骨格筋増強作用と禁止薬物指定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/18 01:03 UTC 版)
「サルブタモール」の記事における「骨格筋増強作用と禁止薬物指定」の解説
サルブタモールには骨格筋の強度と耐久性を増す作用がある。そのため、他のβ刺激剤とともに蛋白同化剤として多くの競技会の禁止薬物リストに載せられている。世界アンチ・ドーピング機関のリストでは、吸入使用に限って治療目的使用の申請をすれば認められる。ただし、尿中サルブタモール濃度(フリーとグルクロン酸抱合体)が1000ng/ml以上の場合は異常値として扱われる。2007年イタリアの自転車競技選手アレサンドロ・ペタッキは、ジロ・デ・イタリア大会中のドーピング検査で1320ng/mlのサルブタモールが検出されたため陽性とされ、出場停止を受けた末にチームから解雇された。 サルブタモールには脂肪燃焼効果と骨格筋増強効果があり、海外ではダイエットやボディビルディングの目的でサルブタモール錠が使用されている。ボディビルディングの世界では同じβ2刺激剤のクレンブテロール錠が使われていたが、豚肉からの摂取による食中毒事件によってクレンブテロールの心臓への副作用がクローズアップされたため、代替薬としてサルブタモールも使われるようになった。クレンブテロールと同様にサルブタモールも大量摂取すると心臓への副作用のリスクがある。しかし多くのボディビルディングに関するウェブサイトは副作用を少ししか紹介していないので注意が必要だ。用量は使用者によってまちまちであるが、一般に2mg/日の範囲で始まり、16mg/日または副作用が顕れるまで増やす、とされる。なお、吸入によって摂取されるサルブタモールは微量(サルタノール・インヘラーで1噴霧中0.1mg)なため、高用量でも筋持久力は変化しない。
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