しょうわ‐きょうこう〔セウワキヨウクワウ〕【昭和恐慌】
昭和恐慌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/06 14:29 UTC 版)
昭和恐慌(しょうわきょうこう)は、1929年(昭和4年)10月にアメリカ合衆国で起き世界中を巻き込んでいった世界恐慌の影響が日本にもおよび、翌1930年(昭和5年)から1931年(昭和6年)にかけて日本経済を危機的な状況に陥れた、戦前の日本における最も深刻な恐慌。
注釈
- ^ 金解禁とは、通貨と金の兌換を自由にし、国際間の金の移動を自由にすること。
- ^ 大衆消費社会の到来は、フォード・モデルTに代表される大衆車、家電製品、ラジオ、映画、レコードなど新しいメディア、ジャズ音楽やディズニー映画の流行、クレジットや通信販売の登場など、大量生産・大量消費を特徴とするアメリカ的な生活(American way of life)をもたらした。
- ^ 旧平価での解禁について、大内力は、井上の銀行家的資質が災いしたと指摘している。大内(1974)p.173
- ^ このことを評して大内力は「あたかも台風の最中に窓をあけひろげるような結果になってしまった」と述べている。大内(1974)p.174
- ^ 1931年(昭和6年)9月の満洲事変の勃発後、イギリスが金本位制から離脱して日本も金輸出再禁止が時間の問題となると、今度は、資産の防衛を考えた人びとのなかで猛烈なドル買いがおこったため、金の流出はさらに加速した。大内(1974)pp.177-178
- ^ 臨時産業合理局に勤務した経験をもつ人物に木戸幸一、岸信介がいる。
- ^ その一方で、これらの合理化はすべて労働者にしわ寄せされたため、労働運動は激化し、カルテルの容認も財閥優遇政策として労働者や中小企業者に負担を強いるものとして大衆の不満はいっそう増していった。大内(1974)pp.240-241。1930年には、温情主義経営を誇った鐘紡にも大規模な労働争議がおこり、東京市電や市バスのストライキ決行により、市民の足も麻痺した。長(2004)
- ^ ドル買いの動きを「国賊」「非国民」などとして批判したのは、当初は政府筋からはじめたことであった。このことについて、高橋亀吉が憤慨してドル買いは本来経済の自由に属すべきことのはずで、こうした手法がのちに右翼が何ごとにつけ「非国民」扱いするやり方につながったとして、井上準之助批判の文をのこしている。大内(1974)p.178
- ^ 日本がこのとき世界的に最もはやく経済回復を成し遂げた理由を、物価の下落と失業圧力によってコスト高と賃金高の要因を除去できたこと、および、金融恐慌によってすでに不良債権が処理されており、信用機構は健全だったことを挙げる見解がある。恐慌からの脱出
出典
- ^ a b 田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、110頁。
- ^ 震災手形による悪化
- ^ a b c d e f g h i j 長(2004)
- ^ 恐慌からの脱出
- ^ 岩田規久男 『日本経済にいま何が起きているのか』 東洋経済新報社、2005年、173頁。
- ^ 操業短縮の意。
- ^ 上念司 『デフレと円高の何が「悪」か』 光文社〈光文社新書〉、2010年、180頁。
- ^ 田中秀臣・安達誠司 『平成大停滞と昭和恐慌〜プラクティカル経済学入門』NHK出版〈NHKブックス〉、2003年、173頁。
- ^ a b 大内(1974)pp.170-172
- ^ a b 大内(1974)pp.163-170
- ^ a b 大内(1974)pp.172-175
- ^ a b 大内(1974)pp.176-179
- ^ a b c d 大内(1974)pp.183-184
- ^ a b c 中村(1989)pp.66-67
- ^ 『現代日本経済史』(2002)p.26
昭和恐慌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 03:04 UTC 版)
田中秀臣の主張では1927年、田中義一内閣がモラトリアム令を配布し、各民間銀行に日本銀行が巨額の救済融資を行い、取り付け騒ぎを鎮めたが、再三の日銀特融による日本銀行券の増発によって、不況の中のインフレの発生(スタグフレーション)に陥ったとしている。一方、中野剛志によれば、当時の大蔵大臣である高橋是清はケインズを先取りしたケインズ主義的政策を断行した。1936年までに国民所得は60%増加し、完全雇用も達成したとも主張している。
※この「昭和恐慌」の解説は、「スタグフレーション」の解説の一部です。
「昭和恐慌」を含む「スタグフレーション」の記事については、「スタグフレーション」の概要を参照ください。
昭和恐慌と同じ種類の言葉
- 昭和恐慌のページへのリンク