現在の仕様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 23:31 UTC 版)
ベネディクト16世の国外訪問時に最も頻繁に使用されたのがメルセデス・ベンツMクラス SUVを改装して、車体後部に特製のガラスで覆われた「部屋」を造り付けたパパモビルである。 教皇が後面ドアから車内に入ると数段上り、座ると御座は油圧でガラス張りの「部屋」に持ち上げられることで周りからは教皇の姿がよく見られるようになる。車の前部座席には運転手のほかに1名分(通常は警護官)の座席が確保されている。車体後部のガラス張りの部屋には、昇降式の御座の前に教皇の従者用の2名分の座席が設けられている。この車は防弾ガラス製の窓と屋根や装甲で強化された車体側面と足回りを備えている[要出典]。 オープンカー型式のパパモビルは、サン・ピエトロ広場で行われる行事で最も一般的に使用されているが、行事の大半が一般謁見であり、同広場に巡礼者の謁見を教皇は受けるのが務めだからである。 2007年6月6日、ローマ教皇が一般拝謁を始めた時に、一人のドイツ人がベネディクト16世の乗るオープンカー型式のパパモビルに飛び掛ろうとした。教皇はかすり傷一つ負わず、27歳の男が広場の警護用の柵を乗り越えたことに気づいた様子すら無く、現場を走り抜けるときには白いフィアット車のパパモビルにしっかりと座っていた。広場をゆっくりと走行するパパモビルに伴走していた少なくとも8名の警護官が男を取り押さえ、地面にねじ伏せた。男はバチカン警察(Corps of Gendarmerie of Vatican City)により尋問された。 2013年に着座したフランシスコは、着座式に先立つ一般謁見には、会衆と握手や抱擁をすぐに交わせるように、ヨハネ・パウロ2世時代に導入されたフィアット・カンパニョーラのオープンカーを選び、以後も広場での謁見時にしばらく使用していた。清貧をモットーとすることから、フィアット・カンパニョーラのような古いパパモビルを使用することにしたのである。しかし程なく警備上の理由からか、メルセデス・ベンツGクラスベースの車両に戻されている。この車両は前面と上面のみにガラスが張られている構造となっているため、教皇の意向を叶えつつ警備面も妥協しないという相反する需要を満たせている。上記のメルセデス・ベンツMクラス SUVクラスベースの車両をはじめとする部屋づくりの車両は、フランシスコ曰く「イワシの缶詰」のような状態となってしまい、彼の意向を満たせなくなったことから、使われなくなった。
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