伊吹山頂草原植物群落とは? わかりやすく解説

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伊吹山頂草原植物群落

名称: 伊吹山頂草原植物群落
ふりがな いぶきさんちょうそうげんしょくぶつぐんらく
種別 天然記念物
種別2:
都道府県 滋賀県
市区町村 米原市伊吹山
管理団体
指定年月日 2003.07.25(平成15.07.25)
指定基準 植3,植10
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 伊吹山滋賀県で最も高い標高1,377mの半独立峰で、岐阜県との境にある伊 吹山地南端位置し、その南側関ヶ原地峡、さらに鈴鹿山地と続いている。伊吹 山中腹以上に古生代二畳紀形成され石灰岩広く分布しており、山頂部には カレンフェルト巨大な石灰露岩等が見られる気候的には日本海気候太平洋型 気候境界にあたり冬季日本海からくる寒冷な季節風強く山頂部積雪量が多 い。しかし、この地域石灰岩には塊状亀裂多く透水性高く表土乾燥しや すい。
 このような地質的気候条件のため、山頂部では樹木生育抑えられ日本で は数少ない山地草原発達している。山頂周辺草原には、このような特異な条件下 で生じた伊吹山固有種ルリトラノオ、コイブキアザミ、イブキレイジンソウなど)、 寒冷な時代生き残りである北方系の植物グンナイフウロキンバイソウイワシ モツケなど)、日本海側多雪地帯植物スミレサイシン、イブキトリカブトなど)、 石灰岩地を好んで生育する植物イチョウシダイブキシモツケなど)等の約600 種の植物群生している。花期には、このような固有種北方要素日本海要素等 の植物一面咲き誇り壮大なお花畑形成している。
 このような広大な草原維持されてきた要因としては、自然条件とともに人間活 動重要な要素であった伊吹山はほとんどが共有地となっており、かつては広く採 草柴刈り等に利用される地域であった。そのため、森林発達抑制し、広い範囲 が草原として維持されてきたと考えられるまた、この地域古くから薬草採草地と して名高く織田信長ポルトガル宣教師薬草園を造らせたともいわれている。 日本ではこの地域にしか知られていないヨーロッパ原産植物キバナノレンリソ ウイブキノエンドウ)なども生育している。
 このように伊吹山では特異な地質的気候条件により形成され固有種北方 系要素日本海要素植物等が生育し他の地域では見られない山頂草原広範囲に わたり成立している。この伊吹山頂草原植物群落は、植物分類学植物地理学生態 学、また文化的な観点からもきわめて学術的価値が高い地域であることから、天然記 念物指定し保護図ろうとするものである



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