甕貯蔵(かめちょぞう)
泡盛の熟成方法。沖縄では古くから熟成した泡盛、すなわち古酒(くーす)を賞美してきたが、その熟成容器には南蛮焼または荒焼(あらやち)と呼ばれる陶器のかめが用いられた。泡盛の熟成にはかめが非常に重要な役割を果たすと考えられ、古酒づくりに最も優れているとされてきたのが、14~15世紀ころ南蛮酒とともに伝来したといわれる古いシャム南蛮である。沖縄の古窯の南蛮がめもまた熟成効果が優れているとして珍重された。泡盛の貯蔵容器としての荒焼のかめは、その容量により、中甕(ちゆーがーみ)(四斗入り)、フェージン(二斗)、徳利小(とつくいぐわー)(一斗)、丸小(まるーぐわー)(五升)、平尻(ひらちひー)(五合~一升)と呼称され、使い分けられていた。泡盛の熟成に対するかめの役割については、陶器の通気性による緩慢な酸化作用や、かめの材質の金属成分(鉄・カルシウムなど)の触媒説などがあげられている。
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