AV仕様ファミリーコンピュータ
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「ファミリーコンピュータ」の記事における「AV仕様ファミリーコンピュータ」の解説
1993年12月1日には新型機AV仕様ファミリーコンピュータ(エーブイしようファミリーコンピュータ)が発売された。型番はHVC-101。 この名称は他のゲーム機ではすでに主流となっていたコンポジットビデオ出力によるテレビ接続が可能となったことに由来する。製品の箱にはAV仕様ファミコンの略称が記載された。さらにテレビCMで用いられたニューファミコンやNEWファミコンの通称もあり、一般にはこの名で呼ばれることが多い。 当初は10月をメドに発売される予定だったが、RF出力からビデオ出力への仕様変更により延期された。北米にて先行発売されたNES-101では逆にAV出力が省かれ、RF出力のみとされた。 AV仕様ファミリーコンピュータはコストダウンを図った廉価機として発売されたものの、ディスクシステムなど従来の周辺機器がほぼ全て使用でき、取り扱いも容易となったことからレトロゲームの愛好者からは珍重された。 ACアダプタとRFスイッチは旧型機やスーパーファミコンとの共用が可能との理由で別売とされた。コントローラやAVケーブルなど旧型機に使用できないAV仕様ファミリーコンピュータ専用周辺機器にはNEW FFマークが付けられた。任天堂以外から発売されたNEW FFマーク付き周辺機器にはNewホリコマンダー等がある。 2003年(平成15年)9月をもってスーパーファミコンの廉価機「スーパーファミコンジュニア」とともに製造出荷を終えた。 旧型機(HVC-001)との主な変更点は以下のとおり。 本体とコントローラのデザイン NESと同様薄い灰色を基調とし、スイッチやボタン類には赤色、濃い灰色、黒色が配色された。コントローラはスーパーファミコンのように丸みと立体感を持たせAボタンの位置を変更するなどより操作しやすいように改良された。これらのデザインはカセット差込口を除きNES2と共通する。 映像・音声出力 コンポジットビデオ出力に対応した。そのため生成された音声はミキサーを通した後、オーディオ端子に出力される。テレビとの接続にはスーパーファミコン用のモノラルAVケーブルまたはステレオAVケーブルを使用する。使用するテレビがステレオ対応テレビ、または使用するケーブルがステレオAVケーブルの場合も音声はモノラルで出力される。また、S端子ケーブル、RGBケーブルは使用できない。 RF出力端子は搭載されておらず、RF接続するには別売部品のRFモジュレータ(HVC-103)が必要となる。 旧型機ではRF変換の際に高音域がかなり減退しているため、AV出力されるニューファミコンではだいぶニュアンスが違って聞こえる。 カセット挿入部 カセット挿入部のフタはカセットの抜き差し動作と連動し自動開閉するようになった。旧型機に搭載されたカセットイジェクタ機構は削除されたため、カセットは直接手で引き抜かなければならない。 コントローラ 本体前面には新型コントローラを接続するための端子部を新たに装備した。この端子形状はNESと同一である。旧型機の本体前面に存在した拡張端子は本体側面に用意され、連射コントローラ、外部記憶装置など周辺機器との互換性は保たれた。 コントローラは本体からの取り外しが可能となり、I / IIコントローラの区別がなくなった。旧型機のIIコントローラに搭載されていたマイク機能は削除されたが、IIコントローラーの「下+Aボタン」「セレクトボタン」で代用ができる。 最後に製造されたAV仕様ファミリーコンピュータは任天堂が保管し、2003年(平成15年)から2004年(平成16年)にかけて開催されたテレビゲームの展覧会『レベルX』では「ラスト・ファミリーコンピュータ」の名前で展示された。この本体の製造年月は2003年(平成15年)9月25日、製造番号はNH11033309である。
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