四つの緒とは? わかりやすく解説

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よつ‐の‐お〔‐を〕【四つの緒】

読み方:よつのお

《4弦であるところから》琵琶(びわ)の異称

「—に思ふ心調べつつ弾き歩けども知る人もなし」〈兼盛集


四つの緒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 00:58 UTC 版)

後醍醐天皇」の記事における「四つの緒」の解説

増鏡』「久米のさら山によれば元弘の乱笠置山の戦い敗北し幕府捕らえられ後醍醐天皇は、年が明けて元弘2年/正慶元年1332年2月になってもまだ、六波羅囚われており、意気消沈する日々送っていた。このとき、中宮西園寺禧子は夫の慰めにと、後醍醐がかつて愛用していた琵琶宮中から届けると、紙片に歌を書いて琵琶添えた『太平記』もほぼ同様の逸話載せる)。 思ひやれ 塵のみつもる 四つの緒に はらひもあへず かかる涙を(大意思いやってください塵ばかりが積もる四つの緒(四弦琵琶)に、払いきることも出来ないほど、絶え落ちかかる私の涙を。そのむかし隠岐流され後鳥羽院のため、院の琵琶を塵一つなく手入れしていたら老いの涙がかかってしまった藤原孝道のように、私もあなたの帰り待っている間に、きっとしわくちゃおばあちゃんになってしまうでしょう) —中宮禧子、『増鏡』「久米のさら山」(『新葉和歌集』雑下にほぼ同一歌) これに対し後醍醐雨垂れのようにはらはらと涙をこぼし、歌を詠んだという。 涙ゆゑ 半ばの月は くもるとも なれて見しよの 影は忘れじ(大意:涙のために、その半ばの月琵琶)と、半ばの月満月のようなあなたが曇って見える。けれども、あなたと逢って共に何度も観た夜の美し月影月の光)と、そのとき月影のように永久に美しいあなたの面影のことは、決し忘れはしない。どうかあなたはいつまでも、月のように長く生きて欲しい) —後醍醐天皇御製、『新葉和歌集』雑下・1295(『太平記』流布本巻3「主上笠置を御没落の事」にほぼ同一歌) かきたてし 音(ね)をたちはてて 君恋ふる 涙の玉の 緒とぞなりける(大意確かにかつて私は琵琶をかき鳴らしたものだが、その音はもう絶ってしまった。私自身音楽の楽しみよりも、あなたと想いの方がずっと大切なのだから。その琵琶の緒(弦)は、あなたを恋しく想って流れるこの涙の玉を、首飾りとして連ねるための緒(紐)として使おう『源氏物語』大君は、自分の「玉の緒」(命)は涙の玉のように脆く儚いから緒を通せない、と言って、薫と永き契りを結ぶことを拒んだという。だが、私はたとえこれから刑や戦で死ぬかもしれない脆く短い命であったとしても、あなたがくれた緒を通してあなたと契りは――幾たび生まれ変わっても、永遠だ) —後醍醐天皇、『増鏡』「久米のさら山後醍醐天皇琵琶名手として著名であり、禧子の父である西園寺実兼同母兄の今出川兼季学び、その腕前は『増鏡』や、笙の名人であった将軍足利尊氏による弔文絶賛されている。また、天皇家神器である伝説琵琶玄象」(げんじょう)を初め数多く楽器名物所有していた。そうした天才音楽家として名声皇家累代神宝、そして一国皇帝たる自分自身の命よりも、最愛正妃である禧子の存在と、禧子との永遠契りの方が、はるかに尊い、と謳う歌である。

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四つの緒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 09:31 UTC 版)

西園寺禧子」の記事における「四つの緒」の解説

増鏡』「久米のさら山によれば元弘の乱笠置山の戦い敗北し幕府捕らえられ後醍醐天皇は、年が明けて元弘2年/正慶元年1332年2月になってもまだ、六波羅囚われており、意気消沈する日々送っていた。このとき、禧子は夫の慰めにと、後醍醐がかつて愛用していた琵琶宮中から届けると、紙片に歌を書いて琵琶添えた思ひやれ 塵のみつもる 四つの緒に はらひもあへず かかる涙を(大意思いやってください塵ばかりが積もる四つの緒(四弦琵琶)に、払いきることも出来ないほど、絶え落ちかかる私の涙を。そのむかし隠岐流され後鳥羽院のため、院の琵琶を塵一つなく手入れしていたら老いの涙がかかってしまった藤原孝道のように、私もあなたの帰り待っている間に、きっとしわくちゃおばあちゃんになってしまうでしょう) —中宮、『増鏡』「久米のさら山」(『新葉和歌集』雑下にほぼ同一歌) これに対し後醍醐雨垂れのようにはらはらと涙をこぼし、歌を詠んだという。 涙ゆゑ 半ばの月は くもるとも なれて見しよの 影は忘れじ(大意:涙のために、その半ばの月琵琶)と、半ばの月満月のようなあなたが曇って見える。けれども、あなたと逢って共に何度も観た夜の美し月影月の光)と、そのとき月影のように永久に美しいあなたの面影のことは、決し忘れはしない。どうかあなたはいつまでも、月のように長く生きて欲しい) —後醍醐天皇御製、『新葉和歌集』雑下・1295(『太平記』流布本巻3「主上笠置を御没落の事」にほぼ同一歌) かきたてし 音(ね)をたちはてて 君恋ふる 涙の玉の 緒とぞなりける(大意確かにかつて私は琵琶をかき鳴らしたものだが、その音はもう絶ってしまった。私自身音楽の楽しみよりも、あなたと想いの方がずっと大切なのだから。その琵琶の緒(弦)は、あなたを恋しく想って流れるこの涙の玉を、首飾りとして連ねるための緒(紐)として使おう『源氏物語』大君は、自分の「玉の緒」(命)は涙の玉のように脆く儚いから緒を通せない、と言って、薫と永き契りを結ぶことを拒んだという。だが、私はたとえこれから刑や戦で死ぬかもしれない脆く短い命であったとしても、あなたがくれた緒を通してあなたと契りは――幾たび生まれ変わっても、永遠だ) —後醍醐天皇、『増鏡』「久米のさら山後醍醐天皇琵琶名手として著名であり、禧子の父である西園寺実兼同母兄の今出川兼季学び、その腕前は『増鏡』や、笙の名人であった将軍足利尊氏による弔文絶賛されている。また、天皇家神器である伝説琵琶玄象」(げんじょう)を初め数多く楽器名物所有していた。そうした天才音楽家として名声皇家累代神宝、そして一国皇帝たる自分自身の命よりも、禧子の存在と、禧子との永遠契りの方が、はるかに尊い、と謳う歌である。

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