神話世界のリムノスとは? わかりやすく解説

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神話世界のリムノス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/14 14:27 UTC 版)

リムノス島」の記事における「神話世界のリムノス」の解説

古代ギリシア時代リムノス島鍛冶の神ヘーパイストス捧げられていた。『イリアス』(I.590ff)の中でヘーパイトス自身が語るには、父ゼウスによってオリンポス山から真っ逆さま突き落とされて、落ちた場所がリムノス島だったということだ。『イリアス』によると、ヘーパイトスはシンティエス人(英語版)(あるいは、アポロドーロス『ビブリオテーケー』邦訳名ギリシア神話」。I.3.5)によると、女神テティス)の看護を受け、トラキアニュンペーニンフ)のCabiro(プローテウスの娘)とともにカベイロイ呼ばれる種族を生み、彼らに捧げる神聖な儀式が島で執り行われということである。 ヘーパイストス鍛冶場火山島特徴示しているが、アイタレイア (Aethaleia)同様、このリムノス島にも鍛冶場があり、時々利用されていたという。島にある山の1つ、モシュクロス山 (Mosychlos) は時々噴火したと言われている。古代の地理学者パウサニアスは、リムノス島近くクリセ (Chryse) と呼ばれる小島があったが海に沈んだ説明している。しかし現在のリムノス島山々はすべて死火山である。 レムノス (Lemnos) という名前は、トラキア人の間ではキュベレー称号だったと、ミレトスのヘカタイオス述べたまた、この島に最初に住んでいたのはトラキア人部族で、ギリシア人は彼らのことを Sintians(略奪者)と呼んでいたとも。 アポロドーロスは、ディオニューソスナクソス島置き去りにされたアリアドネを見つけ、リムノス島に連れて行き、そこでトアース、スタピュロス、オイノピオーン、ペパレートスを生んだとしている(『ビブリオテーケーギリシア神話)』摘要I.9)。また、大プリニウスは『博物誌』の中で、リムノス島ラビリントスについて語っているが、現在に至ってその実在確認されていない有名な言い伝えでは、島の夫たちトラキア女性たち夢中になって、相手にされなくなった妻たちはその復讐島中男性殺したという。この蛮行から、古代ギリシア人たちの間に「Lemnian deeds」ということわざが生まれたその後まもなく、アルゴナウタイ上陸した時は、島には女性しかおらず、トアース王の娘ヒュプシピュレー統治していた。アルゴナウタイリムノス島女性たちから、ミニュアース人 (Minyans) という部族生まれたイアソンヒュプシピュレーの子であるエウネーオス王は、イリオストロイ)のアカエア人たちにワイン食糧送った。しかし、アッティカから来たペラスゴイ人(英語版)によって、ミニュアース人は島から追い出されてしまった。 こうした伝説基礎成している歴史的な要素は、おそらく、こういうことではないだろうか。つまり、トラキア人たちは、エーゲ海点在する島々統一するための航海術始めにあたって徐々にギリシア人との交流をするようになったトラキア住民たちはギリシア人水夫較べる技術的に未開だったのであるキュベレー崇拝トラキア特徴で、非常に早い時期小アジアから広まったのであるヒュプシピュレーもミリナ(主要な町の名前)もアマゾンの名前で、アジアキュベレー崇拝と常に関係している。 他の伝説では、ピロクテテストロイに行く途中ギリシア人によってリムノス島置き去りにされた、とある。オデュッセウスネオプトレモス迎えに来るまで、ピロクテテスは足に負った傷で十年間、この島で苦しんだソポクレスによればピロクテテス住んでいたのは、アイスキュロスアルゴストロイ陥落報せ告げかがり火設置場所1つにした、ヘルマエウス山のそばだったという。

※この「神話世界のリムノス」の解説は、「リムノス島」の解説の一部です。
「神話世界のリムノス」を含む「リムノス島」の記事については、「リムノス島」の概要を参照ください。

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