縄セルラー電話(新800MHz帯[2]
セルラーバンド(US)
1 PCS1900 1850 - 1910 1930 - 1990 80 60×2 PCSバンド(US)
2 TACS800 872 - 915 917 - 960 45 43×2
3 JTACS800 887 - 925 832 - 870 -55 38×2 KDDI/沖縄セルラー電話(旧800MHz帯)
4 DCS1800 1750 - 1780 1840 - 1870 90 30×2 韓・LGテレコム
5[3] 450 452.5-483.475 462.5-493.475 10 30.975×2
6 IMT2100 1920 - 1980 2110 - 2170 190 60×2 KDDI/沖縄セルラー電話(2GHz帯
7 SMH700 776 - 794 746 - 764 -30 18×2 SMHバンド(US)
8 DCS1800 1710 - 1785 1805 - 1880 95 75×2
9 900 880 - 915 925 - 960 45 35×2
10[4] 800 806-901 851-940 45 95×2
(上りのみ)+1
11[3] 400 411.675-483.475 421.675-493.475 10 71.8×2
12[5] 800 870-876 915-921 45 6×2
13 2500 2500-2570 2620-2690 120 70×2
14 PCS1900-2nd 1850-1915 1930-1995 80 65×2 拡張PCS(US)
15 AWS1721 1710-1755 2110-2155 400 45×2 AWSバンド(US)

なお、subclass(SC)レベルの帯域については次のとおり。

バンドクラス(BC)-
subclass(SC)
上り
(MHz)
下り
(MHz)
間隔
(MHz)
帯域幅
(MHz)
地域・オペレータ
0-0 800 824 - 846 869 - 891 45 22×2 セルラーバンド(US)
0-1 800 824 - 849 869 - 894 45 25×2
0-2 800 825 - 830 870 - 875 45 5×2 KDDI/沖縄セルラー電話(新800MHz帯)
0-3 800 815 - 830 860 - 875 45 15×2 KDDI/沖縄セルラー電話(新800MHz帯)[2]
5-0 10 ×2
5-1 10 ×2
5-2 10 ×2
5-3 10 ×2
5-4 10 ×2
5-5 10 ×2
5-6 10 ×2
5-7 10 ×2
5-8 10 ×2
5-9 10 ×2
5-10 10 ×2
10-0 45 ×2
10-1 45 ×2
10-2 45 ×2
10-3 45 ×2
10-4 45 ×2
11-0 10 ×2
11-1 10 ×2
11-2 10 ×2
11-3 10 ×2
11-4 10 ×2
11-5 10 ×2
11-6 10 ×2
11-7 10 ×2
11-8 10 ×2
11-9 10 ×2
11-10 10 ×2
12-0 45 ×2
12-1 45 ×2
12-2 45 ×2

日本の状況

オペレータ毎の利用バンド
オペレータ バンド(枝番はsubclass)
0-0 0-1 0-2 0-3 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
KDDI
沖縄セルラー電話
[2]

日本では、2002年4月1日よりKDDIおよび沖縄セルラー電話auブランドがCDMA2000 1xのサービス[6]を開始した(Band Class3)。2003年には2GHz帯(Band Class6)、2006年には新800MHz帯(Band Class0 Subclass2、以下N800MHz帯)でのサービスが開始された。

なお、Band Class3は、第2世代移動通信システム向けの周波数帯(いわゆる旧800(L800)MHz帯、転用を前提に3GPP2によって策定)を転用したものであったため、2012年7月22日を以って停波した。

その後は第3世代移動通信システム用に割り当てられた、Band Class6(2GHz帯)とBand Class0 Subclass2(N800MHz帯上下各5MHz幅分)で展開していたが、(CDMA 1X WINの停波に伴い)2022年3月31日をもってCDMA2000の全サービスが終了となった[7]。なお、N800MHz帯のうち再編後に新たに使える帯域(上下各10MHz幅分)と1.5GHz帯、2GHz帯の一部、および新規割り当てが認められた700MHz帯はLTEで利用するとしている。地域によっては、2GHz帯をすべてLTEに転用(該当地域のLTE通信速度は、CAを利用しない場合で、下り最大150Mbpsとなっている)したため、上記サービス終了に先行して停波されている地域もある(当該地域では、N800MHz帯対応エリアでしか、CDMA2000のサービスを受けられなくなっていた)。

脚注

  1. ^ subclassが、0 - 3あり。
  2. ^ a b c KDDI/OCT連合は、このうちsubclass2の帯域を使用。800MHz帯再編後は、subclass3に拡張されたが、残りの10MHz幅分はLTEでの利用を予定。
  3. ^ a b subclassが、0 - 10あり。
  4. ^ subclassが、0 - 4あり。
  5. ^ subclassが、0 - 2あり。
  6. ^ サービス開始当初は「CDMA2000 1x」ではなく、これまで通り「cdmaOne」の名称をそのまま使用していた。
  7. ^ 3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」を22年3月31日に終了』(プレスリリース)KDDI、2021年11月29日https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2021/11/29/5546.html 

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「CDMA2000」の関連用語

CDMA2000のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



CDMA2000のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのCDMA2000 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS