中性線欠相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 00:17 UTC 版)
前述したように、単相三線式配線では100Vと200Vという異なる電圧を取り出すことができるのであるが、もし何らかの原因で中性線が断線(欠相)した場合、中性線の電圧が固定されなくなるため、第1相に接続された100V機器のすべてと、第2相に接続された100V機器のすべてが中性線を介して直列に接続されたものに対して200Vの電圧がかかることになる。もし100V負荷が両電圧線に不均一に接続されている状態で中性線が欠相すると、軽負荷側の電圧線と中性線間の電圧が上昇し、100V機器に200V近い電圧がかかって焼損する恐れがある。 実際、日本国内の消費生活センターに単相3線式分電盤に関する相談が2002年2月から2008年2月までに58件あり、また、火災又は怪我人が出る事故はないものの、「家電製品から白い煙が出て壊れた」との事故報告もあり、国民生活センターでは注意を呼びかけている。これを回避するため、次の1 - 3の対策が行われる。 できるだけ100V負荷を両電圧線に均一に接続する(実際には、常時使うのでなければ均一にはできない)。 100V負荷をすべて同一の相に接続する(片寄せ配線、不平衡負荷の制限の例外)。中性線ともう一方の相を接続するものが何もないため、中性線欠相時は機器に電気が供給されない。ただし系統全体からみた電力の利用効率は落ちる。 中性相はヒューズを入れず銅バーで直結する。また、タイマー連動などで電磁接触器を用いる場合は中性相は接点を通さないで直送りする。 日本の内線規程(JEAC8001-2011)では単相3線式電路には中性線欠相保護機能付漏電遮断器を使用するよう記載がある。
※この「中性線欠相」の解説は、「単相3線式」の解説の一部です。
「中性線欠相」を含む「単相3線式」の記事については、「単相3線式」の概要を参照ください。
- 中性線欠相のページへのリンク