康保元年十一月勧学会記とは? わかりやすく解説

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康保元年十一月勧学会記(綾本)

主名称: 康保元年十一月勧学会記(綾本)
指定番号 2456
枝番 00
指定年月日 1990.06.29(平成2.06.29)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文:  勧学会平安時代康保元年九六四三月慶滋保胤よししげのやすたね】らが中心となって大学寮北堂学生叡山の僧等が合同催したことに始まり僧俗二〇名が一堂参集し法華講義のあと詩文作り念仏を行う行事で、以後三宝絵詞さんぼうえことば】』等によれば毎年三月九月十五日に行われるのが恒例となった
 この総持寺本は、康保元年十一月十五日の勧学会記の古写本で、料絹には有職ゆうそく織物多く行われた固地綾【かたぢあや】を用い一行八字前後法性寺様【ほつしようじよう】の書風をもって行体書かれている本文は首を少欠し「之不定、於戯禅侶題目云々以下八四行を存している。巻頭より詩序、ついで賀茂保章、中原朝光、文室如正の作詩三首を記し、以下にいわゆる記を記している。記には講説竪義、誦讃などの仏事記し最後に参会人々が詩を賦したことを述べて巻末に「中有凡夫源為憲、謬預二十之列、独慙緇素之交、倩見実事走筆記之」とあって、この勧学会記が参会者の一人源為憲みなもとのためのり】によって記録されたことを明らかにしている。詩序中に于時康保第一十一月十五日」の年紀があり、勧学会三月九月恒例であることから十一月九月誤写とする説もあるが、文中には「山雪紛々」など冬の季節を示す表現もあり、この勧学会記はその第二回にあたる康保元年十一月勧学会記録考えられる
 本書によって勧学会の結衆のうち学生四名が新たに知られ、また従来その人名が詳らかでなかった僧侶の結衆として、一四名が判明したことは勧学会性格考える上に大きな素材提供している。
 巻末料紙継いで藤原輔方【すけかた】の識語があり、本巻法性寺関白藤原忠通【ただみち】の筆と鑑している。輔方は中尊寺供養願文重文中尊寺)の筆者としても知られる鎌倉後期能書であるが、本巻法性寺様の特徴をよく伝えており、平安時代末期法性寺様の行体の手本として写されたものと考えられる康保元年十一月勧学会具体的内容伝えた唯一の記録として漢文学仏教史学上に価値が高い。
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書跡・典籍:  幼学指南鈔  幼学指南鈔巻第十六  広清涼伝  康保元年十一月勧学会記  延喜式  延喜式神名帳  延暦寺智行高僧伝



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