踏切
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踏切(ふみきり、英: level crossing)とは、鉄道と道路の平面交差[1]。
注釈
- ^ 「踏切」はもともと、基本的に「道」に焦点を当てた用語・概念で("鉄道を踏んで横切る道"といった概念の用語)、安全確保用設備が無いものまで含めて指す。別の言い方をすると、鉄道と道路の平面交差の箇所(場所)ということになる。日常的に人々が「踏切」という言葉で指す対象は、かなり漠然としており、「鉄道を横切る道の、まさに横切っている部分」という意味以外に、平面交差の「場所」(平面交差するあたり)をかなり漠然と指している場合もあれば、そこに伴う安全確保用装置も含めて漠然と指している場合もある。つまり一般の人々はあまり深く考えず、分解せず、漠然と「踏切」という言葉を使っている。日常用語の「踏切」では指す範囲があまりに漠然としすぎているので、専門用語では、日常語の「踏切」をできるだけ避けて、「踏切道」なのか「踏切保安装置」なのか、できるだけはっきり言い分けて区別している。
- ^ 警報機は無い。普段は線路が遮断されているが、列車が近づくと道路側に遮断機が動く。
- ^ 愛知県では、公安委員会の委員長が名古屋鉄道出身であった一時期にパノラマカーを描いた標識を県内全域(国鉄・近鉄も含む)で使用していた。
- ^ 「止まれ見よ」等の表記揺れあり。事業者によっては「とまれ」と記される場合もある。
- ^ 函館本線の北海道空知地方区間や羽越本線の新潟県内区間など。
- ^ 実際に故障していたため踏切事故が発生した事例においても、鉄道事業者側のみならず、自動車の運転者の責任も免れないとされた。
- ^ エレベーターを設置するよりも構内踏切を設置した方がコストを抑制できる、という理由が大きい。構内踏切になる前は、帷子ノ辻駅と古町駅では地下道、人吉駅と川南駅では跨線橋であった。
- ^ 西武新宿線の入曽駅〜狭山市駅間の踏切は、入曽1-1号、入曽1-2号、入曽2号の順に並んでいる。
- ^ 『クルマの渋滞 アリの行列 -渋滞学が教える「混雑」の真相 -』(技術評論社)によると、自動車の踏切一時停止義務を設けているのは日本と韓国のみである。(参考:交通安全公団[リンク切れ]※韓国語。2010年2月24日から第一種(または第二種)普通免許の運転免許試験の場内試験では一時停止をする必要がなくなった。2011年6月10日からはコースから踏切を廃止。第一種大型免許は従来どおり一時停止が必要)
- ^ 道路と交差する踏切道の場合も同じく道路占用許可を必要とするが、鉄道事業法第61条第1項ただし書きの適用は受けない[74]。
- ^ 非営業路線ではJR東海浜松工場付近に踏切が存在。
- ^ 非営業路線では東京メトロ銀座線に踏切が存在。
出典
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- ^ [1]
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- ^ “鉄道電気技術賞を受賞”. 2019年11月20日閲覧。
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