近代化の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/23 08:04 UTC 版)
1990年代以降、世界的なグローバリゼーションとボツワナ政府の福祉向上、動植物保護、さらには鉱物資源開発を名目とした近代化政策の影響により、中央カラハリ動物保護区などの保護区域外への定住化が進むなど、サン人の生活は大きく変わりつつある。21世紀には農耕、牧畜など定住生活を行っている人々が多数となり、かつてのような狩猟採集で生活しているサン人はほとんどいないと見られている。 しかし、サン人の多くは貨幣経済生活になじめず、失業、伝統文化の消失などが社会問題化している。定住化によって起こるストレスと現金経済の浸透から、酒が絡んだ暴力事件や自殺が顕著となっている。 タボ・ムベキと親交があったサン族の指導者ダヴィド・クルイパーは南アフリカのアパルトヘイト廃止の流れに乗り、1994年に国連でサン人の代表としてサン人の保護を訴え、1999年には4万ヘクタールの土地返還を成功させている。 保護区域内においても、自生するフーディアなどの薬用植物の採取や、オリックスなどの動物の狩猟が違法とされ逮捕される事例が相次いでいる。フーディア製品の商品化にユニリーバ社などが取り組み高い利益をあげているが、地元への還元はなく社会問題になっている。
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