モデル33 デボネア / ボナンザ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 15:02 UTC 版)
「ビーチクラフト ボナンザ」の記事における「モデル33 デボネア / ボナンザ」の解説
モデル35のV型尾翼配置を、通常の単尾翼形式に改めたモデル。ビーチ社はモデル35とは異なる顧客層(パイパー社製コマンチを好むような)をターゲットに標準的な尾翼のモデル33を開発した。モデル35ベースであるが、より廉価なマーケットを狙ったため当初は内装等の装備も簡素であった。 V字尾翼のモデル35は上級機種という位置付けで、これと区別してデボネア(Debonair)と呼ばれたが、市場の要望により次第に高級化されてゆき、1968年のモデル36の登場を機に、33・35・36の各型でひとつのボナンザシリーズを形成するということで、デボネアからボナンザに改名された。 モデル35-33 デボネア(1960年) 233機生産。IO-470-J(225hp)搭載。 モデル35-A33(1961年) 154機生産。機体全体の塗装を標準装備(従来はオプション)、内装アクセサリ類の充実。オプションでピトーヒータ選択可能に。モデルイヤー後半のモデルはIO-470-K(225hp)に換装された。当時のカタログ価格は$21,750 モデル35-B33(1962年) 426機生産。IO-470-K(225hp)装備。垂直尾翼根元にドーサルフィンを装備、計器盤デザイン変更、機長席正面の主要計器がフローティングマウントになり、右席前にアビオニクス用スタックを縦列配置し装備面積の増加。操縦席バックレストが調節可能になった。当時のカタログ価格は$23,500 モデル35-C33(1965年) 304機生産。IO-470-K(225hp)装備。前面風防の中桟を廃止し、一枚もの(one-piece windshield)へ変更。 モデル35-C33A(1966年) 179機生産。モデル35-C33の高出力型でIO-520-B(285hp)装備。想定ライバル機のパイパー社製コマンチに高出力型(260hp)が存在したため、それを念頭に置いて高出力型が開発された。以後、モデルF33まで二種類のエンジンから選択可能になった。当時のカタログ価格は$31,000 モデルE33(1968年) 116機生産。IO-470-K(225hp)装備。前面風防がより空気抵抗の少ない形状("Speed Sweep" windshield)に形状変更、この年から愛称がボナンザに変更となる。 モデルE33A(1968年) 85機生産。モデルE33の高出力型でIO-520-B(285hp)装備。 モデルF33(1970年) 233機生産 IO-470-K(225hp)装備。後部クオーターウインドウ(third cabin window)の形状変更。1970年のみ生産された。当時のカタログ価格は$34,150 亜種として、イランが生産したデッドコピー品であるパラツ(「鳩」の意)が存在する。 モデルF33A(1970年) 1502機生産。モデルF33の高出力型でIO-520-B(285hp)装備。1970年後半から胴体が19インチ延長され、6席配置が可能になるとともに、大型カーゴドアを装備する。当時のカタログ価格は短胴モデル$38,150、ロングモデル$41,600。1971年からはそれまで上位機種であったモデルV35Bと装備がまったく同一となる。1984年にモデル36は大々的な計器盤の改良(後述)を受けるが、モデル33は変更されることなく1994年の最後までスローオーバー式操縦桿で生産された。 モデルG33(1972年) 50機生産 IO-470-N(225hp)装備。IO-470のモデル33は1970年で一旦生産をやめたが、1972年になってG33として復活した。1973年まで生産された最後のIO-470モデル。装備などの内容は1972年モデルのF33Aに準ずる。
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