ラージャ・ヨーガ
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ラージャヨーガ(「王のヨーガ」の意)は、瞑想(ディヤーナ)によって心を涵養し、真実在への理解を深めて最終的に解脱を目指すヨーガの体系。古典ヨーガやアシュターンガ・ヨーガ(八支ヨーガ)と密接に関連するが、厳密には多くの点で異なる。パタンジャリの『ヨーガスートラ』が初めて述べたところのものであり、サーンキヤ学派と密接に関連する[1]。ヒンドゥー哲学の文脈においてはヨーガ学派と呼ばれる六派のひとつである。
- ^ K A Jacobsen & G J Larson Theory And Practice of Yoga: Essays in Honour of Gerald James Larson, p. 4.
- ^ 年代については14世紀とする説から16-17世紀頃とする説まである。
- ^ 伊藤武 『図説 ヨーガ大全』佼成出版社、2011年、97-99頁。ISBN 978-4-333-02471-1。
- ^ 佐保田鶴治 『ヨーガ根本教典』平河出版社、1973年、86頁。ISBN 4-89203-019-8。
- ^ この原語はサンスクリットのニローダ (nirodha) で、「抑制」(コントロール)の意とも解される。ニローダは仏教では四諦のひとつ滅諦であり「滅」と漢訳されるが、停止、制御、制限の意味がある。
- ^ 佐保田鶴治 『ヨーガ根本教典』平河出版社、1973年、66頁。
- 1 ラージャ・ヨーガとは
- 2 ラージャ・ヨーガの概要
- 3 呼称
- 4 思想
- 5 脚註
ラージャ・ヨーガ(心身統一の道)
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「ヴィヴェーカーナンダ」の記事における「ラージャ・ヨーガ(心身統一の道)」の解説
ラージャ・ヨーガは、瞑想により心を制御して合一を目指すものであるとする。心身統一の方法で、精神と肉体両方に働きかけるものであり、人間の精神に関わる他の3つのヨーガとは扱う対象が異なる。書籍『ラージャ・ヨーガ』は、ニューヨークでの講演の記録と「パタンジャリのヨーガ格言集」からなり、全体として主にパタンジャリの『ヨーガ・スートラ』の八部門が詳しく解説されている。『ヨーガ・スートラ』は以下の8つの段階を経て合一に至る道を記している。 禁戒(ヤマ) 勧戒(ニヤマ) 坐法(アーサナ) 調息(プラーナーヤーマ) 制感(プラティヤーハーラ) 凝念(ダーラナー) 静慮(ディヤーナ) 三昧(サマーディ) ヴィヴェーカーナンダは、ラージャ・ヨーガはインド人ならではの精神科学であり、集中の研究であると述べている。『ヨーガ・スートラ』の解釈はそれまでより実践的であり、プラーナ(呼吸)とプラーナーヤーマ(調息)に関してハタ・ヨーガの生理学的要素が加えられ、ヨーガを実践しプラーナを制御することで「ほとんど全能、ほとんど全知」になることが可能であると主張している。彼の『ラージャ・ヨーガ』は、『ヨーガ・スートラ』、ヒンドゥー教の伝承、ブラフモ・サマージ等の近代ヒンドゥー教の思想、当時の西洋科学である物理学、心理学、解剖学等、アメリカで人気のあった自然魔術の系譜のメスメリズム(動物磁気療法)、オカルティズム、代替医療等が混ざったものになっており、当時のアメリカにいた精神治療家、信仰治療(英語版)家、心霊主義の降神術者、ニューソートのクリスチャンサイエンティスト、催眠術者なども無意識にプラーナを制御しているとした。 メソッドの実践や儀礼、身心技法で非聖職者が魂の救済を直接求めるメソジストやクエーカー教などのキリスト教の潮流を背景に、実践的なラージャ・ヨーガは、当時のアメリカで高みに上るための身心技法として人気を博した。
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