ちゅうしょう‐ひょうげんしゅぎ〔チウシヤウヘウゲンシユギ〕【抽象表現主義】
抽象表現主義
【英】:ABSTRACT EXPRESSIONISM
主として第二次大戦後のアメリカで開花した非幾何学的な抽象美術を指して、1950年頃から一般に用いられるようになった言葉。カンディンスキーの1910〜14年の絵画に対して使われたのが最初らしいが、1946年、アメリカの画家、アーシル・ゴーキーとジャクスン・ポロックの作品に対して使われるにおよび流行語となり、たちまち他のニューヨーク派の画家の作品にも拡大されて、抽象的でなくても、表現主義的でなくてもそう呼ばれるようになった。そのため、批評家のハロルド・ローゼンバーグは「アクション・ペインティング」という概念を導入したが、この語は当時支配的な実存主義的な意味合いが強調されており、今日ではあまり用いられない。代表的作家としては、マーク・トビー、デ・クーニング、マーク・ロスコなどがあげられる。各人の作品はあまりに多様であるが、強いて要約すれば、即興的、エネルギッシュ、自由な技法を用いて、既成の因襲的な良き趣味を満足させるよりも、人々の物の見方に衝撃を与えることを望んだ非イメージ的で反形式的な絵画といえる。
抽象表現主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 07:10 UTC 版)
抽象表現主義(ちゅうしょうひょうげんしゅぎ、英: Abstract expressionism)は、1940年代後半のアメリカ合衆国で起こり、世界的に注目された美術の動向である。抽象表現主義という語は、1919年にワシリー・カンディンスキーの作品に記述されたのが初めてで、その後1946年にロバート・コーツが再採用したものである[1]。また抽象表現主義はハロルド・ローゼンバーグが「アクション・ペインティング」と命名しているものの総称としても使用される[1]。
抽象表現主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 21:36 UTC 版)
「クレメント・グリーンバーグ」の記事における「抽象表現主義」の解説
グリーンバーグは、モダニズムが人間の経験に関する批評的な視点を提供してきたと考えた。彼によれば、モダニズムは、それ自体発展し続ける大衆文化に適応するために姿を変え続けてきた。第二次世界大戦後グリーンバーグは、最高の前衛芸術はヨーロッパではなくアメリカで生まれつつある、と考えるようになった。特にジャクソン・ポロックを同時代の最高の美術家と認め、オールオーヴァー(カンヴァスを一様な平面として絵具で覆う手法)と呼ばれるポロックの技法を絶賛した。1955年の論文「アメリカ型の絵画('American Type Painting')」のなかで、グリーンバーグはジャクソン・ポロック、ウィレム・デ・クーニング、ハンス・ホフマン、バーネット・ニューマンら抽象表現主義の画家を、モダニズムの次世代を担う存在として紹介し、モダニズムは絵画の「平面性(flatness)」を強調する方向に向かうと論じた。彼は、平面性こそがモダニズムをオールド・マスター(近代以前の大画家たち)の絵画から分かつものであると強調し、抽象表現主義を装飾的な「壁紙」からハイ・アート(純粋芸術)の域へ高めた。しかし、戦後のアメリカが進歩的芸術の守護者になったというグリーンバーグの主張は、抽象表現主義を文化的プロパガンダに用いるものとして受け取られることがあった。 このような視点から、グリーンバーグは1960年代に勃興したポップアートを、大衆文化に影響された俗悪なものとして批判した。1960年代、70年代を通じて、グリーンバーグはマイケル・フリードやロザリンド・クラウスら後の世代の美術批評家に影響を与え続けた。しかしグリーンバーグはポストモダニズム理論や美術の社会運動化に敵対的態度を取ったので、双方の美術家や美術史家から反撃を受けた(「クレンバッシング(Clembashing)」と呼ばれる)。
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