神と霊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 09:08 UTC 版)
たたりを恐れ崇拝の対象とする死霊崇拝はアニミズムの一形態とされている。神社で怨霊を鎮めるために神として祀るなどした。中国では魏(220年 - 265年)、晋以後に広まっているが、日本では奈良・平安・鎌倉時代に盛んに信仰され、怨霊がもたらす不幸を防ぐために呪法が行われたとされる。 神道において、特に有力な人物や恨みを残して亡くなった人物を『神』として祀り、祟りを避けようとした例は数多い。中でも菅原道真を祀る天満宮は亡くなった人間を神として扱う顕著な例である。ただし、道真の生前から存在する神社(生祠)や、出生譚には神仏の化身として現世に顕現した説話も存在する。 これに対して近代に興った靖国神社は国家のために戦死した不特定多数を神として祀っており、特定単数を神として祀る先述の例と一線を画している。ただし、神社に祖霊社が設けられることがある。これらのことから、神社から慰霊碑、(神仏習合における)墓に至るまで規模は違えど本質的に同じものであり、『神』(祀れば恩恵をもたらし、ないがしろにすれば祟るもの)と『霊』(人間が死んだ後に残るとされる霊魂)とは明確に区別されていないといえる。更には、神を「霊」の語で言い表す場合もあり、少なくとも言葉の上では明確な区別はない。 「人神」も参照 神の霊の構造について、荒魂・和魂があると考えられている。この2語の関係は、体系だって説明されることはないものの、『古事記』の神功皇后の箇所や『出雲風土記』、また『延喜式』の臨時祭「霹靂神祭」などに登場する。
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