技師館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 05:29 UTC 版)
旧鹿児島紡績所技師館(きゅうかごしまぼうせきじょぎしかん)は、鹿児島県鹿児島市吉野町にある鹿児島紡績所に招聘したイギリス人技師の住居として建築された技師館。通称「異人館」。1867年に建設された。 1959年(昭和34年)2月25日に国の史跡に指定され、1962年(昭和37年)6月21日に国の重要文化財(建造物)に指定された。2015年(平成27年)、第39回世界遺産委員会において、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つである旧集成館を構成する施設として、世界文化遺産に登録された。 江戸時代末期の1867年(慶応3年)に建設された洋館であり、木造2階建て、屋根は方形造り、瓦葺で、壁は白ペンキ塗りであった。 1884年(明治17年)に鹿児島県立中学造士館の建設時に鹿児島城本丸跡に校舎の一部として移築されたが、1936年(昭和11年)に現在地に再移築された。 当初、銀座煉瓦街の設計などにもかかわったトーマス・ウォートルスの設計と見られていたが、ウォートルスは1866年から奄美大島で製糖工場の建設にあたっていたため、現在では紡績所に関係したイギリス人が設計・指導したと考えられている。 西洋建築の輸入当初に日本各地に建設された同様の建築物のうち、現存する2階建て住居としては最初期のもので、幕末における洋風化建築の進展を示す貴重な遺産として保存されている。
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