導入に至るまでの経緯とは? わかりやすく解説

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導入に至るまでの経緯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 09:55 UTC 版)

監査に関する品質管理基準」の記事における「導入に至るまでの経緯」の解説

2005年品質管理基準導入され背景には、国際的な監査の品質管理基準対応する必要があったこと、および日本国内における監査非違事例続発したこと、という二つ事情があった。 アメリカ財務諸表監査においては1970年代以来長年わたって監査業務における品質管理確保取り組みがあった。国際監査基準なかにも、もともと品質管理基準規定されていたが、監査の品質管理重要視されるうになるとともに独立してより詳細国際品質管理基準設定されるようになった。 しかし、日本はこうした監査業務対す品質管理制度長年存在していず、監査基準上も品質管理に関する規定はなかった。そこで、国際品質管理基準第1号(ISQC1)と国際監査基準220(ISA220)の内容一つまとめて取り入れ、そこに共同監査などについての日本独自規定追加することで、新たに品質管理基準設定したのであるとはいえ品質管理基準導入以前でも、1997年になると、日本公認会計士協会自主的に発表した監査基準委員会報告書第12号監査の品質管理」 において、監査の品質管理に関して一定の定め置いていた。また、日本公認会計士協会監査事務所に対して自主的に品質管理レビュー」を実施するようにもなった。1999年導入されたこの品質管理レビューは、2003年改正公認会計士法39条の9の2において法制化もされている。同時に品質管理レビューに対して公認会計士・監査審査会モニタリングを行うこととなった。 ところが、2004年末から2005年初頭において、日本において監査非違事例次々と発覚し財務諸表監査制度対す信頼揺らぐ状況生じた。このことが、金融庁諮問機関である企業会計審議会のもとに、監査基準として品質管理基準導入されることとなるもう一つきっかけとなった監査論学者吉見宏は、品質管理基準設定した企業会計審議会第1回監査部会審議内容分析し具体的に学校法人東北文化学園大学足利銀行における不正が、品質管理基準導入契機になった指摘している。 前者は、学校法人文部省からの私学助成金手に入れるために、粉飾経理によって数十億円の負債隠蔽していた事例である。この東北文化学園大学では、大手監査法人センチュリー監査法人(現在の新日本有限責任監査法人)が学校法人監査行っていたにもかかわらず虚偽表示見逃して金融庁から処分を受ける事態となった後者は、巨額不良債権抱えた足利銀行において、1208億円の繰延税金資産計上認められず、債務超過に陥り、経営破綻国有化至った事例である。この問題は、従来繰延税金資産計上認めてきた会計監査人中央青山監査法人が、金融庁検査結果受けて2003年9月中間決算監査突如として繰延税金資産計上否定したことに起因している。中央青山監査法人は、2001年3月期において繰延税金資産過大計上などによる粉飾決算見逃したとして、足利銀行から訴訟起こされる事態となった。 両事例はいずれも、大手監査法人地方事務所監査担当しており、大手監査法人といえども特に地方事務所では十分な品質監査が行われていないことが明るみに出ることとなった。そして、全国的な監査品質水準維持のために、品質管理基準設定促されることとなったとと考えられるという。 以上のような事情のもと、企業会計審議会は、2005年1月総会での決定に基づき同年3月から監査部会において品質管理基準設定について審議開始している。そして、同年7月公開草案公表し審議参考とすべく、各界意見求めたその後同年発覚したカネボウ社の粉飾決算事例踏まえて職業倫理独立性に関する規定強化する方向内容調整しつつ、同年10月に「監査に関する品質管理基準設定係る意見書」として正式に品質管理基準公表した品質管理基準は、2006年3月決算係る財務諸表監査から早期適用2007年3月決算決算係る財務諸表監査から全面適用されることとなり、各監査事務所品質管理基準への対応を迫られた。

※この「導入に至るまでの経緯」の解説は、「監査に関する品質管理基準」の解説の一部です。
「導入に至るまでの経緯」を含む「監査に関する品質管理基準」の記事については、「監査に関する品質管理基準」の概要を参照ください。

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