植民地観とは? わかりやすく解説

植民地観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)

カール・マルクス」の記事における「植民地観」の解説

マルクスは、『共産党宣言』では、ポーランド独立運動において「農業革命こそ国民解放条件考え政党」を支持し1867年フェニアンによるアイルランド反乱の際には、植民地問題イギリス社会革命一環として捉えるうになるマルクスによれば当時イギリス隷属していたアイルランドイギリス地主制度要塞になっているイギリス社会革命推し進めるためには、アイルランド大きな打撃与えなければならない。「他の民族隷属させる民族は、自分自身鉄鎖鍛えのである。」「現在の強制され合併(すなわちアイルランド隷属)を、できるなら自由で平等な連邦に、必要なら完全な分離変えることが、イギリス労働者階級解放前提条件である」。 他方マルクスインド中国論にはオリエンタリズムという批判がある(たとえばエドワード・サイードマルクス論)。しかし一方でマルクスインド中国論はヘーゲル的な歴史観よるものだという解釈もある。マルクスによればイギリスのインド支配中国侵略低劣な欲得づくで行われ利益追求の手段もまた愚かだった。しかしイギリスは、無意識的インド中国伝統的社会解体するという歴史的役割果たしたマルクスによれば、この事実を甘いヒューマニズムではなく冷厳なリアリズム確認するべきである。「ブルジョワジーがひとつの進歩もたらすときには個人人民血と涙のなかで、悲惨堕落のなかでひきずりまわさずにはこなかったではないか」。 ヨーロッパによって植民地半植民地状態におかれたインド中国将来については、マルクス次のように予測した。 「大ブリテンそのもの産業プロレタリアート現在の支配階級とってかわるか、あるいはインド人自身強くなってイギリスのくびきをすっかりなげすてるか、このどちらかになるまでは、インド人は、イギリスブルジョワジーが彼らのあいだに播いてくれた新し社会の諸要素果実を、取り入れことはなであろう。それはどうなるにしてもいくらか遠い将来に、この偉大で興味深い国が再生するのを見ると、期待してまちがいないようである」。 「完全な孤立こそが、古い中国維持するための第一条件であったこうした孤立状態イギリスの介入によってむりやりに終わらされたので、ちょうど封印され注意ぶかく保管されミイラ外気触れると崩壊するように、崩壊確実にやってくる違いない」。

※この「植民地観」の解説は、「カール・マルクス」の解説の一部です。
「植民地観」を含む「カール・マルクス」の記事については、「カール・マルクス」の概要を参照ください。

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