テティスとは? わかりやすく解説

テティス【Tethys】

読み方:ててぃす

土星第3衛星1684年カッシーニ発見。名の由来ギリシャ神話巨人巨大なオデュッセウスクレーターや、全長2000キロにおよぶ渓谷イサカカズマがある。公転軌道小形の2衛星テレストカリプソ)と共有し、これらはテティスと土星形成するラグランジュポイント上にある直径は約1070キロ地球の約0.08倍)。平均表面温度セ氏マイナス190度。テチス

[補説] イサカカズマIthaca Chasma)は日本人名由来とする名称ではない。カズマ裂溝帯(れっこうたい)と呼ばれる地形のこと。


テティス 【Thetis】


テティス

名前 Thetis

テティス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/25 14:40 UTC 版)

テティス古希: Θέτις, Thetis)は、ギリシア神話に登場する海の女神である。海神ネーレウスドーリスの娘たち(ネーレーイス)の1人[1][2]。一説にはケンタウロス族の賢者ケイローンの娘[3][4][5]テッサリアー地方のプティーアの王ペーレウスと結婚し、トロイア戦争最大の英雄アキレウスの母となった[6][7][8]


注釈

  1. ^ Bowra (1961) 25-6, Barrett (1961) 689, West英語版 (1963) 154-56, West (1967) 1-15, Penwill (1974) 15, Detienne and Vernant (1978) ch.5, Segal (1985) 179.[11]
  2. ^ Der Kleine Pauly はテッサリアー地方,スパルタ,ギュテイオン,エリュトライで崇拝されたとする[14]
  3. ^ 紀元4世紀ごろのクイントゥスがヘーパイストス、ディオニューソスを保護したエピソードとともに簡単に言及するという例はあるが[16]『イーリアス』以外ではほぼ知られていない伝承である。
  4. ^ ホメーロス風讃歌』第3歌「アポローン讃歌」やアポロドーロスではヘーパイストスを助けたのはテティス1人となっている[18][19]
  5. ^ 古代ローマの詩人カトゥルスの詩によると、ペーレウスがテティスを見染めたのはアルゴー船が出航した際に、テティスがアムピトリーテーのお供として見物に現れたときである[39]
  6. ^ アキレウスに討たれたヘクトールが息を引き取る前に予言した言葉ではパリスとアポローン[45]
  7. ^ 古代では以下の表記が知られている。テティディオン(Θετίδιον, Thetidion[59][60]、テティデイオン(Θετίδειον, Thetideion[61]、テスティデイオン(Θεστίδειον, Thestideion[62]
  8. ^ クリューセーイスの返還を求める老神官クリューセース(1巻)と息子ヘクトールの遺体の返還を求める老王プリアモス(24巻)、それを追い返すアガメムノーン(1巻)と迎え入れてもてなすアキレウス(24巻)という対比。
  9. ^ M. M. Willcock (1964) 143, M. W. Edwards (1987) 67.[75]

