不動産登記法改正と中間省略登記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 09:33 UTC 版)
「中間省略登記」の記事における「不動産登記法改正と中間省略登記」の解説
前述のとおり、中間省略登記は原則としてすることができないとされていたものの、2005年(平成17年)に不動産登記法が改正施行される前においては、現実に中間省略登記が行われていた。これは、その登記が中間省略登記であるかどうかを登記官に確認されることなく登記申請を行えるような仕組みになっていたためである。具体的には、登記申請にあたって添付書類とされた「登記原因を証する書面」(原因証書)が、申請書副本(登記申請書のコピー)で代用できた(旧不動産登記法第40条)ために、「原権利者から中間者を経て新権利者へと物権が移転した」という事実を登記官が確認できないようにすることができるようになっていたのである。 しかし2005年(平成17年)の不動産登記法改正によって、登記申請にあたっては、一部の例外を除き「登記原因証明情報」の添付が必須(申請書副本による代用が不可)となった(不動産登記法第61条)ため、虚偽の登記原因証明情報を用いない限り、中間省略登記ができないこととなった。不動産登記申請はその大部分が司法書士等の有資格者が代理することによって行われているが、これらの資格者代理人が虚偽の登記原因証明情報を用いることは資格はく奪等の不利益に結び付くことから、資格者代理人が中間省略登記をすることはまず考えられず、結果として中間省略登記を行うことは事実上できなくなった(ただし、中間省略登記が不動産登記法の改正によってはじめて否定されたのではなく、中間省略登記は改正前よりある種の脱法行為として行われていたに過ぎないという点には注意が必要である。)。
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