価格と調達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 11:57 UTC 版)
1990年(平成2年)度-2009年(平成21年)度までの19年間で341輌が調達された。年平均の調達台数は約18輌。調達価格は整備用工具や予備消耗部品が含まれた総合価格となっている。バブル景気の真っ只中に採用が決定され、量産効果による価格低下も見込まれて1輌約11億円という価格でも迅速に配備が可能という見通しだったが、制式化直前のバブル崩壊と翌年のソビエト連邦の崩壊に伴う防衛費の減少・削減、こんごう型護衛艦(イージス艦)など他の正面装備の拡充や戦車保有数の削減などと時期が重なったこともあって、予想通りの調達ペースは得られなかった。 調達当初の3年間は1輌約11億円前後であり、少数生産にとどまる以上は、開発費や設備投資の消化も考えると1輌当たりの価格が高騰する事情があるが、4年目以降は1輌約9.4億円となり、継続的な調達による量産効果で2001年(平成13年)度以降は1輌約8億円(最低は約7億9,000万円)まで単価が減少した。 90式戦車は他国の第3世代戦車に比べて高価であり、外国産戦車を輸入すべきだったと批判されることがあるが、他国戦車を輸入した際の価格に関しては軍事情報雑誌Jane's発行のレポートによれば、アメリカのM1A2エイブラムス及びドイツのレオパルト2A6は輸出実績でいずれも1輌あたり10億円を超えており、フランスのルクレールは自国型でもそれに並ぶ価格となっている。 90式の調達は2009年(平成21年)度で終了し、2010年(平成22年)度からは10式戦車の調達が行われている。 90式戦車の調達数予算計上年度調達数予算計上年度調達数予算計上年度調達数平成2年度(1990年) 30輌 平成9年度(1997年) 18輌 平成16年度(2004年) 15輌 平成3年度(1991年) 26輌 平成10年度(1998年) 17輌 平成17年度(2005年) 12輌 平成4年度(1992年) 20輌 平成11年度(1999年) 17輌 平成18年度(2006年) 11輌 平成5年度(1993年) 20輌 平成12年度(2000年) 18輌 平成19年度(2007年) 9輌 平成6年度(1994年) 20輌 平成13年度(2001年) 18輌 平成20年度(2008年) 9輌 平成7年度(1995年) 20輌 平成14年度(2002年) 18輌 平成21年度(2009年) 8輌 平成8年度(1996年) 18輌 平成15年度(2003年) 17輌 合計 341輌
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