パラドックスの内容とは? わかりやすく解説

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パラドックスの内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 03:16 UTC 版)

オルバースのパラドックス」の記事における「パラドックスの内容」の解説

ガリレオ始め見出したように、夜空望遠鏡観察すれば肉眼では見ることのできなかった暗い星を多数見ることができ、星の世界遥か彼方まで広がっているように思える一方こうした星は空を覆い尽くすことなくその間には遥かに広い暗闇広がっているのもわかる。 16世紀ごろより20世紀初めまで天文学者宇宙無限に広がっているのではないか想定してきたが、そのときこうした広大な宇宙では全体太陽面のように輝くはずであり、夜空暗闇という観測事実相容れない謎であることを示したのがオルバースのパラドックスであった。 もし宇宙無限に広く一様に星が分布しているのなら、地上から空を見上げた視線は、やがていずれか星の表面にほぼ間違いなくたどり着くだろう。 この直観次のような考察からより明確となる。 ある物が視野中に占め見かけ面積は、その物遠ざかるほど小さくなり、倍の距離となればその見かけ面積は1/4となる。 このとき見かけ面積あたりの明るさは同じであり、明るさもまた1/4となる。 この事情恒星でも同じである。 例えば、もし地球から100光年の距離にある星が倍の200光年に遠ざかれば、見かけ面積明るさは1/4となる。 その一方で、距離100光年付近例え前後1光年)にある星の数と、その倍、200光年の同じ幅にある星の数とを比べると、後者はほぼ4倍の体積考えていることになり、星が宇宙にほぼ一様に分布しているなら、後者にはほぼ4倍の数の星が含まれているだろうと考えることができる。 さらに星の大きさも場所によらない考えれば結局100光年付近の星すべての見かけ面積総和と、200光年付近の星すべての見かけ面積総和は、ほとんど変わらない期待することができる。 このことは、どんな距離を考えて一般に成り立つ。 すなわち、n 倍の距離を考えれば、星の見かけ面積は 1/n2 倍となる一方で考えている領域大きさn2 倍となるので、結局、星全体見かけ面積は距離に依存しない右上模式図参照)。 よって、宇宙が十分大きければ、よほど星が特殊な配置をしていない限り、より遠い距離までの星を考えとともに空は星の表面によって一定の割合埋め尽くされていかなければならないことになる。 このとき、見かけ面積あたりの明るさは距離によらないので、恒星がどれも太陽と同じ程度輝いているとすれば、空は太陽表面のようなまばゆい光で覆い尽くされる。 この明るさは、我々が太陽表面まで降りていったときの明るさ考えることもできる結局宇宙構造が場所によらない、すなわち宇宙恒星分布がほぼ一様で、光度大きさ平均的に場所によらないという妥当と思われ仮定をおくと、無限もしくは十分に大きな宇宙では、実際夜空背景がなぜ暗いのか説明必要な事柄となる。 この議論また、しばしば平坦な森の中でみる木々の幹に例えられる2次元広がるので、の中の観測点からある距離にある木々の数は距離に比例して(距離の1乗で)増えるが、その幹の見かけの幅も反比例(逆1乗)で小さくなり、各距離での幅の合計は距離によらない期待される小さなならば、木々の幹の隙間から向こう側風景を望むことができるが、木々偏りなく分布しているのなら、ある程度大きな森では周囲様々な距離にある木々の幹で覆いつくされ向こう見通すことができない

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パラドックスの内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/16 07:47 UTC 版)

クラメールのパラドックス」の記事における「パラドックスの内容」の解説

例えば、2点を通る一次曲線直線)は一意定まり5点を通る二次曲線一意定まる。そこで、一般に n 次曲線何個の点を与えれば一意定まるか、という問題考えられる。少しの考察からは、矛盾する次のふたつの結論得られる平面代数曲線Ayn + (B + Cx) yn-1 + (D + Ex + Fx2) yn-2 + (G + Hx + Jx2 + Kx3) yn-3 + etc. = 0 と書けるため、係数をすべて求めるためには n (n + 3)/2 個の方程式が必要となる。つまり、n (n + 3)/2 個の点が n 次の平面代数曲線一意決定するであろう二つの n 次の平面代数曲線において、n2 回交わることができるものが存在する。つまり、これらの n2 個の点を通る曲線少なくとも2本存在する。したがって、これら一方曲線決定するためには、これらの n2 個の点では十分でなく、それより多くの点が必要であろう例えば、任意の3次平面代数曲線一意決定するためには、前者従えば9個の点で十分であるが、後者従えば9個より多くの点を必要とする曲線存在する現代からすれば、これはパラドックスではなく別の条件が必要となることが容易にわかる。数学史においてはレオンハルト・オイラーによって解決された。

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パラドックスの内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 02:07 UTC 版)

サンクトペテルブルクのパラドックス」の記事における「パラドックスの内容」の解説

偏りのないコインを表が出るまで投げ続け、表が出たときに、賞金をもらえるゲームがあるとする。もらえる賞金は、1回目に表が出た1円1回目は裏が出て2回目に表が出たら倍の2円、2回目まで裏が出ていて3回目初めて表が出たらそのまた倍の4円、3回目まで裏が出ていて4回目初めて表が出たらそのまた倍の8円、というふうに倍々で増える賞金がもらえるというゲームである。 つまり表が初めて出るまでに投げた回数を n とすると、2n−1円もらえるのである10回目初めて表が出れば512円、20回目初めて表が出れば524288円、30回目初めて表が出れば5億36870912円がもらえる。ここで、このゲームには参加費(=賭け金)が必要であるとしたら、参加費金額が何円までなら払っても損ではないと言えるだろうか数学的には、この種の問題では、賞金の期待値算出し参加費がその期待値以下であれば参加者損しない判断する。しかし、この問題における賞金の期待値計算してみると、その数値無限大発散してしまうのである。すなわち期待値を W とすると、 W = ∑ k = 1 ∞ ( 1 2 k2 k − 1 ) = 1 2 + 1 2 + 1 2 + 1 2 + ⋯ = ∞ {\displaystyle W=\sum _{k=1}^{\infty }\left({\frac {1}{2^{k}}}\cdot 2^{k-1}\right)={\frac {1}{2}}+{\frac {1}{2}}+{\frac {1}{2}}+{\frac {1}{2}}+\cdots =\infty } となる。したがって期待値によって判断するならば、参加費(=賭け金)がいくら大金であっても参加すべきである結論になる。 ところが実際には、このゲームでは 1/2 の確率1円、1/4 の確率で2円、1/1024 の確率512円の賞金得られるに過ぎない賞金512円以下にとどまる確率が1023/1024)。したがってそんなに得であるはずがないことは直観的に分かる。これが、この問題パラドックスとされる所以である。

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