パロディの起源とは? わかりやすく解説

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パロディの起源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 09:22 UTC 版)

パロディ」の記事における「パロディの起源」の解説

古代ギリシャ語パロディは ϖαροδια と記され、ϖαρα と οδος に分解できる前半部分の ϖαρα には「歌うこと」の意味含まれており、具体的に韻文の詩を元来指していた。その後散文もこの用語の範疇として含まれるようになった。また後半部分の οδος には、アイディア対す共感類似性、あるいは糾弾反論見解の相違表現するの意味もあった。したがってこれらを複合する当時パロディは、歌唱あるいは作曲されるものであり、元となった作品何らかの差異認められるものを指していたと考えられる。そして一般庶民は、原作よりもくだけた対象シチュエーションこのようなパロディの手法を用いた。ただし、現代の意味するところパロディニュアンス異なり古代では必ずしも過去偉大な作品嘲笑する目的限られるものではなかった。以下、具体的な作品例見ていく。 紀元前5世紀活躍したエウリピデスギリシャ三大悲劇詩人一人評されるが、喜劇手掛けており、『キュクロプス』は完全な形で現存する唯一のサテュロス劇とされるサテュロスとはギリシャ神話登場する半獣半人であり、陽気で酒飲み好色キャラクターとして描かれている。このサテュロス登場する喜劇サテュロス劇であり、下品な下ネタなどが使われている。しかし『キュクロプス』と比較対象となる他者の元作品物理的に確認不可能なことから、『キュクロプス』を何らかのパロディと呼ぶべきか判定困難だとされている。また、紀元前5世紀 - 4世紀ギリシャ喜劇詩人アリストパネスパロディ作品生み出したことで一般的に知られ先述エウリピデス (生誕アリストパネスより30年ほど前の人物)の作品下敷きにしていると言われるが、この見解については異論出ており、アリストパネスパロディ作家呼べるか断定できていない紀元前4世紀哲学者アリストテレス著『詩学』によると、パロディ発明者タソスのヘゲモン(英語版) (紀元前5世紀頃作家) だと記されている (1448a9-18):94。ここでの「発明者」であるが、パロディ一つ文学ジャンルとして確立させた者を意味する考えられている。 学説上、パロディだと確認がとれている現存古典作品例としては、『蛙鼠合戦』("Batrachomyomachia"、古代ギリシア語: Βατραχομυομαχία)が挙げられパロディ中でも特にバーレスク的であるとも分類されている。『蛙鼠合戦』は長短短の6歩格で構成される韻文であり、トロイア戦争扱ったホメーロス『イーリアス』嘲笑するような文体知られカエルネズミ争いに置き換わっている。また、主神ゼウス始めとするオリュンポス十二神も、スキャンダラス逸話がたびたび伝えられていることから、格好パロディ材料となった。他にも紀元前4世紀半ば活躍した喜劇作家のエウブロス(英語版)、紀元前3世紀 - 2世紀古代ローマ喜劇作家プラウトゥスなどがパロディ作家として知られている。 格調高い文体下賤なトピックを扱うパターン、あるいは下賤な文体高尚なトピックを扱うパターン (擬似英雄詩など) のどちらも古代パロディ見られる

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