フランスの柔道教育の応用
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「フランスにおける柔道」も参照 柔道は世界的に普及が進み大きく広がり受け入れられる中で、フランスにおいても幅広く受け入れられ、その教育的効用も受け継がれている。その背景について、次のような意見がある。「東洋文化の象徴でもある柔道。だが、フランスには受け入れる土壌もあった。粟津(粟津正蔵)の教え子で、1975年にフランス初の世界王者(男子軽重量級)になったフランス柔道柔術剣道及び関連武道連盟(仏柔連)会長のジャン=リュック・ルージェは「礼儀を重んじる柔道の武士道とフェンシングに代表される騎士道には共通点がある。国民性に合っていた」と指摘する。」戦前にフランスに渡ったフランス柔道の父川石酒造之助が考案した指導法は「川石メソッド」として、今も活用されている。イギリス柔道の父と呼ばれロンドンの武道会において柔道を指導していた小泉軍治が考案し、川石もフランス柔道指導で導入採用した、従来の白帯以降、黒帯になるまでの間の各級位を細分化して表す種々の各種色帯は、フランスでの柔道普及に大きく貢献し、のちには日本にも逆輸入され級位の指導において導入されている以外にも様々な武道、格闘技でも採用されている。またフランス柔道には、武士道と騎士道を融合させた「8つの心得」 (le code moral du judo) があり、教育的目的、価値として重視される。そのフランス柔道における「8つの心得」として、 「礼儀」Politesse 「勇気」Courage 「友情」Amitié 「克己・自制」Contrôle de soi 「誠意」Sincérité 「謙虚」Modestie 「名誉」Honneur 「尊敬」Respect が挙げられる。そこには新渡戸稲造が『武士道』において挙げる徳目の、「礼儀」「勇気・敢闘及び忍耐の精神」「義」「克己」「誠実・信実」「仁・惻隠の情」「名誉」「忠義」と通ずるものであることが分かる。また、フランスにおける柔道の指導者資格は国家的ライセンスとなっており、その300時間に及ぶ講習は柔道の座学として、医学的見地などや修心的要素も学ぶものであり、嘉納の挙げる柔道修行法の一つ「講義」の応用となっていると言うことが出来る。
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