薬歴未記載問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 05:55 UTC 版)
「CFSコーポレーション」の記事における「薬歴未記載問題」の解説
CFSコーポレーションが運営するハックドラッグの調剤薬局で、患者の薬剤服用歴(薬歴)を記録せず処方箋医薬品を調剤し患者に処方していたとして、2015年2月22日に朝日新聞や日本経済新聞などで報道された。2013年6月末時点の社内調査で、20店舗でで合計7万8,140件という多数にわたる薬歴記載漏れがあったとされる。 同社への取材の結果「運営する一部の調剤薬局で、薬剤師が患者から聞き取った内容をメモのまま放置しパソコンに入力せず、電子薬歴への転記作業が速やかに行われていなかった」として事実を認めた。報道を受け、CFSコーポレーションは同日にニュースリリースで「薬剤服用歴管理に関するお詫びとお知らせ」を発表。「本件を重く受け止め、調剤薬局全店の薬歴管理状況について自主調査を行う」とした。 薬剤師は医師の処方箋により調剤する際に、患者に薬剤について説明し服薬指導を行うとともに、患者から症状や併用薬などを聴取し、薬のカルテである薬歴として記録し保管する必要がある。また「お薬手帳」に処方薬の記録を経時的に記載する。これらをすべて行うことにより「薬剤服用歴管理指導料」として診療報酬(当時は1回につき原則410円)を請求できる。未記載の場合は副作用などを把握できないまま調剤する危険があるばかりでなく、診療報酬の不正請求が行われていたことになる。 薬歴未記載問題は、同年2月にくすりの福太郎(ツルハグループ)で発覚し、約17万件の記載漏れがあることが2月10日の朝日新聞のスクープにより明らかになった。それに引き続きハックドラッグでも大量の薬歴未記載が発覚した。 大手ドラッグストアの調剤薬局で薬歴未記載が相次いで発覚したことを受け、厚生労働省は日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会の3団体に対し自主点検を要請。その結果、2014年の1年間だけで1220薬局で約81万2,000件に上る薬歴未記載があったことが同年6月24日に判明。最大3億円の診療報酬が不正請求されたとして、厚生労働省は3団体を通じて各薬局に診療報酬の返還を求めるとした。
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