社会からの批評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 01:31 UTC 版)
「アンサイクロペディア」の記事における「社会からの批評」の解説
アンサイクロペディア英語版の記事は、有名無名を問わずさまざまな新聞・雑誌等で取り上げられている。たとえば2005年には、空飛ぶスパゲッティ・モンスター教の記事がニューヨーク・タイムズ紙の「Pastafarianism」を扱ったコラムで紹介された。このコラムは台北タイムズなど他紙でも掲載された。さらにウィキのみならずウェブサイト一般を扱った記事においても、技術やウェブといった括りで紹介されている。ボストン・ヘラルド(英語版)やガーディアンがその例である。アンサイクロペディアの記事が取り上げられることがある一方で、単にアンサイクロペディアという名前が記載されるに過ぎない場合もある。たとえばウィキペディアにおけるシーゲンソーラーの経歴論争を取り上げた「The Register」においても、アンサイクロペディアは名前だけが紹介された。また「PC Magazine」でも未発掘のサイトベスト100に選出されている。 2007年6月には、湖水地方の記事が評議員や観光会社の経営者から「不快」だと評され、同時に彼らは厳しい規制を求めた。この一件はイギリスの地方紙North-West Evening Mailにも取り上げられたが、アンサイクロペディアの方針は変わらなかった。これと似た事件が2007年11月にも発生しており、北アイルランドを扱った記事が地元政治家のJames McCarryによって「恥さらし」と批判され、さらに彼は問題の記述を除去させると宣言した。なおこの北アイルランドの一件では、地元評議員のConor Maskeyや「Portadown News」編集長のNewton Emersonが、もっとリラックスしてウェブサイトと接するべきだとMcCarryの姿勢に反論している。 2008年4月には、「『緊急地震速報』誤作動影響 玉突き事故発生で死者5人 – 首都高」では、記事のノートページでエフエム東京(TOKYO FM)の社員が記事を削除するように、抗議したこともある。 日本語版は個人のブログなどに取り上げられる程度だったが、2007年9月には日経トレンディネットにリア充の記事が引用されるなど、徐々に知名度が上がっている。 2011年6月には、UnNews日本語版に「ツイッター日本語版、7月から全面有料化」という記事を掲載。記事の掲載は21日であったが、5日経過した26日にこの記事がネタとしてツイッターで拡散する内に本当のニュースと誤認されて騒動となり、公式アカウントがこれを否定するコメントを投稿する事態に至った。この際に拡散した人物が「悪質なデマサイト」と呼んだことから、「悪質なデマサイト」という記事が作成されるに至った。 2019年5月号の『正論』(産経新聞社発行)で、アンサイクロペディアから説明文が引用されて記事が掲載されていることがネット上で波紋を呼んだ。当該記事は評論家の潮匡人によるもので、「フリー百科事典『アンサイクロペディア』」(文中での表記)の説明文を引用する形で、ポリティカル・コレクトネスについて「言葉の使い方に偏見や差別が含まれていないことを指す言葉である。日本語では『政治的に正しい』と訳される場合もあるが、一般的には「言葉狩り」を婉曲にオブラートに包んであたかも言論の自由を侵害するものではないかのように装うために言い換えているものであると認識されている」と説明。アンサイクロペディアの引用についてネットでは疑問視する声が上がったが、潮は「ウィキペディアを引用すること、アンサイクロペディアを引用することも恥ずかしいとは思いません。多くの目にさらされているインターネット上の方が正確であることの方がしばしばある」「『ウィキペディア』のパロディサイトであるが、ここでは『アンサイクロペディア』の説明がむしろ本質を示しているだろう」と引用の意図を釈明した。
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