第1次全集版とは? わかりやすく解説

第1次全集版(ハース版などの旧全集版)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 06:14 UTC 版)

ブルックナーの版問題」の記事における「第1次全集版(ハース版などの旧全集版)」の解説

前記初版群含まれる弟子たち関与明らかにしそれを除去すべしという研究者機運から、1929年ウィーンにて国際ブルックナー協会(Internationale Bruckner-Gesellschaft, 略称IBG)が創設された。1933年には、協会校訂譜の出版社設立された(Musikwissenschaftlicher Verlag 、略称MWV日本語名「音楽学出版」)。1945年第二次世界大戦終結)までの間、ロベルト・ハース主幹編集者務めた。この時期初期にはアルフレート・オーレルが、後期レオポルト・ノヴァーク校訂作業を共にした。この間、以下の楽譜が「原典版」と称して出版された。 1930年 レクイエムハース校訂)、荘厳ミサ曲ハース校訂1934年 交響曲第9番オーレル校訂)、4つ管弦楽小品オーレル校訂1935年 交響曲第1番第5番第6番ハース校訂1936年 交響曲第4番ハース校訂1938年 交響曲第2番ハース校訂1939年 交響曲第8番ハース校訂1940年 ミサ曲ホ短調ハースおよびノヴァーク校訂1944年 交響曲第7番ハース校訂)、ミサ曲ヘ短調ハース校訂) これらを「第1次全集版」または「ハース版」と称している。オーレル校訂し楽曲については「オーレル版」と称することもある。 ただしこのプロジェクトは、第二次世界大戦の中で作業滞った上、ナチス・ドイツ協力受けていたことにより戦後頓挫しハース国際ブルックナー協会追放される結果となった。この時点で、校訂報告残されていない曲も多数残ったほか、校訂出版に至らなかった曲もいくつか残された(交響曲の中ではヘ短調・第0番・第3番第1次全集残されなかった。このほかにもたとえば第4番1887年稿の校訂出版計画ありながら実現しなかったとも伝えられる)。 そのほか初版出版尽力した音楽家との対立により一部資料参照できなかったこと、アルマ・マーラー保有していた交響曲第3番の第1 - 3楽章自筆譜第2稿相当。ブルックナー第1稿自筆譜そのまま流用して改訂行った)を参照できなかったこと、などの問題にも直面したとの話も伝わっている。なお、ナチス・ドイツ台頭により、1938年時点国際ブルックナー協会公的に解散1951年まではライプツィヒ活動続けていた。 ハース仕事その後後述ノヴァーク引き継ぐことになるが、その中でノヴァークは、ハース校訂態度一部主観的なのである批判例え交響曲第2番第8番などにおいては作曲者残した複数の稿を合成折衷ししまっていると指摘した。ただし、ハース全て複数の稿を合成折衷しているわけではない交響曲第4番終楽章第1番のように、作曲者自身による異稿別個に校訂し残したものもある。 またハース失脚後ハース意志尊重しフリッツ・エーザーが交響曲第3番校訂した「エーザー版」があり、一旦戦争で版が消失したといわれていたが戦後発見され、しばしば第1次全集範疇含められる

※この「第1次全集版(ハース版などの旧全集版)」の解説は、「ブルックナーの版問題」の解説の一部です。
「第1次全集版(ハース版などの旧全集版)」を含む「ブルックナーの版問題」の記事については、「ブルックナーの版問題」の概要を参照ください。


第1次全集版(ハース版など)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 10:24 UTC 版)

アントン・ブルックナー」の記事における「第1次全集版(ハース版など)」の解説

初版含まれる弟子たち関与を除くために、国際ブルックナー協会は、ロベルト・ハースなどにより、譜面校訂、「原典版」として出版し続け一定の成果をあげた。これらを「第1次全集版」または「ハース版」と称している。 しかし第2次世界大戦後ハースナチス・ドイツとの協力関係から、国際ブルックナー協会追放された。この時点で、校訂されていない曲も多数残った。特に交響曲第3番ハース版が未出版のまま終わっている。後にハース意志継いだ弟子たちの手によってエーザー版が出版された。ノヴァーク版が出版されるまで、交響曲第3番ではこのエーザー版を使用することが一般的だった

※この「第1次全集版(ハース版など)」の解説は、「アントン・ブルックナー」の解説の一部です。
「第1次全集版(ハース版など)」を含む「アントン・ブルックナー」の記事については、「アントン・ブルックナー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「第1次全集版」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「第1次全集版」の関連用語

第1次全集版のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



第1次全集版のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのブルックナーの版問題 (改訂履歴)、アントン・ブルックナー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS