襟付きアンダーシャツ問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:17 UTC 版)
「新庄劇場」の記事における「襟付きアンダーシャツ問題」の解説
2006年4月30日・ソフトバンク戦(札幌ドーム)にて、ユニフォームの下にポロシャツ風の襟付き練習着を着用(表に見える襟部分は黒色が主体)して出場した。その服装を問題視したソフトバンク・王貞治監督が試合途中で審判団に規則を確認するよう求めた。新庄は試合前、柳田球審に着用の可否を確認したところ、現行規則では明記されていないため、前川芳男パシフィック・リーグ審判部長の「今後の検討材料にする」との判断で許可を取り付けていた。柳田は「実際、ネックウオーマーのようなものをしている選手もいます。ただ新庄さんがやると目立ってしまいますからね」ともコメントした。ソフトバンク側は「子供たちや青少年に悪影響を与える。何らかの形で今後も問題提起をしていきたい」と表明。事前に相談を受けていなかった日本ハム側も新庄と話し合いを持ち、今後は着用しないという結論に至った。審判部はマナーの問題(チームの服装としての統一性を欠く、違和感がある)として今後の着用を認めないと正式判断し、翌5月1日に日本ハムへ通達した。 新庄は5月6日・楽天戦(フルキャストスタジアム宮城)にて、形的には「襟」となるが今回は前回のような大ぶりの開襟ではなく、短くて立っているスタンドカラー・タイプにモデルチェンジしたものをユニフォーム下に着用(表に見える襟部分は黒色と赤色)し出場。今回は審判団に未申告のままでの着用であったが、一見では普通のハイネック・アンダーシャツのようでもあり、試合中の審判団からの注意や楽天側からのクレームはなかった。試合後に報道陣から見解を問われた中村球審は「襟と言えば襟かもしれないし」と判断に迷い絶句したが、審判部は翌5月7日に以下の二点を日本ハムへ通達した。 今回(新庄が6日の試合で着用した)のタイプでも今後は着用禁止。 パ・リーグのアグリーメント(試合協定書)に則って、球場開場後の練習着を統一する。 前者の通達を不服として日本ハム・高田繁GMが申し入れて5月24日に行われた前川審判部長との会談では、球界全体のユニフォームの着こなしの乱れを例に出して意見交換されたがやはり規制する明確なルールはなく、前川は「マナーの問題」として今後「襟付き」は一切禁止し、審判からの着替え要求に応じなかった選手は侮辱行為などとして退場させるしかないと示唆した。 新庄自身は球団広報を通じて5月7日に「ファンのために選手個々がいろいろなことを最初にやる勇気を持ってほしい」などと声明を発表。また8日の北海道のテレビ番組では、特に未来の球界を担う若手選手のファッション性向上を訴え「もう野球だけじゃこれからは駄目です。お洒落で見た目も良くてカッコよくて。そうじゃないと若い子は観に来ない。そういうことを若い選手がどんどんやれば、みんな(球場に)来ますよね?」と話した。 新庄と話し合いをもってきた高田GMは新庄の一連の行動の全てまでは肯定していないが、「5年後、10年後には新庄の考えが正しくなっているのかもしれない」と話している。なお新庄のこの一件との関連性は不明であるが、この頃を境に日本ハムのホームゲームのボールボーイ・バットボーイ全員が襟付きのアンダーシャツを着用するようになった。 この問題から16年後となる2022年、横浜DeNAベイスターズが「YOKOHAMA STAR☆NIGHT」で使用するユニフォームを発表した際、日本プロ野球初となる公式の襟付きユニフォームを使用することが決定した。
※この「襟付きアンダーシャツ問題」の解説は、「新庄劇場」の解説の一部です。
「襟付きアンダーシャツ問題」を含む「新庄劇場」の記事については、「新庄劇場」の概要を参照ください。
- 襟付きアンダーシャツ問題のページへのリンク