脚注

  1. ^ ヘーシオドス『神統記』244行。
  2. ^ アポロドーロス、1巻2・7。
  3. ^ ヒュギーヌス『天文譜』2巻18。
  4. ^ ロドスのアポローニオス『アルゴナウティカ』1巻558への古註。
  5. ^ クレータのディクテュス、1巻14、6巻7。
  6. ^ ヘーシオドス『神統記』1006行-1007行。
  7. ^ アポロドーロス、3巻13・5-13・6。
  8. ^ シケリアのディオドロス、4巻72・6。
  9. ^ 『イーリアス』18巻127行。
  10. ^ 『神統記』1006行。
  11. ^ a b c d Noriko Yasumura, Cosmogonic Fragment of Alcman (Oxyrhynchus Papyri XXIV).
  12. ^ a b ヘロドトス、7巻191。
  13. ^ パウサニアス、3巻14・4-5。
  14. ^ a b 角田幸彦「ホメロス作品世界の精神史的考察 新稿」。
  15. ^ 『イーリアス』1巻396行-406行。
  16. ^ クイントゥス『トロイア戦記』2巻。
  17. ^ 『イーリアス』18巻。
  18. ^ 『ホメーロス風讃歌』第3歌「アポローン讃歌」319行-320行。
  19. ^ アポロドーロス、1巻3・5。
  20. ^ 『イーリアス』6巻。
  21. ^ アポロドーロス、3巻5・1。
  22. ^ 『イーリアス』1巻488行-530行。
  23. ^ a b 『イーリアス』18巻368行-617行。
  24. ^ 『オデュッセイア』24巻73行-75行。
  25. ^ ピンダロス『イストミア祝勝歌』第8歌27行-47行。
  26. ^ a b c アポロドーロス、3巻13・5。
  27. ^ ヒュギーヌス、54話。
  28. ^ オウィディウス変身物語』11巻。
  29. ^ 『キュプリア』断片(ピロデモス『敬虔について』B7241-50)。
  30. ^ ピンダロス『ネメア祝勝歌』第4歌62行-65行。
  31. ^ プロクロス『文学便覧』「キュプリア梗概」。
  32. ^ a b アイギミオス英語版』断片(ロドスのアポローニオス『アルゴナウティカ』4巻816行への古註)。
  33. ^ スタティウス『アキレイス』1巻269行。
  34. ^ ロドスのアポローニオス、4巻866行-879行。
  35. ^ a b アポロドーロス、3巻13・6。
  36. ^ ロドスのアポローニオス、4巻780行-841行。
  37. ^ ロドスのアポローニオス、4巻930行-963行。
  38. ^ アポロドーロス、1巻9・25。
  39. ^ 松田治『トロイア戦争全史』p.15。
  40. ^ アポロドーロス、3巻18・8。
  41. ^ アポロドーロス、摘要(E)3・26。
  42. ^ アポロドーロス、摘要(E)3・29。
  43. ^ 『イーリアス』9巻410行-416行。
  44. ^ 『イーリアス』21巻277行。
  45. ^ 『イーリアス』22巻359行。
  46. ^ 『イーリアス』18巻9行-11行。
  47. ^ 『イーリアス』1巻364以下。
  48. ^ 『イーリアス』18巻35行-126行。
  49. ^ 『イーリアス』18巻127行-147行。
  50. ^ 『イーリアス』19巻1行-39行。
  51. ^ 『イーリアス』24巻1行以下。
  52. ^ パウサニアス、5巻19・2。
  53. ^ アイスキュロス断片。
  54. ^ 『オデュッセイア』24巻47行-97行。
  55. ^ プロクルス『文学便覧』「アイティオピス梗概」。
  56. ^ クイントゥス、3巻。
  57. ^ ピロストラトス『ヘーロイコス』51。
  58. ^ ピロストラトス『ヘーロイコス』54。
  59. ^ ストラボン、9巻5・6(C431)。
  60. ^ ポリュビオス歴史』18・3・4。
  61. ^ エウリーピデース『アンドロマケー』20行。
  62. ^ ビューザンティオンのステファノス。
  63. ^ エウリーピデース『アンドロマケー』16行-20行。
  64. ^ エウリーピデース『アンドロマケー』1231行以下。
  65. ^ ヘーロドトス、186。
  66. ^ ヘーロドトス、188。
  67. ^ ヘーロドトス、190。
  68. ^ a b Emma Aston, Thetis and Cheiron in Tessaly.
  69. ^ パウサニアス、3巻14・4。
  70. ^ パウサニアス、3巻14・5。
  71. ^ ピロストラトス『ヘーロイコス』53。
  72. ^ アルクマーン断片5。
  73. ^ a b 廣川洋一「哲学の始まりと抒情詩 アルクマンの場合」。
  74. ^ Wilhelm Mannhardt, Antike Wald- und Feldkulte aus nordeuropäischer Überlieferung, 1877, Bd. II, p. 52-55.
  75. ^ a b c d 岡道男『ホメロスと叙事詩の環』。
  76. ^ Albin Lesky, Peleus, 1937.
  77. ^ カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 神々の時代』1章1。
  78. ^ 『マハーバーラタ』1巻91章-93章。
  79. ^ 吉田敦彦『ギリシァ神話と日本神話』p.71-74。
  80. ^ 沖田瑞穂「印欧語族の豊穣女神に共通する諸特徴について」。



テティス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:23 UTC 版)

クレーター」の記事における「テティス」の解説

『オデュッセイア』登場人物最大のクレーター主人公オデュッセウスから。

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テティス

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ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々」の記事における「テティス」の解説

アキレウスの母。海の女神初出第1話

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テティス

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テティス

  1. 土星3衛星固有

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