二次元NMR
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 06:37 UTC 版)
二次元NMR(にじげんエヌエムアール)は核磁気共鳴 (NMR) 分光法のひとつの手法であり、2D-NMRとも略称する。測定結果であるスペクトルは横軸を被測定核の化学シフトとし、縦軸を測定法による種々のパラメーターとした2次元平面の各点の強度として示される。二次元NMRスペクトルのピークは両パラメータ軸への平行線の交点に現れるという意味から交差ピークまたはクロスピークと呼ばれる。縦軸のパラメータの種類とクロスピークの出現機構により非常にたくさんの二次元NMR測定の種類が考えられ実際に使用されている。普通は後述の対角ピークは交差ピークには含まない。状態が似ている水素が多いと、通常の1次元ピークでは多くのピークが重なり、解析が困難となる。この方法によって、ピークを2次元形式で表示することでピークを分けてより見やすくすることが可能である。
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二次元NMR
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:30 UTC 版)
詳細は「二次元NMR」を参照 NMRにおいては磁場パルスによってコヒーレンスを生成した後、さらに磁場パルスを当てることによりコヒーレンスをその核と相互作用のある核に移動させることができる。このことを利用してある原子と別の原子の間の相関を調べるのが二次元NMR分光法である。 二次元NMR においては測定したい相関に応じて、複数のパルスがある決められた順序、時間間隔で当てられる。この順序、時間間隔をパルスシークエンスと呼ぶ。どのパルスシークエンスも大体、準備期-展開期-混合期-検出期の4つの部分からなる。 準備期: 相関を測定したい第1の核にコヒーレンスを生成させる(直接第1の核にパルスを照射してコヒーレンスを生成する場合は準備期は無い) 展開期: 第1の核のコヒーレンスが時間発展する状態 混合期: 第1の核と相互作用のある第2の核へコヒーレンスを移動させる(検出パルスにより直接第1の核から第2の核へ移動させる場合は混合期は無い)。このとき移動するコヒーレンスの大きさは展開期の長さと第1の核のラーモア周波数によって変化する。 検出期: 第2の核からのFIDを測定する。FIDの強度は第1の核から移動したコヒーレンスの大きさに比例する。 展開期の時間の長さ(普通 t1 で表す)を変えていくと、検出期のFIDの強度が第1の核のラーモア周波数で振動する。FID をフーリエ変換した後の第2の核のシグナルの強度も第1の核のラーモア周波数で振動していることになる。そのため、第2の核のシグナルの強度をフーリエ変換すると、第1の核のラーモア周波数を取り出すことができる。これにより相互作用している2つの核の情報を取り出すのが2次元NMRである。
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二次元NMR
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/03 17:45 UTC 版)
詳細は「二次元NMR」を参照 通常のNMRスペクトルは、化学シフトや周波数のような1つのパラメーターを表す1次元座標軸上に信号の位置と強度が示されるが、2つのパラメーターで表された2次元座標面上に信号の位置と強度が示されるような測定方法を二次元NMRという。2つのパラメーターの組み合わせの実例には、同一核種の化学シフト同士、異なる核種の化学シフト同士、化学シフトとスピン結合定数、化学シフトと緩和時間、化学シフトと自己拡散係数など様々なものがある。具体的には「二次元NMR」の項目を参照のこと。また、項目「核磁気共鳴」の節「理論-二次元NMR」にも説明がある。 2つ以上のパラメーターで表された多次元座標上の信号を観測できる方法は多次元NMRという。通常のNMRを二次元NMRや多次元NMRと区別したい場合に、一次元NMRと呼ぶこともある。
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